クロダイを繊細に攻略するための新たな選択肢/コーヴァイスティックB704×コーヴァイチュー

神奈川県在住のアングラー・小笠原健太さんが、新幹線に乗ってチニングの本場・関西へ遠征。開発中のチニングロッド「コーヴァイスティックB704」を使用し、中小規模河川を中心にクロダイを狙う釣行レポートをお届けしよう。

ロッド、ワーム、そしてリーダーの3つがちょっと違う小笠原さんの中規模河川チニング。

川幅数十m、7ftのチニングロッドがあれば流芯まで余裕で届く程度の規模で、足場は柵のない敷石。フリーリグのチニングが一番楽しめそうなポイントだ。


なるべく軽いフリーリグで

 今回小笠原さんが出向いたフィールドは、比較的水深が浅く、流れや石、ウィードなどの障害物が点在する中規模河川。こうした場所では、キビレ・クロダイを一緒に狙えるケースも多いが、いずれを狙うにしても軽量なシンカーを使った繊細なフリーリグが有効となる。

 小笠原さんが今回使ったフリーリグの基本的なセッティングは、シンカーを遊動させる仕様のフリーリグだ。ストッパーを2連にすることでズレにくくしている。

 スタート時は10gのシンカーを使用したが、水深が浅くボトムの障害物に引っ掛かりやすいと判断したため7gへ変更。場合によっては5gまで軽くすることも想定した。

 クロダイを狙う場合は、ボトムからリグを大きく離さず、できるだけ軽いシンカーでボトムをトレースするのが基本となる。

 特に流れが強い場所では、リグを下流方向へドリフトさせ、ボトム付近をふわふわと流していくのが効果的だ。そのためにも、ルアーをボトム近くへ留められる範囲内で、なるべく軽いシンカーを使いたい。

リグはフリーリグ、ワームはコーヴァイチューでこの日は固定。クロー系にもリブつきストレート系にもチューニングできるコーヴァイチューならではの芸当だ。


クロダイ攻略を想定した「コーヴァイスティックB704」

 今回小笠原さんが使用したロッドは、スミスで開発中の「コーヴァイスティックB704」。すでに発売されている「コーヴァイスティックU」の派生モデルとして開発が進められている一本だ。

 まずレングスは7ft。ティップは比較的柔らかく、魚のバイトを受け止めやすくなっている。想定したフィールドは、今回のような中規模河川、そしてさらに狭い運河や都市部の水路などだ。

広大なフィールドで遠投するのではなく、比較的コンパクトなポイントでクロダイを繊細に、そしてテンポよく狙うことを重視した結果が、この7ftというレングスというわけだ。

 次にパワー設定。前述したとおりクロダイ狙いのフリーリグでは、ボトムをしっかり感じられる範囲で、できるだけ軽いシンカーを使うのが理想だ。そしてそんな軽いシンカーでボトムの障害物を巧みにかわしながら、ゆっくり丁寧な操作ができればなおよい。そしてヒット後、ティップが柔軟に入ってくれればいうことなしだ。

コーヴァイスティックB704はなんと4ピースまで分割可能。これなら公共交通機関での移動も余裕だ。

この日使いそうなシンカーの重量は最大10g、最小5g。コーヴァイスティックB704なら余裕でさばける範囲。


使いやすさの秘密がここにある

 そんな理想的なパワー設定が施されたコーヴァイスティックB704のブランクスを支えるのが、狭い場所でも扱いやすいショートグリップだ。オーバーヘッドキャストだけでなく、サイドキャストやフリップキャストなど、都市部の水路や護岸際で多用するキャストにも対応しやすい仕様になっている。フェンス越しや足場スペースが限られた場所など、一般的なロッドでは取り回しにくい状況でも操作しやすいのがうれしい。

 そしてBYシリーズといえばこれ、4ピース構成を採用した点に注目したい。仕舞寸法をコンパクトにすることで、遠征や公共交通機関を利用した釣行も手軽に行ける。神奈川在住の小笠原さんが新幹線で関西の河川チニングポイントへ遠征する今回のような釣行にはうってつけだ。

 2027年春の発売に向け、現在開発のラストスパートにかかったコーヴァイスティックB704。実物を手に取れる日が今から楽しみである。


写真下がB704。開けたポイントではロングキャスト、狭いポイントでは取り回しのよさの両立した長さのグリップエンド。


フリーリグ専用ワーム「コーヴァイチュー」

 今回小笠原さんが使ったワームは、スミスのフリーリグチニング専用ワーム「コーヴァイチュー」。サイズは2.4inと2.8inの2種類だ。

 パッケージから出してそのまま使用するだけでも十分にアピールできるが、コーヴァイチューの特徴のひとつが、フィールドで簡単にカットしてアクションを調整できることだ。

 フリーリグチニングは比較的コンパクトな装備で楽しめる釣りだが、そのためにはワームを何種類も持ち歩くのは避けたい。そこでひとつのワームを現場でカットし、状況に合わせてアジャストするという小笠原さん。

「車に残してきたあのワームを持ち込んでおけばよかった……なんて後悔しながら駐車スペースに戻るなんてイヤですからね。その場にあるワームを、その日の状況に合わせてすぐセッティング。コーヴァイチューはそんな柔軟な使い方ができるワームです」

 と小笠原さんが教えてくれた。

今回の使用リグがこちら。ワームはコーヴァイチュウ(スミス)。

テールをカットでよりコンパクトに

 コーヴァイチューには大きく分けて「テール」と「アーム」の2つの可動パーツがある。そしてそのどちらか一方を残すだけでも、それぞれ異なるアクションを生み出せる。そこでテールとアーム、それぞれ一方だけをカットしたときどのような動きをするのか解説しよう。

 まずはテール側のカット。これはフッキング性能アップが期待できる。ワーム全体がコンパクトになり、フックポイントがより魚の口に入りやすくなるからだ。ショートバイトが多い状況や、サイトフィッシング、ピンスポットにリグを落として一発で食わせたい場面などで有効となる。特に「バイトはあるものの、なかなかフッキングまで持ち込めない」という状況では、試してみたいセッティングといえよう。

 このセッティングは2.8in、2.4inのどちらでも有効だが、よりコンパクトな2.4inのほうが効果が出やすいことも付け加えておこう。

写真上のようにコーヴァイチューのテールをカットすることで全体のシルエットがコンパクトになり、クロダイがより食いやすくなる。


アームをカットで飛距離と操作性を向上

 もうひとつが、アーム部分をカットするチューニングだ。こちらはサイズの大きな2.8inで使用することが多いセッティングとなる。

 アームをカットすることでテール部分だけが動くようになり、よりシンプルなアクションを生み出せるようになるが、それ以上にメリットとなるのが、キャスト時の空気抵抗低減だ。これでより飛距離を伸ばしやすくなり、遠くのポイントを狙いたい場面で有効となる。また流れが強い場所では、ワームが水を受ける抵抗も小さくなるため、リグを操作しやすくなるという利点もある。

 キビレを狙う際には、ロッドアクションを加えて誘うことも多いため、アームカットによる弱めの波動を利用するという使い方もありだ。

 このように、コーヴァイチューはパッケージから出した初期の状態で使用するだけでなく、フィールドの状況に応じてカットすることで、さまざまなセッティングに対応できるワームということだ。

写真下のようにコーヴァイチュウのアーム(ハサミ部分)をカットすると空気抵抗が軽減され飛距離が伸びる、リグの操作がやりやすくなるといったメリットが生じる。


PEライン+エステルリーダーというセッティング

 今回小笠原さんが使ったラインシステムは少し特徴的なものだ。メインラインには0.8号のシンキングPE、そしてリーダーにはフロロカーボンではなくポリエステル素材のエステルラインを使用している。リーダーの太さは3号。長さは約3~4mだ。

 エステルラインは伸びが少なく、比較的硬いため直進性が高いことが特徴だ。この直進性とは文字通り「水中でどのくらいまっすぐな状態を維持できるか」という意味となる。フロロカーボンが水中で沈みながらラインが下方向へたわみやすいのに対して、エステルは張りがあるため、ロッドとルアーを一直線に近い状態でつなぎやすくなるのだ。

 このセッティングで特に期待できる点は、バイトからフッキングまでのレスポンス向上だ。クロダイはワームを吸い込んだ後、わずかに首を振るような動きをすることがある。この首を振る短い動きをした際、ラインの伸びやたるみが少なければ、クロダイがワームを吐き出す前にフックを掛けやすくなる。「アタリはあるものの、なかなか乗らない」という状況でもエステルラインをリーダーに使うことで、フッキング率の向上を実感しているとのこと。

「正式に統計取ったわけではなくあくまで体感ですが、フリーリグでのクロダイ狙いではエステルリーダーのほうがキャッチ成功率が約2倍くらいでした」

 と小笠原さん。ショートバイトに悩まされているなら、試してみる価値は十分だろう。

エステルリーダーでクロダイの首振り対策も万全。上アゴ近くのカンヌキに刺さる理想的なフッキングだ。


流れの中からクロダイをキャッチ

 コーヴァイスティックB704、コーヴァイチュー、そしてエステルリーダーという万全の体制が整ったところで実釣を開始する小笠原さん。今回のフィールドは流れの中に石やウィードなどの障害物が点在していたため、リグをただズルズルと引くのではなく、ボトムから少しだけ持ち上げて落とす「リフト&フォール」に近い操作を心がけていた。

 流れに乗せながらワームをふわっと落とした瞬間に、明確なバイトが出た。キャッチしたのは約50cmのクロダイ。この攻め方はどうやら正解だったようだ。

 なるべく軽いリグをていねいに動かし、クロダイを狙う……そんな釣りを楽しみたいアングラーには、今回小笠原さんが使ったセッティングは最適といえよう。今後の製品情報、そして小笠原さんの釣行レポートに注目していきたいところだ。

流芯近くで上流に頭を向けていたであろう50cmクラスのクロダイを、狙いどおりのフリーリグ+コーヴァイチューで仕留めることができた。


PROFILE
小笠原健太
おがさわら・けんた:SMITH LTD スタッフ。主に関東近郊でベイトタックルでいろいろ釣っています!