チニング大阪淀川釣行/キビレにこだわるチニングとは⁉

大阪・淀川の河口近く。対岸に梅田の高層ビル街を臨む都市型河川敷が今回のフィールドだ。「チニングはとても楽しいけど、クロダイとキビレを分けて攻め方を変えることでもっと釣れるようになります」と語るのは、スミスの小笠原健太さん。淀川河口付近でよく釣れるというキビレに狙いを絞り込んだタックルやルアーのセレクト、そして必釣テクニックをご紹介してもらおう。


今回のロッドは⁉

 小笠原さんが今回メインで使用するロッドは、スミスのチニング用パックロッド「BYシリーズ」の追加機種「BY C754SコーヴァイスティックY」。末尾の「Y」はYellow(黄色)、つまりキビレを意識して開発されたロッドだ。クロダイももちろん狙えるが、キビレらしい釣りをより楽しめるというコンセプトにしているのが特徴となっている。

 このロッドの大きな特徴は、重いシンカーを正確に操作できることだ。単に遠投性能を上げるだけでなく、ボトムをバンプさせる・障害物を乗り越える・地形変化を感じ取る・シンカーを意図したラインに通すといった操作が、誰でも簡単にこなすことができる。

「キビレはクロダイよりメリハリのある動きを好むんです。広いボトムを単調に引いてくるのではなく、ここぞというポイントでリグをピタリと止めたあとにアピール、反応がなければまた変化を探して止めてアピールというピンポイントの攻め方が有効です。BY C754SコーヴァイスティックYは感度もいいし操作性も抜群、引いて探って止めて誘って……という一連の操作がとても楽しくこなせますよ」

 と小笠原さん。重いシンカーを積極的に操作する、これがキビレらしいチニングの楽しみ方ということだ。

河口近くとあって海のような広さを持つ淀川河口。この開けた水面をただズル引きするだけではキビレとは出会えない。

BY C754SコーヴァイスティックYの詳細

 今回小笠原さんがメインで使用したBY C754SコーヴァイスティックYのスペックは以下のとおりだ。

●長さ 7ft5in

●継数 4ピース

●仕舞寸法 約61~62cm

●推奨ルアーウエイト 10~14g

●推奨リール スプール系32~34mmのベイトリール

 重めのシンカーに合わせたパワー設定で、かなりシャキッとした硬めの仕上がりになっている。今回の淀川のように開けたポイントで思い切り遠投したのち、ここぞというピンポイントでいっきに強めのアピールを入れるには最適の一本だ。

チニング用パックロッドとして展開中のBY コーヴァイスティック(スミス)。

長さ約65cmのプラケースにも収納可能な仕舞寸法。公共交通機関での移動時も安心だ。

重いリグをオーバーヘッドキャストで投げることを前提にしているコーヴァイスティックY。合わせるベイトリールはスプール系32~34mmが最適。


初見フィールドの攻略法

 今回のフィールドは淀川河口近くの右岸側。対岸は梅田の高層ビル群が広がる都会のポイントだ。神奈川在住の小笠原さんにとってはほぼ初見のポイントということで、地元アングラーのガイドのサポートを受けつつ、まずはポイント全体を観察することにした。

「沖はかなりフラットで、ところどころに障害物が沈んでいるようです。そしてその周辺でバイトが多いみたいですね。重いシンカーで遠投して、ここぞというところでリグを止めてアピール。うん、これはキビレの狙い方が合いそうです」

 と小笠原さん。さっそくキャストを開始すると、早くも沖の変化を探り当てられたようだ。

「50、いや60m先かな? なんか引っかかる変化があるんですよ。たぶんここで食ってくるでしょう」

 通い慣れたフィールドであれば、どのくらい沖にどんな変化があるのか、どのピンスポットでよく食ってくるかという情報は把握しているものだが、前述のとおり小笠原さんにとって今回の淀川はアウェー。ポイントを熟知しているわけではないので「ここはよさそうだ」「なにか変化がある」という場所を探りながらの釣りとなった。

重めのシンカーという今回の立役者

 広いフィールドでキビレに合わせたメリハリの効いた攻め方をするということで、シンカーはタングステン14gとフリーリグ用としては重めのものを選んだ。この重さ、そしてBY C754SコーヴァイスティックYの持ち味を活かし、遠投・ボトムと障害物の感知・障害物のクリアとボトムバンプという操作を繰り返す。重いシンカーをただ投げて沈めるのではなく、意図的に動かしてキビレを誘うというのが今回のテーマだ。

ワームは最初から最後までコーヴァイチュー2.4インチ(スミス)を使用。アームをその場でカットし、飛距離重視のチューニングを施した。


飛ばす、感じる、乗せる、食わせる!

 BY C754SコーヴァイスティックYと重めのシンカーを用いたフリーリグという組み合わせを締めくくるワームとして、小笠原さんはコーヴァイチュー2.8インチを選んだ。水色が濁っていたので、カラーはアピール力強めのグリパンチャート。さらに飛距離を伸ばすため、センターから伸びるアーム部分をカットして空気抵抗を減らすことにした。

「とにかく沖の障害物まで届かないと話にならないですからね。アームをカットしたぶんのアピールは、BY C754SコーヴァイスティックYのメリハリと重めのシンカーでカバーです」

 という小笠原さんに、フリーリグでの具体的な攻め方を聞いてみた。

「ただズルズル引いてくるのではなく、障害物などの変化を感じながらシンカーを操作することです。ボトムの変化を感じる、障害物を探り当てる、リグをそれに乗せてロッド操作でクリアさせる、そしてその後のバイトを待つ……こんな展開が理想ですね」

エステルリーダーという選択肢

 そんなフリーリグでの攻め方をより確実なものにするのが、今回小笠原さんが使ったエステルリーダーだ。一般的なフロロカーボンではなく、ポリエステル素材のリーダーを使う理由を小笠原さんに聞いてみた。

「なにより伸びが非常に少ないというのがメリットです。PEラインとほぼ同じ感じの伸びのなさですね。アタリがより直接的に伝わってくるので、バイトもほとんどラグなしで感知できます。ただフロロより比重が軽いぶん沈みにくいので、これだけ少し慣れが必要です」

 小笠原さんによると、「コン」とアタった瞬間にその感触がそのまま手元まで伝わるため、ショートバイトを激減させつつ楽しいフッキングができるとのこと。気になる太さは3号。フロロカーボンを使うときと同じで問題ないということだ。

キビレもクロダイも強力なアゴを持つ魚なので、素手を口元へ近づけるのは大変危ない。ということでキャッチ後はすばやくイージーフィッシュグリップで動きを止めよう。


狙いどおりのキビレをキャッチ

 この日最初のヒットは予想通り沖の障害物付近で出たが、上がってきたのは小型のキビレ。ただこれでキビレの居場所は確定、またアームカットしたコーヴァイチューに食ってくるほど活性があることもわかった。ポイントや攻め方が正解に近づいていることを実感しつつ、小笠原さんはキャストを再開する。

 するとまた、沖の障害物付近で明確なバイトが出た。さきほどまで続いていた小さなものではなく、「ドスッ」と押さえ込んでくる重いものだ。しっかりアワセを入れ、確実にフッキングさせる。

 かなり沖で掛かったせいもあってなかなか寄ってこないが、BY C754SコーヴァイスティックYのパワーを活かして魚をリフトさせながら寄せる。上がってきたのはキビレ、しかもかなりの良型だ。

「40……にはちょっと足りないですが、このサイズが釣れれば満足です。やはり沖にある地形変化に着いてましたね」

 と小笠原さん。コーヴァイチュー2.8インチグリパンチャートのアームカットと14gシンカーのフリーリグ、これがこの日の最適解だったようだ。

狙いどおりのキビレがヒットだが、サイズがやや物足りない。キビレの居場所と活性を確認できたところでキャスト再開。

先ほどまで連発していた小さなアタリとは別格の重く鋭い感触とともに、本命サイズのキビレがようやくフッキング。


クロダイのチニング、キビレのチニング

 今回の釣行で小笠原さんが再確認したのが、キビレという魚の行動パターンと狙い方である。そしてそれは、チニングの対象魚としてひとくくりに扱われることの多いクロダイとは似ているようでやはり違うものである、ということだ。

「今回使ったBY C754SコーヴァイスティックYは、キビレのチニングに合うよう設計したロッドです。重いシンカーを遠投し、メリハリを付けて動かしてキビレを食わせるというのがコンセプトです。そしてこのコーヴァイスティックYとは別に、クロダイのチニングを最大限楽しむためのロッドがコーヴァイスティックB。BはBlack、つまりクロダイの黒です。BもYもそれぞれを専用に狙うロッドというより、対象とした魚を楽しんで釣れるロッドに仕上げています」

 と締めくくってくれた小笠原さん。2027年春予定のBY C754SコーヴァイスティックY発売が今から楽しみだ。

BYコーヴァイスティックの末尾についているアルファベットで、それぞれのロッドに合う魚種がわかる。左端のBはクロダイ、中央のUは万能タイプのユニバーサル、そして右端が今回キビレを仕留めたYだ。

PROFILE
小笠原健太
おがさわら・けんた:SMITH LTD スタッフ。主に関東近郊でベイトタックルでいろいろ釣っています!