冬の澄んだ海に静かに潜む“価値ある1本” を求め、ポッキンこと辻本ナツ雄さんが宇和海に立つ。走りの良型メバルを狙うため、足元攻略と繊細なアプローチが試されるシーズンの始まりだ。
良型のメバルが狙える宇和海エリア
冬の訪れを感じる12月下旬。愛媛県・宇和海エリアに、ポッキンこと辻本ナツ雄さんが姿を見せた。今回のターゲットは、シーズン走りの良型メバル。ここ数年、全国的にメバルの個体数減少が囁かれ、かつてのように数釣りを楽しむのは難しくなった。しかし、だからこそ価値ある1本を求める釣りは、より深く、より濃密な時間を生む。
普段はキジハタをメインに釣行を重ねているポッキンさん。ライトゲームは久しぶりだというが、長年の経験が「今、このタイミングなら価値ある1本が出る」と背中を押した。冬の宇和海は静かで、張り詰めた空気がアングラーの集中力を研ぎ澄ませる。
こんなオープンな場所でもメバルは狙える。
メバルはナーバスな魚
移動中、ポッキンさんはメバルの習性について語ってくれた。
「メバルって、めちゃくちゃナーバスなんですよ。沖の個体はまだいいんですが、足元に潜む魚は特に敏感。光、音、影……全部がプレッシャーになります」
夜釣りでライトを水面に当てる、大声を出す、自分の影を落とす。こうした行為はメバルを散らすだけでなく、近隣住民への迷惑にもつながる。
“静かに釣る” という姿勢は、魚にも人にも優しいアプローチだ。
メバルはとくにナーバスだ。アプローチ次第で釣果に影響してしまう。
最初のポイントは暗闇の堤防先端
最初のポイントは、漁港の先端にある暗闇の堤防。足元に良型が潜むという情報をもとに、先端から数メートル手前に立ち位置を決める。
「撮影なのにひそひそ声になったらスミマセンね(笑)。できるだけ静かにいきます」
そう言うと、キャストするかと思いきや、なんとボウ&アローで足元へリグを送り込む。
「キャストって、音も振動も影も出るんですよ。足元の魚を狙うなら、できるだけ排除したいんです」
使用するロッドは自身がプロデュースしたスモーキー ラミアス75。ワームはスモーキー エビンテール1.3ンチ、ジグヘッドはデコイ・ロケットマジック。
壁際数センチにエビンテールをそっと落とし、ボトムまで送り込む。
このときもしっかりと気配を消し、静かにアプローチをしていくことを怠らないポッキンさん。これが釣果を稼ぐための最短ルートと言えるのではなかろうか。
リグのセレクトも重要。ポッキンさんはこの日エビンテールで勝負に出た。
エビンテールのVカットが生む二面性
「エビンテールって、一見シャッドテールに見えるんですが、テールがVカットされてるんです。
ゆっくり巻くと両端だけがフワッと動く。
シェイクすると今度はブリブリと強くアピールする。
この2つの動きを1つのテールで出せるのが強みですね」
ボトムで軽くアクションを入れると、すぐにバイト。
上がってきたのは良型のカサゴ。まずは魚の顔を見てホッとした様子だが、狙うのはあくまで“走りの良型メバル” だ。その後も丁寧にアプローチを続けるが、反応してくるのはカサゴばかり。
「ここは見切りましょう」
そう言って、次のポイントへ移動する。
V字テールで可変アクションを演出するエビンテール。
12フィートの”異端”ロッドの理由
次のポイントでポッキンさんが手にしたのは、ライトゲームでは異例の12フィートロッド。
「これ、メバル用で作ったんですけど、みんなキスのちょい投げで使ってるみたい(笑)。
もう売ってないけど、いいサオなんですよ」
なぜこの長さが必要なのか。
「足元のポイントまで距離があるんです。短いロッドだと、手前のコンクリートにラインが擦れて、掛けた瞬間にブレイクする。ロングレングスならそれを回避できるし、人的プレッシャーも減らせるんです」
なるほど、理にかなった選択だ。
足元から障害物が形成される場所ではロングロッドが活躍する。
ボトムからの重たいバイト
エビンテールをボトムまで送り、軽いシェイクやリフト&フォールで誘う。
「軽いバイトはカサゴやベラ。メバルはね、重たいんですよ。グッと持っていく感じ」
その言葉の直後、ロッドが絞り込まれた。
「そうでもない……いや、来た!」
一気にロッドが弧を描き、強烈な引きが伝わる。浮かせてみると、青みがかった
背中が美しい良型ブルーバック。
「よっしゃ! 獲った! この1本のために来たんですよ。最初で最後のバイトをモノにできました。最高です!」
価値ある1本。その言葉がぴったりの魚だった。
冬から春にかけて、メバルは産卵期に入る。お腹がパンパンのメス個体は、ぜひリリースを心がけたい。未来のメバルゲームを守るために、アングラー1人ひとりの配慮が欠かせない。
でかメバルキャッチ映像はこちら
【メバリング】尺超えブルーバック出現! プレシーズンのでかメバル攻略~エビンテールが大暴れ!~辻本ナツ雄~【ロックフィッシュ】
↓使用ワーム
エビンテール1.3 インチ(スミス)
V 字カットされたテールがメバルの食性に猛アピール!
V 字カットされた独自テールが生む“ 二面性アクション”が最大の特徴。スローリトリーブでは両端だけが微細に震え、ナチュラルな弱い波動を演出。シェイクを加えると一転してブリブリと強くアピールし、メバルやカサゴに明確なスイッチを入れる。小粒ながら存在感のある、足元攻略にも最適なライトゲームワームだ。
甲殻類フォーミュラをブレンド! 動きだけではなく匂いでも誘う!
エビンテールと組み合わせたジグヘッドはロケットマジック(写真左)とデルタマジック(写真右)。ともにデコイ。
使用タックル
スモーキー ラミアス&バジルール(スミス)
スモーキーシリーズの「ラミアス」と「バジルール」は、足元特化の繊細な操作性と、良型メバルを確実に獲るためのパワーを両立したライトゲームロッド。ラミアスは軽量リグの精密なコントロールに優れ、バジルールは深場や足場の高いポイントでの主導権を握れる設計。どちらも感度が高く、エビンテールのような小型ワームの微細なアクションを最大限に引き出す1本だ。
スモーキー ラミアス75(スミス)
全長:7フィート5インチ/自重:81g/ルアー:0.9~11g/ライン:PE0.3~0.8号/価格(税別):4 万5000円
スモーキー バジルール75(スミス)
全長:7フィート5インチ/自重:90g/ルアー:1.2~ 15g/ライン:PE0.3~1号/価格(税別):4万6000円
近距離戦だからこそのテクニック
足元でメバルを狙う際は、まず“静かさ” が最重要。ライトを水面に当てない、影を落とさない、足音や振動を極力抑えるなど、人的プレッシャーを排除することが釣果を左右する。キャスト音も警戒されるため、可能なら落とし込みやボウ&アローで静かにリグを投入。壁際はラインが擦れやすいので、ロッド角度とレングスにも配慮しながら丁寧に探るのがコツだ。
繊細なメバルは繊細なアプローチで攻めていこう!
足元にはメバル以外にも様々なゲストフィッシュが釣れてくれる。
宇和海エリアは冬~春が狙い目
12〜2月
冬型の気圧配置が安定し、メバルが岸寄りし始める時期。夜の足元や藻場周りで良型が出やすい。実際、愛媛県のメバルは「冬から春が好シーズン」とされている。
2〜4月
宇和海のライトゲームでは、2月に良型メバルの釣果が多く確認されている。この時期は産卵後で活性が上がり、ブルーバックなどの良型が混じりやすい。
春以降は産卵後の高活性魚体を狙っていける。
ど日中にキャッチした良型のアカハタ。根魚攻略でもエビンテールは欠かせないアイテムだ。
メバルゲームをこれからも長く楽しむためにできること
産卵期のメス個体はリリースを心がけ、持ち帰りは必要量だけに抑えることで資源保護
につながる。夜間の大声や車のドア音にも注意し、周囲の住民や他の釣り人へのマナーを守りながら楽しみたい。
根魚に分類されるメバル。その個体は減少傾向にある。釣りあげたときはできるだけリリースをお願いしたい。
PROFILE
辻本ナツ雄(つじもと・なつお)
通称「ポッキン」。メバルゲームのオーソリティにして、いまなお最新メソッドを開発し続けるライトゲームクリエーター兼ルアーデザイナー!
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