東北日本海側のアジングがいまアツい! このところ5月から6月の初夏に尺を超える良型が数釣れるでかアジホットスポットとなっているのが山形県。この地を訪れたのはアジング伝道師こと家邊克己さん。今回は集魚灯を使った闇場でのドリフトアジングを実践!
ポイント開拓の強い味方「集魚灯」で寄せて釣る!
幅広の良型アジが歓迎してくれた。
いま山形がおもしろい!
2025年5月・山形県。庄内沿岸のアジングがシーズン突入! ということで、この地を訪れたのはアジング伝道師こと家邊克己さん。「5月から6月いっぱいが最盛期!」の東北山形のアジング。今回は磯アジングで大きいのが出ているとの情報をキャッチしていたため、磯場の釣りを想定・準備して釣り場へと降り立った。初夏の東北日本海側ではアジが磯場に入りやすいのが特徴だ。サイズが大きいのも魅力で、このエリアの磯アジングには今後も注目だ。
磯場での注意点を家邊さんに訊くと、「磯では海に背を向けないこと(磯釣り師の常識)。そして大きな波やウネリが来ないかを常に観察しておきましょう。それからあまりに海が荒れているようであれば、当然無理に磯に入らないこと。この点は必ず守りましょう」とのアドバイスをくれた。
いつ何時でもマナーを守って安全と釣り場保全に努めたい。
磯アジングにはモバイルロッド!
「磯場を歩くならモバイルロッドが重宝します」という家邊さんが持ち込んだのはスペシャライズ SFR-58(サーティフォー)だ。尺上もよく釣れているとのことなので、掛かったら強引に抜き上げるスタイルで臨む家邊さんいわく、「SFR-58は抜き上げパワーも十分です!」と自信満々だ。
SFR-58の特徴として挙げられるのが「リールシートが移動」してバランス調整可能なこと。大型相手や五目釣りで根魚を狙うケースなどでは2500番クラスの少しパワーのあるリールが欲しくなるケースもあるだろう。そんなリールを取り付けても、3センチの範囲で移動するリールシートを装備しているので、タックルバランスをバッチリ整えられるため、快適に扱えるという便利機能である。
THIRTY34FOUR スペシャライズ SFR-58
小継で磯歩きには最適な仕様。アクションや性能は2ピースと遜色ないオススメの一本だ。
強風と波で磯アジングを断念
昨日から山形入りしていた家邊さんは「昨夜は17時ごろから釣れましたので、明るいうちにポイントに入って準備を整えましょう」ということで早めのエントリー。ただ、昨日とは打って変わってこの日は波が高かった。闇磯に釣り場を構えて集魚灯で魚を足止めする作戦を想定していたが、「今日は波が落ちそうもありませんね。安全面も考えて穏やかな港へ釣り場変更しましょう」と、磯アジングを断念し、風裏となる港をラン&ガンすることにした。
アジングにはやや厳しい海況となった当日。安全面も考慮してこのあと港湾の風裏を狙うことに。
初場所集魚灯攻略
土地勘があまりないこともあり、右往左往しつつ最終的にたどりついたとある岸壁。実はこの場所の情報は事前につかんでおり、アジがコンスタントに釣れているとのことだったので、やむを得ない場合はここへ行こうと決めていた家邊さん。ただし、ここで竿を出すのは初めてだ。この場所は闇場で、すでに釣りをしている人たちは、一様に集魚灯を使っている。
「山形は集魚灯の使用が認められているので、磯場でも使う予定でしたが、ここでも活用できますね」という家邊さんだったが、初めての釣り場ということもあり、まずは地元の釣り人から情報収集を開始した。雑談しながら釣れ方の傾向を一通り教えてもらったあとは、隣で釣る了解を得てから釣り座を構えてマイ集魚灯を設置した。
そのうち明かりにプランクトンや小アジが集まってきたが、家邊さんいわく、「ここは流れがあって期待できそうです。ただ、話を聞く限りいちばんいい時合いはすでに過ぎているようで、帰り始めている釣り人も増えてきました。この状況でどう釣るかがキモですが、アジの回遊を捉えられるようがんばります!」という家邊さん。
何度となくキャストを繰り返すなかで、潮の変化(潮目)を発見した家邊さんは、そこを集中してルアーをドリフトさせていく。すると、数時間竿を振り続けて本日初めてのアジっぽいアタリをキャッチ!
「20カウントの潮のヨレでアタリました。次もここにリグを入れてアタリを待ちます」
集魚灯でプランクトン類を寄せ、それらを求めてやってきたアジを足止めして狙う。
集魚灯のメリットと注意点
ここで集魚灯のメリットと注意点について家邊さんに訊いてみた。
「磯で焚くつもりだった集魚灯をここでも活用していますが、これがあれば闇場にアジを寄せられます。理屈としては餌(プランクトン)がまず明かりに集まって、それを求めてアジも寄るという図式です。その意味では『集虫』ライトと言ったほうが正しいかもしれませんね。集魚灯を使ったポイント開拓というもの有効です。ただし、自治体やエリアによっては集魚灯禁止の場所もあるので、事前確認をしたうえでルールを守って楽しみましょう」
集魚灯パターンで連発!
この場所はよく釣れているという情報ではあったが、さっき地元のアングラーに訊いたように、本命時合いは終わった様子(来るのが遅かった!?)で、具体的にはアジの数はあまりいないようだった。そんななかでも、さきほど見つけた潮流変化がある層(レンジ)にリグを送り届けてドリフトするという動作を繰り返す家邊さん。少ないアジが回ってくるのを待つ作戦だ。
やがてその狙いが的中! ストリームヘッド0.8gにキメラベイト2.0in たくあんの組み合わせに食わせたのは本命のアジだった。
「アタったのは狙い通り20カウントでした。ヒットレンジは中層より少し下でしょうか。釣れそうな場所に入れてもらえて感謝です!」という家邊さんは同様のアプローチでその後もヒットを重ねていく。
渋い状況ながらも尺前後の良型アジを連発した家邊さん。キメラベイトの「たくあん」によく反応してくれた。
ドリフトの釣りをマスターしよう!
「この場所では正面に向かって左から右へ潮が流れています。したがって斜め左方向の潮上にルアーをキャストしたら、沈めながらカウント20付近の潮目まで沈めます。そのままドリフトさせて集魚灯の光があたっている場所で食わせるというのがいま行なっているアプローチです」という家邊さん。
この「ドリフト」について具体的に説明すると、潮上にルアーを投げたら、あとは潮流に任せて流してくる。必要以上な巻き取りは不要で、家邊さんいわく「手前に寄ってきた分、弛んだラインを巻き取るだけ」だ。そして狙いの20カウントまで数えたら、ロッドを徐々に持ち上げながらレンジキープしつつ流してくる。これがドリフトの手順だ。
「集魚灯前のキワをドリフトさせます。アタるポイントは集魚灯が照らしているすぐ目の前のキワです。ここに魚がいっときとどまるので、そこにルアーを長く置くイメージで操作しましょう」という家邊さんは続けて、「ダウン(潮下)に投げるとルアーが浮き上がりやすくてレンジをすぐに外れてしまうので、集魚灯を設置した潮上に投げるのが鉄則です。また、ラインの弛みの違いでアタリの出方が変わるため、常に張らず緩めずのラインテンションを掛けてアタリに備えることが重要です。ここで時折ラインを巻き取りながら行なう『チョンチョンアクション』が重要になります。このアクションでラインを張るんです。アンダー1gの軽量ジグ単だとルアーの操作感がわかりにくいですが、慣れないうちはとりあえずこのアクションさせたときだけルアーの重さと位置がわかればいいんです。そうすればよくわからないなりにテンションは張れているのでアタリは伝わってきます。これを繰り返しているうちに、軽量ジグ単の操作感がだんだんんとわかるようになってきますので、がんばって練習しましょう」というのが家邊さんからのアドバイスだ。
東北山形のアジングは初夏が最盛期
いまこそ狙い目だ!
今回はお目当ての磯アジングができなかったが、山形エリアでは梅雨明けくらいまでは引き続きアジング絶好機なので、安全対策を万全にして楽しんでみたい。また、今回紹介したように、港湾の闇場で集魚灯を使ったドリフトアジングを楽しむこともできる。ポイント開拓を兼ねて、こんなゲームを満喫してみるのもいいだろう。そんな最盛期の東北山形アジングを、みなさんにもぜひ味わってほしい。
●磯場の参考タックル
〈ROD〉THIRTY34FOUR スペシャライズ SFR-58
〈LINE+LEADER〉THIRTY34FOUR ピンキー0.4号+ジョイントライン1.2号
〈LURE〉THIRTY34FOUR B.Kヘッド3g+パフネーク2.2in
●港湾の参考タックル
〈ROD〉THIRTY34FOUR スペシャライズ SFR-58
THIRTY34FOUR スペシャライズ SFR-58
THIRTY34FOUR ストリームヘッド0.8g
THIRTY34FOUR キメラベイト2.0in
PROFILE
家邊克己
やべ・かつみ:アジを求めて日々全国(時には国外!?)を駆けまわるアジング伝道師。寝るのは主に移動時間⁉ というハードスケジュールのなか健康を保つ秘訣は「たくさん食べること!」だとか。THIRTY FOUR(サーティフォー)代表。
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