3月、4月ともなればメバルの活性が最大限に上がる季節。そして各地でマダイの乗っ込みが始まり、また同時にキジハタも広範囲に活動をし出すという、ライトゲームやミドルゲームの格好のシーズン到来だ。今回はそんな季節に合わせたルアーチョイスを陸っぱり伝道師レオンこと加来 匠氏が徹底解説!
SPMの出しどころ
まずはプラグから紹介していこう。僕がこの季節最も多用するのは、バスデイの名作シンキングペンシルSPMの65&75だ。メバルやアジやシーバスが浮いている気配があれば、インクスバージョン65のS&S(Shallow&SwayBack/4グラム)で表層直下をリトリーブ。
魚が沈んでいるなと感じれば、バスデイオリジナルの65(5.5グラム)や75(7グラム)をボトムまで落とし込み、そこからチョンチョンと跳ね上げてからのフリーフォールで食わせる。この2パターンが、僕のオーソドックスなSPMの使用法だ。
特にこのSPMによる「ボトムプラッギング」はあまり知られていないメソッドだが、非常に効果的で、実にさまざまな魚を連れてきてくれる。例えば、敷石際を攻めればメバルやカサゴに加え、エリアによってはキジハタ、ベッコウゾイ、ムラソイなどの根魚が猛然とルアーを襲ってくる。
また近年、ウイードが点在するシャローエリアなどで、SPMの秀逸な水平シミーフォール(ゆらゆらとしたフォール)でマダイを連発させるなど、広島アングラーの手によって「プラッギングマダイ」なる新しいゲーム展開すらも開拓されているなど、幅広いゲームに対応するルアーである。
INX.label×BASSDAY S.P.M.65
【SPEC】
S.P.M.65(MZ-19搭載)
色:全12色/全長:65ミリ/重量:5.5グラム/フック:#12/リング:#1
S.P.M.のここがすごい!
なんといっても、まずはサイズ感とナチュラルなアクション。春に発生するベイトフィッシュの平均的なサイズであり、メバルやアジのみならず、大型のフィッシュイーター全般までが違和感なく食ってくる、まさしく「ザ・ベイト」と言えるだろう。またキャスト時の飛行姿勢もよく、バスデイノーマルとインクスS&Sの2種をタックルパワーや海況に合わせて使い分けできるところも魅力的だ。
プラッギングマダイでも威力を発揮!
組み合わせるタックルはこれ!
目的およびサイズやウエイトから見て、ベストマッチは少し強めに作られたメバリングタックル。ロッドは6フィートから8フィート。リールは2000番もしくは2500番。ラインは大型ヒットが望まれるポイントであればモノフィララインなら0.8号程度で、PEなら0.5号から0.8号。ターゲットサイズがアベレージ基準であればおおむねね0.5号前後。
推奨タックル
〈ロッド〉INX.label 74ビーテスラー・64ハミージャーミー(スピニング)、67サビア(ベイト)
〈リール〉DAIWA イグジスト2000SH(スピニング)、INX.label IR CT(ベイト)
〈ライン〉YGK ボーンラッシュ 0.4号から0.6号
〈リーダー〉クレハ シーガー グランドマックスFX 2号から3号
〈スナップ〉ボンバダアグア オーヴォSSからS
S.P.M.65 S&S。釣れると同時にそのカラーも魅力的!
スワールテールシャッドXGの出しどころ
このルアーの2.8インチ(約7.5センチ)というサイズは、ハード・ソフトに限らず、そして魚の種類や大小に限らず、世界中の多くの魚を魅了するいわゆる「ベイトサイズルアー」なのだ。
ライトゲーマーには少し大きく感じるサイズかもしれないが、ミドルゲームでは、大型メバルや大型アジ、各種ロックフィッシュからショアマダイゲームで効果が高いサイズである。
また、チヌゲームやシーバスゲーム、あるいはルアーマン泣かせなシラス付き(6センチから7センチ程度の小さなカタクチイワシを偏食しているケースなど)の大型青物狙いにいたるまで、多くのアングラーの手によって、多魚種が狙えるルアーとして日本各地で大活躍している。
使用するロケーションもとても幅広く、堤防・護岸・道路端・小磯・ゴロタ場・カヤック・ボートなどシチュエーションを選ばない。あらゆる場面で、まずはパイロット(先発)ルアーとして使ってみてほしい。
おすすめのメソッドは、表層狙いでもボトム狙いでも「投げて巻く」だけ。ワーム版スピンテールでもあるスワールテールシャッドXG。イージーかつ高い釣獲力が自慢のルアーだ。
INX.label スワールテールシャッドXG
【SPEC】
全長:2.8インチ(約7.5センチ)/入数:7匹/カラー:全8色(上下二面カウンターシェイドColor)
でかいアジにはでかいワーム!?
スワールテールシャッドXGのここがすごい!
通常の左右スイングでアピールの強いシャッドテールと違い、リトリーブ時にはテールが水平になって回転するように渦(スワール)を巻き起こすカップテールが特徴。過去に監修した魚種限定解除ルアー「メタルマル」のコロラドブレードの動きと波動をワームで再現させた異色作。このテールの波動はまさしくカタクチイワシそのもので、シャッドタイプとしては非常にスレにくいのも特徴だ。
テールの絶妙な微波動でターゲットに口を使わせる。
組み合わせるタックルはこれ!
ライトゲームで普段使うサイズより一回り大きいルアーであり、同時に大型魚が望めるのでタックルバランスやフックサイズも通常より一番手上(強い)のミドルゲーム寄りに。またターゲットがベイトフィッシュライクになっている場面でとても効果的なので、遠投を視野に入れて8フィートから9フィートのロングロッド使用もグッド。
ナッゾジグのトレーラーとしてもベストマッチ!
推奨タックル
〈ロッド〉INX.label 79サビオ(ベイト)、グリッサンド77コンベ(スピニング)
〈リール〉INX.label IR CT(ベイト)、DAIWA イグジスト3000SH(スピニング)
〈ライン〉YGK アップグレードX8(PE)0.5号から1.0号
〈リーダー〉クレハ シーガーグランドマックスFX 2号から3号
〈スナップ〉ボンバダアグア オーヴォS
〈ジグヘッド〉マグバイト MDヘッド、エコギア イワシヘッド、ジャズ 尺ヘッドD 7グラムから15グラム
タダ巻きでメバルもバイト!
テールマッカートニーの出しどころ
まずはタイプから説明していこう。L3.8インチは、キジハタなどの大型ロックフィッシュや小~中型青物狙いに。S2.8インチは、マダイやマゴチなどのミドルゲームと、2種の釣りに合わせたサイジングとなっている。
Lは基本的に根掛かりしにくいオフセットフックを組み合わせて、敷石周りや岩盤帯などのストラクチャーで使用。Sはジグヘッドリグ主体で、海峡部など流れのあるフラットボトム(根掛かりが少ないポイント)でのドリフトの釣りで多用する。
一見巻いて釣るワームのように見えるかもしれないが、おすすめしたいのはリフト&フォール。オフセットフック、ジグヘッドリグのどちらのケースでも、ロッドワークによるリフト&フォールをまずは試してほしい。
独特のテールバイブを発生するのだが、これによりリフトの頂点から、またはリトリーブの手を止めて落ちていくときにこそ、本領を発揮する。
またこのグラブは、テールをカットして「イモグラブ」として使うことも視野に入れてデザインしたものだ。尻尾を食いちぎられても捨てずに、ゴロタ場で転がして根魚を狙うときなどにぜひ使ってほしい。
【SPEC】
〈S〉全長:2.8インチ/入数:6PCS/対象魚:ミドルゲームに最適!
適合フック:ミドルゲームジグヘッド#2から#1
〈L〉全長:3.8インチ/入数:5PCS/対象魚:ロック&フラットに!
適合フック:オフセット2/0から3/0
テールマッカートニーのここがすごい!
ソルトワームでは初となる塩入り(ナノソルト)グラブだ。塩を入れることによってバイト率が向上し、同時に比重も高くなるため操作性が格段によくなる。またフォルム面でも、通常のグラブとは異なったギミックを用いている。テールの幅と厚みに工夫がなされており、リトリーブ時に単純にリボン状には伸びない。リトリーブでテールが伸び切らずに、後方のシルエットが三角状にアクションし、これが強い水押しでターゲットを遠くから引き寄せるゆえんであると同時に、リフト&フォールの頂点でバイトが多発するのもこのワーム特徴だ。
このカーリーテールに釣れる秘密が隠されている。
組み合わせるタックルはこれ!
〈Sサイズ〉ロッドはLからMクラスで、リールは2500番から3000番クラス。Sはミドルゲームを強く意識して作られたサイズであり、基本リグはジグヘッドリグ。デコイBottom Driveの#2、マグバイトMDヘッド#1、#2、ジャズ尺ヘッド#1、#2にベストマッチ。
〈Lサイズ〉ロッドはMLからMHクラスでリールは3000番から4000番クラス。テキサスやフリリグなど、オフセットフックは#2/0、スイミングでのジグヘッドリグでも#2/0がベストマッチ。
テールマッカートニーL&スイミングテンヤ #2/0(写真上)とテールマッカートニー&イワシヘッド #1/0(写真下)
推奨タックル
〈ロッド〉INX.label グリッサンド77コンベ(スピニング)、67サビア・ガリンペイロ711(ベイト)
〈リール〉DAIWA セルテート3000、(スピニング)、ジリオンTW(ベイト)
〈ライン〉YGK ボーンラッシュWX8 0.4号から0.8号、アップグレードX8 1.0号から2.0号(ともにPE)
〈リーダー〉クレハ シーガーグランドマックスFX 2号から5号
〈スナップ〉ボンバダアグア オーヴォS、M
旬のマダイゲームにぜひ使いたい!
Profile
加来 匠(かく・たくみ)
愛称は「LEON」(レオン)。40年以上にわたる港湾部でのルアーフィッシング経歴を持つソルトルアー界のオーソリティ。特にメバリング・アジングの楽しさを創生期から支えてきた第一人者であり、今もなお先進の釣法を編み出して発信し続けるライトゲーム界の始祖的存在。
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