待望のメバルシーズン開幕! 寒い冬にアングラーを熱くさせてくれるこの魚を狙う王道はやっぱりワームを駆使したジグ単リグ。ここではそんなワームの使い方の基本をご紹介。定番のリトリーブ、そしてここ一発で効果を発揮するダートによるリアクションの釣りを完全解説!
広川流・年間メバリングカレンダー
日本には、四季という素晴らしい季節の移ろいがあり、そして、その移ろいに応じて狙えるさまざまな魚種がいます。意中のターゲットがやがてシーズンインとなり、その1匹を手中に収めたとき、アングラーはこの四季の移ろいを肌身をもって感じることとなります。なんて幸せで贅沢な瞬間でしょう(笑)。
ということで、夜や朝夕はまだまだ冬の様相ですが今期も体に刻み込まれる四季の感覚と共に、本格的なメバルシーズンがやってきました。
まず最初にメバル狙いの鉄則とはなにか。それは、なにはともあれ「水温」を判断することから始まります。シーズンオフである夏場の高水温期から、水温が下がってくる初冬のシーズンインまでの具体的な水温を見てみると、小生の住む関西エリアでは、夏場は25度を超える高水温に達し、メバルが釣りやすくなる20度以下になるのは通年11月頃からとなります。
冬から春を経て、翌6月から7月にかけては一気に水温が上昇し、再び20度を超えてきます。したがって、11月から翌年の6月あたりまでの間が基本的なメバルシーズンとなります。
ちなみにメバルの活性がいちばん高いのは、水温的には約14度前後と言われており、これに当てはまるのは水温下降時なら12月から1月、上昇時では4月から5月がそれにあたります(当然地域差はあるかと思いますが……)。メバルは「春告魚」という別名を持つように、これから訪れる春は特に活性が上がるタイミングとなります。
さて、水温が25度を超えるような夏の時期にはメバルはめったに釣れませんが、逆に2~3月にかけての厳寒期、水温が10度以下の場合でも、さまざまな場所でメバルが釣れることは多く、この点でメバルは、暑さよりも寒さに強い魚だといえるでしょう。
逆に夏場の高水温期、メバルは深場や流れが効いている潮通しのいい磯場のような、水が動いている涼しげなエリアに偏ります。したがって、高水温期にあえてこの魚を狙うなら、そういう場所に狙いを絞るのがいいでしょう。
なにはともあれ、3月からのメバリングシーズン。ただ、年末年始の12月から翌1月はメバルの産卵時期に当たるのですが、この産卵を意識したタイミングは、魚の活性のオンとオフが激しい厄介なシーズンでもあります。
メバルに限らず、産卵期は気難しい個体が多くなります。産卵前の荒食いで良型の数釣りができたかと思えば、産卵を済ませた体力のないアフター個体や、厳寒期に向けて下り行く水温のなか、低活性になっていく個体が増えて、なかなか釣れないことが多くなります。海の状況や潮回りはいいのにまったく釣れない! といった釣り人泣かせの状況になるのです。
極端に釣れる日と、全然釣れない日の境界線が紙一重で、ツンデレな感じがアングラー達のMっ気を刺激する年末年始……しかし小生的には、産卵期のこのタイミングこそ、尺メバルサイズをいちばん狙いやすい時期だと感じており、津々浦々へと遠征・奔走するタイミングとなっています。
やがて2月から3月の厳寒期を過ぎ、再び海水温が14度前後を超えてくると、メバルのエサとなるベイトも増え始め、春のハイシーズンへと突入、春告魚の本領を発揮したメバルの荒食いが始まります。この時期も大型のヒット率が高いのですが、理由としては上昇する水温とともにエサが豊富に接岸、メバル自体の体力もフルチャージされるため、引きが強くてアグレッシブな個体とのやり取りが楽しめる見逃せないタイミングとなります。
そんなわけで、これからの春のハイシーズン、目一杯メバリングを満喫してみましょう!
ダートで狙う場合は、アクションさせたあとのステイがバイトタイミングとなる。
タダ巻きはメバリングの王道メソッド。姿勢を安定させてサオ先をブレさせないのが釣果アップの秘訣だ。
タダ巻きとダート、2種類のワームアクションとその使い分け
基本的に魚というのは摂りやすいベイトを優先して食べているので、群れからはぐれて油断しきっている食われやすいベイトを演出するにはタダ巻きが適しており、一般的にはこの方法を主軸に狙っていきます。はぐれたベイトを待ち伏せするメバルの気持ちになって、ストラクチャー際にリトリーブしてみたり、フィーディングエリアにワームを撃ち込んでいきます。
そして何度も同じエリアにワームを通していると、そこにいた個体はだんだんとスレていきます。よっぽどの時合いでもない限りは、居着きの個体が同じルアーに反応し続けるというケースは少ないかと思います。基本的にメバルの時合いは短かく、良型になればなるほど、この傾向が強いという実感を持っています。
そんなときに、ダートするルアーを用いたリアクションの釣りにシフトしていくのです。タダ巻きで獲りきれなかった個体をダートアクションに反応させたり、時合いでしか口を使わないような渋い個体に無理やり捕食スイッチを入れていくことが、ダートルアーには可能なのです。
ダートで誘う方法はデイゲームでも効果的で、まさに夜行性のメバルの捕食スイッチを昼間に入れる! といった感覚で使用します。もちろんデイゲームで釣るためには、ストラクチャー沿いであったり、流れのある場所であったりといった、ダートアクションプラスアルファな要素も必要となってきますが、はっきり言えることはタダ巻きよりも圧倒的に釣果が期待できるということです。
そしてダートアクションは、ナイトゲームでも有効なことが多いのです。例えば、ベイトが集まりやすい常夜灯周辺の明るい場所では、光量があるために警戒心の高まった個体や、先行アングラーに叩かれたあとのスレ気味な個体が多いものですが、これらに効果絶大な場合が多いのです。
逆に暗い場所でもダートが効果的な場面は多く、「よくルアーが見つけられるな」と関心させられる場面も多々あります。これはやはり、ダートアクションで発生する波動が魚の側線に訴えかけているということになるかと思います。総評すると、「気難しい個体に効くのがダートアクション!」といったところでしょうか。
メバル爆釣の秘訣、ここにあり!
ミスタードリームアップ、倉本啓二さんはDD8の香川ブラックで正真正銘の香川メバルをキャッチ!
オススメダートワーム・ダート8(DD8)の特徴
ていねいなハンドポワード製法で作られたDD8は、ワーム自体が柔らかい素材で、ダート時にはバネやムチのようにアクションの追従性が高いのが特徴。バイト時にも吸い込みがよく、フッキング率が高いことが実感できます。ダートしやすい形状を持ったジグヘッドと組み合わせれば、その性能をより高次元で発揮できます。色々なジグヘッドを試して、イレギュラーなダートができるような組み合わせを探すのもまた、おもしろいものです。付け加えておくと、タダ巻きでもテールが微波動を出してアピールするので、これだけでダートもタダ巻きもカバーすることが可能です。
カラーは伊勢湾ヨシエビ(奥)と香川ブラック。写真は1.5インチと2インチ。ダートアクションはもちろん秀逸だが、タダ巻きでもテールが波動を発してアピールする。メバル以外にもいろんなターゲットが狙える五目対応ワームだ。
尺HEAD DX マイクロバーブ D type(JAZZ)のようなダートタイプのジグヘッドと組み合わせるのが効果的だ。
オススメスタンダートワーム・マッカムの特徴
ドリームアップの定番ワーム・マッカムの最大の武器は、ボリュームのあるテール部が繰り出す波動にあります。タダ巻きでワームのテール部分が生命感のある自然なスイミングを演出。ストレート系ワームやシャッド系ワームとも異なる程良い波動でターゲットを魅了します。ジグヘッドは色んなタイプが装着可能。狙うサイズに合わせたフックの大きさや形状をお好みで選べばOKかと思います。
ドリームアップ マッカム
1.7インチと2.3インチがラインナップ。写真はエコギアシラスヘッドファインと組み合わせたタダ巻き王道セッティング。
適材適所のリグを見つけ出せれば、メバルは釣れる!
オススメのタックルセッティング
タダ巻きでもダートでも1本でこなす場合は、オールマイティでクセのないアクションのロッドが扱いやすいもの。繊細なティップセクションを備えつつも、ダートさせやすく、もしもの大型にも対応できるように、ある程度のバットパワーも備えているタイプが安心かと思います。
ゼナック アストラS76アキュラ
ドリームアップが満を持して送り出したライトゲームロッド。全長8フィート、ルアー負荷2グラムから18グラムというスペックで、幅広い釣りに対応可能な汎用性の高さがウリ。
タダ巻きとダート、メバルの捕食形態の違い、ヒット形態の違い
タダ巻きは、ナイトゲームで警戒心の低い個体や、暗い場所での釣りに効果的。スローに誘って違和感なく捕食させるイメージで操作します。
ダートメインで攻める場合は、基本的にタダ巻きとは相反するシュチエーションで効果を発揮すると考えていい場合が多いでしょう。しかしながら、リアクションメインのダート釣法は、捕食形態の枠を超えて、無理やりにでも口を使わせると言ったニュアンスで魚の食指スイッチを入れるので、ある意味オールマイティな釣法とも言えるかもしれません。
ナイトゲームの定番、タダ巻きで常夜灯周辺をスローに探る。
タダ巻きとダートで今シーズンのメバリングは完璧です!
明るい日中、足元の障害物に潜むメバルをダートアクションで反射的に誘い出し中。
防寒対策の重要性について
まだまだ寒い日は続きます。ライトゲームはこんな時期にハイシーズンを迎えるので、夜通しでメバルやアジを狙うという場面が増えてくるかと思います。厚みのあるインナーシャツ、フリースやダウンといった暖かい空気層を作れるウエア、そしてそれを外気や冷風からシャットアウトする防風ジャケット。基本的にこの組み合わせを意識し、なおかつ動きづらくならないように、無駄な重ね着はしないように気をつけましょう。そして忘れてはならないのがカイロ! もしくはヒートジャケット。やはり外部からの熱源の威力は凄いのです(笑)。
フリースの上にダウンベスト、さらにその上にはゴアテックスなどの風を通さないウインドプロテクタージャケットを着用するのが防寒の基礎。
防寒用のグローブは必須。細かい操作がしやすい高機能タイプを選びたい。
まだまだ夜は冷え込むことも多い。釣りに集中するためにも防寒はしっかりとして挑もう。
PROFILE
広川嘉孝(ひろかわ・よしたか)
「イカ係長」の愛称で親しまれているようにエギング名人であるが、その実は五目釣り志向の何でも屋!? 昨今はボルダリングと登山での体力作りが日課だとか。
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