メバリングで見落としがちなポイント〜メバル狙いの穴場はこんなに身近なところにある!〜

いつものポイントがどうも冴えない、それどころかまったく釣果が出ない……迷ったらすぐに行動だ。メバルは場所を釣る魚、つまりポイント選びの時点で勝負はほぼついている。新しいポイント、より釣れるポイントを見つけるにはどうすればいいのか? というわけでこのお方の登場! なんとかしてよ~ポッキン!


いつもの気配がない⁉迷わず移動だ

 近年、ボクがホームとする瀬戸内一帯でも異常気象のせいか藻場が少なくなり、いつものポイントにメバルが着岸しないというケースが増えております。今回訪れたとある島も、本命と思っていたポイントにメバルの気配がまったくないどころか、いつもであればぎっしりと生い茂った藻がまったく見当たらず、浮きメバルどころかクサフグの姿すら見えないというありさまでした。

 これはもしかしたら、メバルの着き場そのものが変わったのでは? と、さっそくスマホの地図アプリを起動、近くの岸沿いで岬状になった地形を探すと、あやしい場所が2カ所見つかりました。といっても初めての場所ではなく、藻場がなくただの砂地が広がっていたため、以前下見したときにはノーマークだった場所です。

 藻がなければ流れを探せばいいじゃない! ということで新しい場所をあらためて見てみると、藻場こそありませんが、岸沿いから岬の先端付近まで長い敷石のボトムが伸びていることがわかりました。また岸沿いの壁には、マンホール状の流れ込みがところどころあります。さらに、潮の流れがかなり活発でした。藻場こそありませんが、流れ込みと潮流という、メバルポイントの別要素はそろっています。これは期待ができそうです。

 本命と思われる岬の先端に到着して様子を見ると、外灯の薄明かりが水面にもれていることがわかりました。そしてその光のおかげで、少し沖には50センチほどと短いながら海藻帯が残っているのを発見することができました。さらには小魚と思われるライズまでも見られます。

 引き潮ということもあり、ここで粘るのは2時間までと決め、2グラムのジグヘッドにスクリューテール1.5インチをセットしてキャスト開始です。バイトはすぐ表層で感じることができましたが、どうも乗りがよくありません。ならばとジグヘッドを少し軽い1.5グラムに変更し、レンジも表層近くを保てるようロッドを立て気味にかまえて巻いてくると、これが大当たり! どんどんスコアを伸ばし、めでたく新規ポイント開拓成功となりました。

新規で入ったポイントで必ず釣れるという確証はない。だけれども、開拓している感はかなりの満足度を得ることができる。




昔の本命ポイント今はアジしか釣れねぇ!

 前半ではほぼ新規開拓で新しいポイントを探り当てる様子をダイジェストでお伝えしましたが、ポイントの新規開拓は、なにも大きな移動が必須というわけではありません。釣れなくなったなと思われるポイントが、ちょっと角度を変えて見てみたり、攻め方をほんの少し変えるだけで再生したりするケースもあります。

 というわけで、以前は大人気のメバルポイントだったものの、最近はちびメバルすら釣れなくなったという漁港に行ってきました。外灯の光はそのままですが、ここもまた以前はびっしりはえていた海藻が、まるで見当たらなくなっています。アジしか釣れないという事前情報をつかんでいたので、あくまでアジングをメインにしつつ、メバルは釣れたら釣ろうくらいのつもりで様子見を開始します。

 小魚と思われるライズが確認できたので、アジもメバルも水面を注目していると判断、表層から気を抜かずチェックを入れていきますが、いくら釣っても出てくるのはアジばかり。20センチ前後と悪くはないのですが、メバルの姿はまったく見当たりません。

 ここで表層をいったんあきらめボトム近くに目をやると、以前は藻が敷き詰められていた一帯が、むき出しの砂地になっていることがわかりました。これはもしかして……アレをやれということかな? そう、以前はあまりにも藻が濃すぎてできなかった、ボトム近くでのワインドを試すチャンスが到来したのです。

 1.8グラムのジグヘッドにイモグラブ30をセットし、さっそくボトム近くをワインドで狙います。すると10メートルほど沖のブレイク付近で、短いながらもホンダワラと思われる藻が残っているのを発見できました。しめた! と思ったのもつかの間、釣れてくるのはカサゴとアジだけ。これはちょっとレンジを下げすぎたかな?


藻がダメならブレイクがあるじゃない

 ということでボトムでのワインドは続行しつつ、なにか変化があったらその少し上をリトリーブで狙う作戦へと変更です。これでようやく最初のメバルを絞り出すことができました。

 そしてこの作戦は、思わぬ収穫をもたらしてくれました。海藻帯がなくなったかわりに、これまでノーマークだった深場の砂地に大きな変化が生じていたことがわかったのです。まるで盛り土のようなブレイクがそこかしこにできていて、そこが新たなメバルの着き場とな

っていたのでした。

 ブレイクでおおまかな場所を絞り込み、小さな藻などのピンポイントの変化がある場所でより集中して探るやり方で、平均25センチ前後といっきにサイズアップ。途中流れが強くなってきたため、ジグヘッドのサイズを2グラムに上げ、さらにワームをアジエースに変更したことで、数を伸ばすこともできました。

 こんな感じで、ちょっと見方を変えてのポイント再生に感動した一幕でした。移動するのもよし、見落としていた変化を探り当ててもよしと、新規ポイントの開拓と再生にはいろいろやり方があります。みなさまもお試しになってみてはいかがでしょう?

 以上、ポッキンでした!


基本は巻きの釣り。藻の上すれすれをじっくり巻いたみよう。


日中は横と縦の移動で狙うワインドもオススメ。



見落としポイントその1

潮流

海藻帯が消え失せてボトムがつるつるになったのとは裏腹に、潮汐や風による流れが止まることはない。この流れによる変化にベイトが集まり、それを狙うメバルも集まってくる。



見落としポイントその2

地形

山がそのまま岸沿いまで迫ってくるような地形は日本の各地で見られるが、こういった岸際は急深となっていることが多いため、水温や海藻の有無に関係なく大小のメバルがストックされているものだ。



見落としポイントその3

沖のボトム

これまでなにもなかったと思いこんでサオを出さずに立ち去っていたような、開けた水面。その下に、意外なお宝が眠っていることもあるのだ。




ポイント開拓ここに注目!

横穴、隠れた藻、敷石を見落とすな!

 近年のメバリングでは、以前実績のあったポイントにメバルの着岸が見られなくなったというケースも多くなった。というわけで定番ポイントにこだわらず、いつもは立ち寄らない防波堤なども、一度はチェックしておこう。特に古い防波堤では、メバルの隠れ家となりそうな横穴ができていることも多いので狙い目だ。

 また、以前であれば見逃していたようなサーフエリアもチェックしておきたい。特に沖で流れが効いているような場所は要注目だ。一帯で海藻帯が全滅したように見えても、そんな流れのある場所にピンポイントで藻が残っているというケースが、今シーズンではよく見られる。

 さらに、ポイントに急ぐ車中で敷石エリアを発見したら、足を止めてチェックしてみよう。こういった敷石の沖にも藻が残っている場合がある。横穴、サーフ、敷石と、これまでメバルポイントの要素としては見落としていたさまざまな変化を逃さず探ることが、今シーズンを勝ち抜く秘訣となるだろう。

防波堤はそれ自体がメバルの着き場となる。周囲に海藻帯があるにこしたことはないが、必須条件ではない。

海藻帯が薄くても、強い流れができていれば攻める価値は十分ある。本流と反転流の向きと規模をそれぞれ考慮しながら攻めたい。

敷石と砂地の複合ポイントに少しでも海藻帯が残っていればチャンスはある。



足元固めて安全釣行

フェルトスパイクの専用シューズがおすすめ

 防波堤敷石や漁港スロープなど足場がいいように見える場所でも、干満の差や波の影響で濡れていることがある。少しでも濡れていれば滑って転ぶ危険がある以上、最悪の事態はなんとしても避けたい。そのため筆者は磯場はもちろんのこと、コンクリートの平らな足場に乗るときも、フェルトスパイクソールの専用シューズを着用する。寒くなるこれからの時期、くるぶしまで隠れるロング型のシューズが特におすすめだ。足元の障害物にくるぶしをぶつける危険も回避できる。

地図アプリで見つけた敷石エリアをさっそくチェック。案の定表面が濡れてツルツルに滑りそうだったが、フェルトスパイクシューズを履いていれば安心して踏み込める。



シマノ フィッシング シューズ

GORE-TEX・リミテッドプロ FS-175U

長時間履いてもムレにくく快適なシューズ。




おすすめタックル

さまざまなサーチに向くジグヘッド単体リグがおすすめ

 どれだけ多くの場所とコースを探れるかが重要なポイント開拓では、すぐに勝負がつくジグヘッドリグが有効だ。広範囲をすばやく投げて巻くという動作をメインに、ここぞというボトムではワインドを入れてチェックすることで、より漏れのないサーチを行なうことができる。

 また、新規ポイントではどんなサイズが釣れてくるかわからないため、リーダーは4~7ポンドと少し余裕をもたせたバランスを組むといいだろう。ジグヘッドも0.9~3グラムと、広い範囲の飛距離・深さ・流れに対応できるサイズを幅広く用意しておきたい。

スモーキー ラミアス&バジルール(スミス)

普段のメバルロッドとはちょっと違う、グラスとカーボンコンポジットの1番と、40トン
高弾性カーボンの2番の2本を用意した。


新規開拓で釣り上げた良型メバル。

ホールド力を向上し、長時間リトリーブの疲れも軽減するフラットサイド・ハンプバック形状のグリップ。スモーキーブランド復活の狼煙が見える。





スミス アジエース

アジとメバルはポイントとシーズンが重なることも多い。アジエースでよくばりダブル狙いだ。



スミス スクリューテールグラブ1.5インチ

メバル狙いといえばまず欠かせない超定番ワーム。ジグヘッドはすべてデコイ・ロケットマジックを使用。

アジ狙いのエースとして活躍する「アジエース(スミス)」とロケットマジックの組み合わせは相性がいい。



バリバス

アバニジギング10×10 0.6号

絶妙なキャスティング性能と安心感をほこり、風の日でもトラブルの少ないPEライン。



バリバス
ライトゲームショックリーダー4~7ポンドフロロ

根ズレに強いリーダーは、ステンボーなどの各種ジグアシストを安心して脱着することができる。




暗い夜道はライトなライトで

鮮やかな白色と見やすい電球色が魅力

ゼクサスZX-199

 防波堤などの冬の夜釣りでは、軽くて明かりが長持ちしてくれるライトが役に立つ。足元を照らすときは距離感をハッキリと把握できる白色光、ルアーチェンジやノットの組み直しで手元を照らすときには小さなものが見やすい電球色と、同じライトで違う色の光を使い分けるのが理想だ。それを満たしてくれるヘッドライトがゼクサスZX-199。電源はUSB Type-C充電の内蔵バッテリーと単4電池との二刀流で、ナイトゲーマーをサポートしてくれる。

白色と電球色、2色の光を使い分けられる。明るさは用途に合わせて調整可能だ。



新規開拓に迷ったらこの動画!⇓

Profile

辻本ナツ雄(つじもと・なつお)

通称「ポッキン」。自分の独自の釣りのスタイルを貫いて楽しむライトゲーマー。ベイト、スピニングの両タックルを駆使し、年間通じて旬の対象魚を追いかける。サポート:シマノ・スミス・バリバス・冨士灯器・サブロック・デコイ・グラシーズ白島。