トミー敦が教える! 役立つアジングタックル講座


海のライトルアーゲームで今もっとも人気のあるのがアジング。釣って楽しい、食べて美味しいターゲットのアジだけど、なかなか簡単には釣らしてくれはしない。そんなときはエキスパートの腕前をすこしだけ真似してみよう♪ 名手トミー敦さんの簡単お手軽アジング講座のスタートです!


アジングロッドに求める基本性能

 繊細なアタリが多いアジング。アジングロッドに求められる性能としては、小さな変化を敏感に感知する性能、つまり感度の高さを第一に挙げることができます。また、そのほかにもルアーをキャストして、アジをキャッチするまでの一連の動作をこなす上で大切なことがいくつかあります。


1.キャスティング&操作性能

 アジングで主力となるのは軽量リグです。ロッドのバランスと操作性が高ければ、ルアーを的確な操作へと導き、アジへ届けることができます。

2.ティップアクション

 柔軟性があり、ハリのあるティップが操作へと繋がり、アジのアタリを逃さず、フッキングの成功率を高めます。柔軟さや適度なしなりはさまざまなシチュエーションで重要を果たします。

3.軽量性とバランス

 軽量なロッドは長時間の釣りを楽にしますが、ただ軽量なだけでなく、ロッドとしてのバランスもとても重要です。


 とてもデリケートなアジのバイトを、微妙な違和感としてロッドが感知できること。それと同時に、操作性能も非常に重要で、特にティップのアクションを重視しています。しなやかなティップはアジの軽いアタリを逃しませんが、流れの強い場面やヘビーウエイトのジグヘッドを使用する場面では操作感の低下にもつながります。

 これらの要素がバランスよく調和したアジングロッドを、シチュエーションに応じて選択することで、効率的で楽しい釣りを可能にします。

状況に応じたタックルセレクトがアジングでは大切。



軽量ジグ単にイチオシUTR55リニューアル

 今回ご紹介する2本のロッドは、絶賛発売となっているUTR-55FS-T2UTR-58XS-T2です。ともにおよそ10年ぶりのリニューアルとなりました。

 カーボンの質も製法も昔より格段に進化しており、現時点の最高技術で磨き上げました。過去のUTR製品と比べるとまったく別モノのように感じます。

 ショートレングスのモデルがUTR−55FS-T2です。いかに軽量ジグヘッドを操作することができるかがアジングでは重要な鍵となります。そこで今回、このモデルのコンセプトを象徴するパーツとして搭載したのが、極細0.65フィネスソリッドティップです。

 この細いティップが軽量ジグヘッドの操作感を高めてくれるのと同時に、極細ソリッドに軽量ジグヘッドの重みを感じることで、潮流や繊細なバイトに反応します。また、ボトム付近ではジグヘッドの重みを感じる事で、「モゾッ」としたバイトにもより機敏に反応できるでしょう。

 ロッド全体のアクションは、ややマイルドな仕上がりですが、操作性を高めるための適度なハリは残し、繊細なソリッドティップで魚が掛かればベリーからバットへ移行しロッド全体がしなやかに曲がります。不意な突っ込みや強すぎるロッドパワーによる魚の暴れも少なく、ファイトがしやすい点が特徴です。

 また、1ピースと2ピースのモデルがありますので、スタイルや好みで選択可能です。

 UTR-58XS-T2はしっかりとしたバットパワーで3gなどのヘビーウエイトなジグヘッド単体から軽量ジグヘッドまで幅広く対応しています。極細ハードソリッドティップによる強く繊細なティップで操作性を持たせながら、パワーを合わせ持つモデルです。

 UTRの瞬発系ブランクスにトルザイトリングガイドを搭載し、港内から外海面に面した深場、流れのあるエリアなど、軟らかいソリッドティップでは操作感がボヤけてしまう展開での繊細な操作性が求められる状況をすべて補うことができます。

過去のUTRシリーズからさらなる進化を遂げた究極の1本。



春から初夏の有力なベイトはプランクトン

 春から初夏は南日本のようにサイズも狙える場所もあれば、東北から北海道などの北日本エリアまで、日本全国でアジングが楽しめるタイミングでもあります。漁港内ではアジの姿も多く見ることができます。

 この時期のアジは、低水温の状態から水温上昇へと転じるタイミングでもあり、アジの回遊も期待することができます。

 特に初夏は典型的なアジングのパターンがいくつかあります。

 まず初夏にかけて多くなるのがプランクトンパターンです。アジは基本的に1年中、アミエビなど代表されるような、夜の漁港内の常夜灯に集まる小さなプランクトンを捕食するパターンです。特にこのシーズンは捕食している姿を見ることもできるタイミングです。

 アミエビは明るいライトを照らすと集まってきます。アジがメインに捕食している、遊泳能力の低いプランクトンであり、アジにとっては格好のエサとなります。アミが常夜灯周りに集まり、それを捕食しようとアジも集まる、そんな関係性なので非常に大切なベイトとなります。

 このベイトが集まりやすい場所というと、潮や風が当たりプランクトンが流されやすい場所、それも常夜灯下に溜まるような場所がおすすめです。これらのベイトを捕食しているときには、表層を意識したアジや軽い流れを意識したアジをよく見ることができます。

 そういったことから、漁港内でも常夜灯がある場所や流れがある場所、岸壁の角など、エサとなるプランクトンが溜まったり流れ着く場所を探していくと、アジを見つけることができると思います。

 狙い方としては表層付近からアジの反応を探します。さらに広範囲にレンジを下げながらその日のレンジを見つけるわけですが、時間帯や潮とともにレンジがコロコロ変わるのも特徴です。反応があったのに。その反応が急に薄くなった場合、再度レンジを探すと反応が出ることもあります。決めつけずに色々探るのが大切かと思います。

 初夏の小型のアジはライズしている場合や表層付近をウロウロと回遊している場合が多く、レンジを刻んでアタリがなければ魚を目視で見つけながらポイントを変えるのもいいと思います。

春から初夏はアジングを始めるには最適なシーズンともいえる。



ショートバイト対策にはウエイトの微調整

 初夏に向かうにつれ、アジはウロウロとしだします。そんなアジには、派手に動かすより表層タダ巻きが特に有効です。タダ巻きの合間にチョンチョンとワームを動かすと口を使うことも多いため、食わせの間を意識しながら漂わせるイメージが有効です。表層付近で反応がない場合はレンジを下げ、タダ巻きやリフト&フォールなどで反応を探ります。

 ショートバイトでなかなか乗らない場合はジグヘッドのウエイトが合ってないことが多いです。ジグヘッドをワンサイズ軽くすることで吸い込みやすくさせます。

 有効なリグは日々変わります。その日どのリグがポイントに合っているのか、またいかに合わせていくことができるのかが鍵になります。軽すぎると飛距離が足りない、重すぎるとゆっくり見せることができないなど、微妙なズレが問題となります。なるべくゆっくり狙った場所の表層付近を漂わせることができるリグで広範囲を探ります。その上で、飛距離とレンジが合うジグヘッドリグのウエイトを微調整していきます。

 最後に、ジグヘッドを操る上で大切なのは「張らず緩めず」の状態をしっかり作ることです。ラインを張りすぎると吸い込みきらないし、逆に緩めすぎると上手くバイトが出せません。ジグヘッドを竿先で感じながら絶妙のテンションでリーリングすることを心がけ、釣って楽しく、食べて美味しい、奥深いアジングを堪能してください。

ジグヘッド単体の釣りはアジングの王道だ。



主力級アジングロッド10年ぶりのリニューアル

SRAM UTR-55FS-T2 "Chosen One"(TICT)

 5フィート5インチのショートレングスで伝達も速く、操作感が圧倒的に高いモデル。操作感と乗せを両立したアンダー1gや1.75g以下のジグヘッドでの港内アジングゲームを視野に入れ、キャスト、操作、掛け、ファイトまでを楽しめるモデルになります。

 1ピースと2ピースのモデルがリリースされるため、スタイルに合わせた選択が可能です。


SRAM UTR-58XS-T2"Blow Out"(TICT)

 前作UTR58Tのチューブラーティップからハードソリッドへの変更を始め、ブランクスから一新しました。2g以上のタングステンジグヘッドなど、流れやディープゾーンでの使用を視野に入れた攻めのショートレングスロッドです。

 55同様、1ピースと2ピースモデルをラインナップします。


トミー敦 参考タックル

ロッド:ティクト SRAM UTR-55FS-T2
リール:アブ・ガルシア ゼノン2000
ライン:ティクト ジャックブライト 0.3号
リーダー:ティクト ライトゲームコンパクトショックリーダー ボルドーレッド 0.8号
ジグヘッド:ティクト アジスタ! 0.8~1.5g
ワーム:ギョピン1.7インチフィジットヌード2.7インチ




アジングワームはサイズや波動で選ぶのがトミー流

 多くのカラーを試すよりもサイズや波動をカギとしてアプローチすることで、その日のどんなワームが有効なのか、アジの反応を知ることができます。有効なカラーを探すのはその後です。


●アジングのスタンダード・ストレート系

フィジットヌードギョピン


●強波動を生むパドル系

ブリリアントシリーズ、アジボッコ


●ツインテール系

ピーカーブー


新色「イカシテル!」 シリーズ

 イカフォミュラー入りの新色を人気ワーム数種類(ギョピン、メタボブリリンアント、ブリリアント2.5インチ、アジボッコ1.5インチ&2.5インチ、フィジットヌード2.7インチ)でシリーズ化しました。アジの本能を刺激するイカエキスを配合しています。匂いだけでなく特徴的なカラーもあります。ここぞという瞬間にお試しください。

Profile

富永敦(とみなが・あつし)

「トミー」の愛称で知られるライトゲームエキスパート。アジやメバルなどのライトゲームから渓流釣りやキャンプなどアウトドアに至るまで、さまざまな手段で自然に親しんでいる。