これからアジングを始めたい、やったことはあるけど思ったように釣れないというビギナーに朗報! 名人・富永敦さんが「こうすれば釣れる!」という釣果アップのキモを伝授します。入門するならいまですよ!
アジがいる層を見つけてできるだけ正確にそのレンジをトレースする。これぞアジングのストロングスタイルだ。
チャンスをモノにして良型アジをキャッチしたトミーさん。
PROFILE
富永 敦
とみなが・あつし:「トミー」の愛称でおなじみのライトゲームエキスパート。釣り場に入ったら竿出し前にじっくり下見し、自然観察・分析後にやおら釣りを開始するという、石橋を叩いて渡るタイプである。
STEP1
アジングとほかの釣りとの違いを理解する
そもそもアジングってこんな釣り
アジングはアジをターゲットとした釣りのスタイルで、ルアーを使って狙います。アジングの最大の特徴は、繊細で軽量なタックルを使い、夜間をメインに朝方や昼間、夕方に小型のルアーやワームを用いる点です。これによりアジの警戒心を和らげ、特に活性が高くなる時間帯に効率的に釣果を上げることができます。
アジはレンジを釣れ⁉
アジングとほかの釣り方の一番大きな違いは、タックルの軽量化やアジの習性を考慮したテクニックにあります。アジングでは軽いリグをキャストし、リールを小刻みに動かすことでルアーの動きに変化をつけてアジを誘います。さらにアジングでは「カウントダウン」と呼ばれる、ルアーがどの層に沈むかを調整する技術も重要です。これにより、アジがいるレンジにピンポイントでアプローチしやすくなります。
このようにアジングはライトゲームに分類され、手軽かつ繊細な手応えを楽しむことができる釣りです。技術の習得や感覚の鋭敏さが求められるため奥深い要素が多く、上達の喜びもあります。独自の技術やタックル選びも特徴であり、ほかの釣り方と大きく異なる魅力がある釣りなんですね!
STEP2
感度重視のタックルを選ぶ
なるべく専用モデルを!
アジングでアタリを敏感に感じ取るには、タックル選びが重要です。まずロッドは、軽量かつ高感度のものを選びましょう。6フィート前後の長さで、カーボンブランクスに材質の違うソリッドを継いだティップのロッドが、アタリを繊細に伝えてくれます。
またリールは、1000~2000番程度の小型で、軽量なものが扱いやすいです。ラインは操作や感度重視で細いタイプをおすすめします。ジャックブライトのようなエステルライン0.3号、0.4号と組み合わせることで、さらに感度が上がります。 ルアーはシンプルなジグ単 ルアーはジグヘッド単体が基本です。アジスタ0.6~1.5gなどの軽量ジグヘッドを使用し、着底時やリトリーブ中の微かなアタリを逃さないようにしましょう。さらに、ワームも小型で動きがナチュラルなものを選ぶと魚に違和感を与えません。アジのアタリは小さく軽いので、集中して手元に伝わる感覚を意識し、アクションは小さく繊細に行なうことがポイントです。このようにタックルを細部まで選び抜くことで、アジングでのアタリをより確実に感じ取れるようになります。
アジ特有のアタリを感知して掛けていくには高性能な専用タックルが欠かせない。
STEP3
アジがいつ釣れるか知る
時合いとよく釣れるタイミング
アジングでアジを釣る際、時合いを意識することは重要です。アジには活発にエサを求める時間帯があり、そのタイミングを狙うと釣果が上がりやすくなります。特に朝夕のマヅメ時、薄明の時間帯は、アジの捕食行動が活発になりやすく、釣り人にとって最高のチャンスといえるでしょう。
朝マヅメと夕マヅメの効果
朝マヅメは夜明けから日が昇るまでの時間帯で、夕マヅメは日没前後から夜の始まりまでの時間を指します。この時間帯はアジの餌となる小魚やプランクトンが活発になり、それを狙うアジも行動的になります。特に朝夕の薄暗い時間帯は、アジがエサを求めて岸近くまでやってくるため、港や防波堤などで釣果が期待できます。
潮の流れと月の影響
潮の動きも時合いに影響を与えます。アジは潮の変化に敏感で、特に潮が動き出すタイミングや、満潮・干潮の前後には活発になる傾向があります。また、月の存在もアジングには重要です。満月の夜は月明かりが強いためアジが警戒しやすくなり、釣果が落ちることがあります。
一方新月の夜は月明かりが少なく、漁港内の常夜灯による明暗の差がより強くなるため、アジが釣れやすくなる傾向があります。 天候や水温の影響 アジは水温が安定した環境を好むため、季節や天候も時合いに影響します。秋から冬にかけて水温が下がると、アジが岸に近づきやすくなり、釣りやすい本格的なシーズンインになることが多いです。
STEP4
ポイントと実際の歩き方を覚える
まずは潮通しと水深
アジングポイントを選ぶ際、まず「潮通し」と「水深」を意識しましょう。アジは潮の流れがある場所に集まりやすいため、潮通しのいいポイントが理想的です。港の入り口や防波堤の先端などが狙い目です。また水深があるポイントは日中でもアジが潜んでいる可能性が高いものです。
夜は灯りをまず探る
夜間は常夜灯など、明かりのある場所を狙うのが効果的です。防波堤や桟橋の常夜灯が海面を照らしている場所はプランクトンが集まり、それを目当てにアジも集まります。夜釣りではこうした常夜灯周りが狙い目となります。
明るい常夜灯周辺はアジングの王道ポイントだ。
ポイントは足で探り当てる
移動のタイミングとしては、反応が鈍くなったときや釣果が伸びないときが目安です。アジは回遊魚であり、群れが移動することが多いため、釣れなくなったら次のポイントへこちらも移動してみるのも手です。また、潮の動きが変わるタイミング、満潮・干潮の前後はアジの活性が上がることが多いので、その時間帯に合わせてポイントを移動するのも効果的です。
このようにアジは、同じポイントで釣れ続けることは少ないため、いくつかのポイントを足で稼いで探り当てる「ラン&ガン」スタイルで挑むと、アジの群れに出会いやすくなります。さっそく実践しましょう!
明るいうちにポイントを下見しておくとナイトゲームで断然有利だ。
トミーのアジング各論❶
レンジ(タナ)の探り方とリトリーブ方法
アジングでのレンジ(タナ)の探り方は、着水後に数を数えながら(カウントダウン)狙いたい層にルアーを沈め、そこからリトリーブを始めます。たとえばカウント5秒であれば浅い層、10秒であれば中層とおおまかにレンジを刻んだあとは、キャストごとに狙うレンジを変え、アジの反応を探っていきます。
リトリーブ方法は、一定のスピードで巻く「スローリトリーブ」や、細かくロッドティップを動かす「シェイクリトリーブ」、ロッドティップでチョンチョン上げてカーブフォールで見せる「縦のアクション」などを試し、アジの活性に合わせて調整します。 カウントダウンの間隔は各自好きなとおりでかまわないが、水深を測る物差しの役割も果たすため、なるべく正確なリズムを刻めるようがんばろう。
トミーのアジング各論❷
ジグヘッドウエイトのローテーション
アジングでのジグヘッドウエイトのローテーションは、状況に応じたアジの反応を引き出すために重要です。風や潮の流れ、アジの活性に合わせてウエイトを変更していくと効果的です。
0.6~1.5gの軽めのウエイトは活性が高いアジや表層狙い、またレンジを問わずじっくり見せていく場合に適しています。一方で2g以上の重めのウエイトは、風が強い日や深場を狙いたいときに使用します。状況を見極めて適切にローテーションすることで、アジのヒット率を高めることができます。
アジスタTG(S)は標準的なセッティング。いっぽうアジスタTG(MH)は太軸フックと重めのラインナップをそろえた大型アジ向けのモデル。
トミーのアジング各論❸
ワームのタイプ・カラーローテーション
アジングで使用するワームのタイプとカラーローテーションは、釣果に大きな影響を与えます。タイプとしては、ストレート系やパドル系、シャッド系などが一般的です。状況に応じて、細かくアピールしたい場合はストレート系、動きでアピールしたい場合はパドルやシャッド系と使い分けると効果的です。
カラーローテーションは、ナチュラルカラー、ラメやグロー系などの明るい色が効果的で、潮の濁り具合によってもクリア系やチャート系などを使い分けることが重要です。
- フィジットヌード2.7in(TICT)
凹凸のないシンプルなストレート形状が、アジを引き寄せる細かい波動を発生させる。
- ギョピン1.7in(TICT)
テールが反り上がった独特の形状で、フックセッティングの際ハリ先以外を隠すことが可能。
- アジボッコ1.5in(TICT)
水流をうまくつかめる松ぼっくりのような形状のボディでアジを仕留める。
- アジボッコ2.5in(TICT)
1.5in同様、ボコボコの形をしたボディでアジをボッコボコにする定番。
- ブリリアント2.5in(TICT)
太いリングと大きめのパドルテールで強烈なアピールを生み出す。
- メタボブリリアント1.5in(TICT)
アジの大好物である小魚や子イカを再現。短い全長だが太めのボディでアピール力はばっちり。
ケイムラや発光など、暗い水中でまた違ったカラーに見えるタイプもある。パッケージにある「発光」「グロー」などの文字に注目しよう。
トミーのアジング各論❹
ラインテンションをコントロールしてアタリを感じる
アジングでアタリを感知するためには、ラインテンションのコントロールが重要です。リールを巻く速さやロッドの動かし方でラインに適度な張りを持たせ、ルアーが自然な動きをするように調整します。テンションが強すぎるとア ジに警戒されやすく、弱すぎるとアタリが感じにくくなるため、張らず緩めずの状態を保つことが効果的です。アタリを感じたら、素 早くアワせるために常に集中し、繊細な感覚で操作することがアジング上達のカギとなります。
キャスト時、放出されるラインに軽くブレーキをかけることで、着水直後からイトフケなく、最適なラインテンションに調節することができる。
ロッドを下向きに構え、一定の速度でリールを巻いておけば、必要最低限のコントロールは可能。微調整をするのはある程度慣れてからでも遅くはない。まずは常にルアーに水の抵抗がかかっている状態を維持することから始めよう。
トミーのアジング各論❺
おすすめロッドのご紹介
SRAM UTR-55&58
TICTのUTRシリーズは、アジングに特化した軽量で高感度のロッドです。UTR-55とUTR-58は、細かいアタリをしっかりキャッチできる高感度ブランクスを採用し、わずかな変化も逃さずに、より多くのアジをキャッチすることが可能です。UTR-55は5.5ftと短め。0.6㎜極細フィネスソリッドで、軽量リグを得意としており、繊細な操作が得意。UTR-58は5.8ftにエクストラハードソリッドを継ぎ、1.5~4gのヘビージグヘッドの操作を得意としています。両モデルとも軽量でバランスの取れた設計により、一日中の釣りでも疲れにくく、初心者から上級者まで幅広い層におすすめです。
軽いジグヘッドを簡単に操作できるChosenOne(選ばれし者)の称号は伊達ではない。
- SRAM UTR-58XS-T2 BlowOut(TICT)
ジグヘッドからキャロ、小型プラグにも最適。BlowOut(大勝)のためにもぜひ手に したい一本。 感度やバランスを徹底追求したブランク露出型のグリップを採用。 感度重視のトルザイトシングルフットガイド仕様。
参考タックル
〈ロッド〉SRAM UTR-55FS-T2 ChosenOne/SRAM UTR-58XS-T2 BlowOut(ともにTICT)
〈リール〉ゼノン2000(アブガルシア)
〈ライン〉ジャックブライト0.3号(TICT)
〈リーダー〉ボルドーレッドVer2 0.8号(TICT)
〈ジグヘッド〉アジスタTG0.8~1.5g(TICT)
〈ワーム〉各種
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