アジが釣れないとお嘆きのアナタ! そもそもポイント選びが間違ってはいませんか? 厳しい冬のコンディションのなか、宮城県牡鹿半島を訪れたアジング伝道師・家邊克己さん。強風が吹き荒れるなか、当初は風裏を選んで竿を出していましたが、釣果がパッとしなかったため、発想の転換で選んだポイントとは?
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寒い時期でもアジングが成立するようになってきた三陸牡鹿半島。家邊さんもポイント開拓に余念がない。
PROFILE
家邊克己
やべ・かつみ:アジを求めて日々全国(時には国外⁉)を駆けまわるアジング伝道師。寝るのは主に移動時間⁉ というハードスケジュールのなか健康を保つ秘訣は「たくさん食べること!」だとか。THIRTY FOUR(サーティフォー)代表。
アジはここで釣れ!
強風が吹き荒れる冬の宮城県牡鹿半島。アジを狙ってこの地を訪れた家邊さんは、当初は風裏になる釣り場を選択。デイアジングはまずまず好調で、終了後はナイトゲームに移行した。だが、釣れるのはメバルばかり(ただし数もサイズも文句なしだったので、これはこれでおすすめゲームだ)。ということで、釣り場を移動することにした。
複雑なリアス式海岸の海岸線が続く牡鹿半島には、岬やワンドが点在。「いい具合の風表」となるポイントに目星をつけた家邊さん。
「結構強い風が正面から吹いていますが、なんとか釣りはできそうです。向かい風になるポイントには、足元に餌が寄せられるのでアジも集まるので、釣りにくいですが好ポイントとなることが多いんです」という家邊さんはさっそくキャストを開始。するといきなりのヒット!
「おっ、きた。これはアジかな? あ~バレた。いきなりで不意を疲れました」という家邊さんは引き続き攻略継続。
入った堤防は足場が高く、上には電線があるというシチュエーションで、強めの向かい風が吹く状況ではキャストがしづらい場所だ。こんな場合は、サイドキャストで低い弾道のキャスティングをするしかない(電線には決して引っ掛けないように注意!)。とはいえ、風が正面から吹く場合は堤防のキワに餌が溜まるので、必要以上のロングキャストは不要だ。
少し沖にキャストし、当て潮気味の流れにリグを乗せて手前へトレースしていた家邊さんのロッドに再びアタリ。しっかりアワセを決めて取り込んだのは23㎝くらいの本命のアジだ。
「釣れてよかった~。このサイズなら文句ないです」という家邊さん。ヒットルアーはストリームヘッド0.8gにキメラベイト2.0の組み合わせだ。
この堤防の右側から6~7m/秒くらいの風が吹いていた。だが、これなら0.8gのジグ単でもアジングが可能だ。
少し寒かったがあえて正面から風が吹くポイントを選択。これが当たって本命のアジが連発した。
アジとメバルの位置関係
「アジは手前に寄っていると思うので、本当は堤防と平行にキャストして探るといいんですが、結構な風なのでラインが堤防際に吹かれてしまって、なかなかうまくトレースできません。とはいえやってみますが」と、堤防際を探る家邊さんのロッドに再びアタリ! 狙い通りのヒットだったが、取り込んでみるとこれはメバルだった。
「風でルアーが堤防際ギリギリまで寄せられてしまったようです。ヘチギリギリだとメバルが来てしまいますね。メバルはアジが多いと、遠慮してオープンスペース(開けた場所)には出ない傾向があります」と説明してくれた家邊さん。つまり、こんなケースではオープンを狙えばアジ、キワのシェード(影)狙いでメバルという釣り分けが可能なので覚えておきたい。
メバルとアジの位置関係を把握した家邊さんは、アジを狙うためオープン気味なポイントを集中して攻める。
「ここは水深は3~4mくらいと浅いんです。本当は0.5gとか軽いジグヘッドを使ってゆっくり狙ったタナをドリフトしたいのですが、それだと風の影響で浮き上がってしまいます。今回は0.8gでなんとかナチュラルにドリフトさせています」という家邊さんは、釣りにくい状況ながら、その後もアジのヒットを重ねていった。
アジ狙いなら少しオープン気味な場所を狙っていきたい。ヒットワームはプランクトン1.8(34)。
ヘチギリギリを狙うとメバルがバイト。アジとメバルでポイントが棲み分けされていた。
ショートキャストで効率よく釣果アップ!
正面からの強い風は敬遠されがちだが、釣りができる範囲の向かい風は、餌とアジを至近距離に寄せてくれるので狙い目十分だ。ロングキャストは必要ないので、無理に遠くへ投げようとせず、イメージ的には10m以内のポイントを手返しよく重点的に探っていくようにしたい。0.8gのストリームヘッドにラインはピンキー0.25号を使用していた家邊さんだが、こんな状況ではスペシャライズ SFR-51のような軽量ジグ単に特化したショートロッドが扱いやすいのでおすすめだ。
強風なので堤防に腰を下ろしてショートキャストで探っていった。こんな状況では手返し重視で数を伸ばそう。
年間通じてアジングができる!
海水温上昇の影響で、海の生態系に変化が起きており、この状況が懸念されているが、ことアジングに関しては、いままで魚影が薄かった三陸沿岸にアジが多数見受けられるようになり、釣れるサイズも上昇。尺クラスが狙えるようになってきた。東北で真冬にアジングが成立するということはいままで考えにくかったのだが、牡鹿半島は暖流である黒潮の影響を受けやすい地形なので、海水温の上昇とあわせ、黒潮が接岸するとアジにとっては過ごしやすい水温に近づくことになる。そういった要因により、厳寒期でもアジングが可能となってきた牡鹿半島エリア。
未開拓のポイントも多く、アジングの可能性は無限大な三陸牡鹿半島。もちろんメバルの魚影も濃い場所なので、アジが難しくても同じタックルでメバリングが楽しめる。まだまだ寒い日が続くが、防寒対策を万全にして、ポイント開拓がてら、牡鹿半島のアジング、そしてメバリングを楽しんでみてはいかがだろうか。
入り組んだ湾に数多くのアジをストックする牡鹿半島。駐車やゴミ問題などのマナーを守って楽しみたい。
●参考タックル
〈ROD〉THIRTY34FOUR SPECIALIZE SFR-51
〈REEL〉スピニング1000番
〈LINE〉THIRTY34FOUR ピンキー 0.25号
〈LEADER〉THIRTY34FOUR ジョイントライン 0.8号
〈JIGHEAD〉THIRTY34FOUR ストリームヘッド0.8g
ストリームヘッド0.8gとプランクトン1.8の組み合わせにヒットしたアジ。当て潮にルアーをなじませて連続ヒット!
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