ロングロッドによるヘビージグ単アジング。今回は、これまでの実釣テストから得たフィードバックを反映し、さらにブラッシュアップしたブラックスター エクストラチューンド S77MLX-Sの最新プロトモデルを携え、山形県・庄内浜の地磯へテスト釣行に向かいました。
エリア紹介
山形県の海岸線は「庄内浜」と呼ばれ、北部と南部には磯場、中部には広大なサーフが広がります。古くから好漁場として知られ、アジはこのエリアを代表する人気ターゲットです。近年は接岸するアジの大型化が進み、30cmを超える個体も珍しくありません。ヘビージグ単で大型アジを狙える全国有数のフィールドとして、多くのアングラーから注目を集めています。
私自身もこの5年間、ショア・オフショアを問わず庄内浜へ通い込み、多くの経験を積んできました。今回は、その中でも大型アジの実績が高い地磯を舞台に、ロッドの最終テストへ挑みます。
ポイント選びでは、まず地元の釣具店で最新の状況を確認。その情報をもとにGoogleマップで地形をチェックし、沖へ張り出した岬や潮通しの良い磯を絞り込みます。当日は海鳥の動きや潮目、泡の溜まる場所、ベイトの有無などを確認しながらエントリーしました。
庄内浜の風景
Googleマップで地形をチェック
潮通しが良いポイントで竿を出したい
2g前後のジグヘッドを使用するヘビージグ単ゲーム
デカアジを狙って釣るには?
庄内浜では、例年5月頃からアジの回遊が本格化します。なかでも尺を超えるような大型の個体はシーズン前半に狙いやすく、季節の進行とともに群れがシャローへ入り、数釣り主体の展開へと変化していきます。
シーズン初期に狙いたいのは、外海に面した潮通しの良い磯です。特に岬の先端や潮流がぶつかるポイントには、イワシの稚魚などのベイトを追って大型のアジが差してきます。水温が上昇すると、河口やサーフなど沿岸部にも回遊範囲が広がり、季節の進行とともに狙えるポイントも増えていきます。
庄内浜は全体的に遠浅の地形が多く、水深の変化を縦に探る釣りよりも、潮の流れを読みながら横方向へリグを送り込む釣りが効果的です。特に磯では潮流が複雑に交差するため、見た目の水深以上にリグが流されやすくなります。そのため、一般的なアジングでは重く感じる2~3.5gクラスのジグヘッドが必要になる場面も少なくありません。
こうしたフィールドで真価を発揮するのが、7ftを超えるロングロッドです。
最大のメリットは飛距離ですが、その価値は単に遠くまで投げられることだけではありません。沖の潮目や払い出しといった一級ポイントへリグを届けられるだけでなく、ロッドの長さを生かしてライン角度をコントロールしやすく、波やウネリの影響を受けにくい安定したリグ操作が可能になります。
さらに、足場の高い磯ではロッドのストロークに余裕があることでラインメンディングもしやすく、複雑な流れの中でも狙ったコースを長くトレースできます。結果としてアジが口を使う時間が増え、バイトチャンスも大きく広がります。
もうひとつ見逃せないのが安全性です。飛距離に余裕があるため、無理に磯際まで立ち込む必要がなく、一歩下がった安全な立ち位置からでも十分に攻略できます。これは荒れ気味の磯では非常に大きなアドバンテージになります。
もちろん、6ftクラスと比べれば重量や取り回しでは不利な面もあります。しかし、磯というフィールドでは、そのデメリットを上回る恩恵を得られる場面が圧倒的に多いと感じています。大型アジを本気で狙うのであれば、ロングロッドは大きな武器になる一本です。
足場の高い磯では7ftを超えるロングロッドが圧倒的に有利
釣行レポート
ゴールデンウィーク明けの5月上旬。庄内エリア最大級のアジングイベント「アジングアジアカップ」への出展のため、庄内空港へ降り立ちました。
大会当日はあいにくの荒天となり、競技は中止。展示会のみの開催となりましたが、会場には多くのアングラーが集まり、庄内エリアのアジング熱の高さを改めて実感しました。ブースへ足を運んでくださった皆様、そして大会運営に携わった実行委員の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
イベントを終えた翌日は、S77MLX-Sの最終プロトを携え庄内の地磯へ向かいました。前日の時化の影響で波はまだ残っています。河口周辺は濁りが強く、魚が差してくる可能性は低いと判断。そこで潮通しの良い磯へ狙いを絞り、安全を最優先に磯先端から少し下がった立ち位置で釣りを開始しました。
風はほぼ無風。しかし、残るウネリの影響でリグは想像以上に流されます。まずは2gのバレットリブヘッドTGで探りましたが、カウントを取る間もなく潮に乗せられてしまいます。そこで迷わず3gへ変更。リグの安定感を優先したセッティングへ切り替えました。
すると午後4時過ぎ、日が傾き始めたタイミングで海の雰囲気が一変します。目の前の瀬際へフルキャストし、リグを潮になじませながらゆっくりとサビく。その瞬間、それまで張っていたラインテンションが「フッ」と抜けました。明確な引き込みではなく、違和感だけを伝えるバイト。迷わずアワセを入れると、ロッドは一気に弧を描きます。
足元にはカケ上がり、その先には沈み瀬。時間を掛ければラインブレイク、強引すぎればフックアウトという難しい状況です。しかし今回のプロトは、前回のテストで課題となった「寄せのフックアウト」を改善するため、ベリーの追従性を大幅に見直しています。負荷が高まるほど自然に曲がり込むブランクスが魚の突っ込みを吸収し、プレッシャーを掛け続けながら一気に主導権を握ることができました。水面まで浮かせて一気に抜き上げキャッチしたのは、優に尺を超える良型のアジ。
さらに時合へ突入すると、同じパターンで連続ヒット。夕まずめの短いゴールデンタイムを存分に楽しむことができました。
日没後は足元に見えていたベイトが沖へ散り、魚の着き場も変化します。ここからはより広範囲をテンポ良く探る展開へシフトし、ジグヘッドを3.5gへウェイトアップ。遠投性能とリグの安定感を生かし、表層付近をスピーディーにサーチしていきます。
すると数投目、再びロッドが絞り込まれました。流れに乗った魚は勢いよくドラグを引き出します。それでもブランクスは魚の動きに素直に追従し、美しいベントカーブを描きながら余裕を持っていなしてくれます。不安はまったくありません。
浮上したのは35cmオーバーの堂々たる一尾。
その後も35cmクラスが連発し、S77MLX-Sの最終テストは期待以上の結果で締めくくることができました。
複雑な潮流が走る庄内浜の磯という厳しいフィールドで、ロッドの完成度をしっかり確認できたことは大きな収穫でした。現場で積み重ねてきた試行錯誤が確かな形となり、S77MLX-Sの完成が目前まで来ていることを確信した、満足感の高い一夜となりました。
夕マズメの短いゴールデンタイムでしっかりと尺オーバーをキャッチ
ナイトでも尺アジ連発!
実釣で活躍したワームたち
ゼスタ バレットリブヘッドTG
【ライン】ヤマトヨテグス ファメル スーパーエステル(左)【リーダー】ヤマトヨテグス フロロリーダーforエステル(右)
磯アジングの狙い方
磯でのアジングは、刻一刻と変化する潮流を攻略することが釣果への近道です。潮が複雑にぶつかり合う磯では、リグが思った以上に流されたり、姿勢を崩したりします。そのため、狙ったコースを安定してトレースすることが何より重要になります。
リグが安定していれば、アジは違和感なく口を使いやすくなり、結果として上あごへの理想的なフッキングにつながります。逆に潮へ翻弄されてリグが暴れてしまうと、ショートバイトやフックアウトが増える原因にもなります。
今回の釣行で意識したのは、「テンションを抜く瞬間」でバイトを誘発することです。潮にリグをなじませた状態から、ロッドでゆっくりとサビき、ラインテンションをコントロールします。その操作の中でテンションがふっと抜けた瞬間に、アジが口を使うケースが非常に多く見られました。
ロッドでサビく操作は、単純にリグを動かしてアピールするためだけではありません。もう一つ重要なのは、潮流に対してジグヘッドの針先を常に上向きの姿勢で維持することです。潮に流されるだけではリグは横倒しになりやすく、フッキング率も低下します。しかし、ロッドで適度にラインテンションをコントロールしながらサビくことで、リグの姿勢が安定し、針先が常にアジの上あごを捉えやすい角度を保つことができます。
「流れに乗せる」「テンションを抜いて食わせる」「サビいて姿勢を整える」。この3つを意識するだけでも、磯でのヘビージグ単アジングは釣果が大きく変わってきます。リグをただ流すのではなく、自分の意思でコントロールすることが、良型のアジへ近づくための重要なテクニックです。
激流エリアではリグの安定性が最重要
参考タックル
今回使用したブラックスター エクストラチューンド S77MLX-Sは、磯やラフコンディションといった過酷なフィールドでヘビージグ単を快適に扱うことをテーマに開発を進めてきたモデルです。これまで数回にわたり開発の経過を紹介してきましたが、当初のコンセプトは「ディープエリアで大型アジを確実に獲ること」でした。そのため、ブランクスは可能な限り細身に設計し、軽量化を徹底。7ft7inというレングスを感じさせない操作性を実現することができました。
しかし、実釣テストを重ねるなかで一つの課題が浮かび上がります。それは、魚を沖で掛けることはできても、足元まで寄せた最後の場面でフックアウトが続いたことでした。
そこで今回のプロトでは、可変テーパーをさらにブラッシュアップ。負荷が高まるほどスムーズにベリーが曲がり込み、魚の突っ込みをしなやかに受け止められるよう調整しました。
採用した素材は「トレカ® T1100G」と「トレカ® M46X」。それぞれの特性を生かして設計を見直すことで、高い操作性と復元力を維持しながら、負荷が掛かった瞬間だけしなやかに追従する理想的なブランクスへと仕上げることができました。
今回の庄内浜でのテストでは、その狙いどおり、複雑な潮流の中で掛けた35cmクラスのアジも安心して寄せ切ることができました。前回までの課題だったフックアウトも大幅に改善され、開発の方向性が間違っていなかったことを実釣で証明できたと感じています。
S77MLX-Sは、机上の理論だけで完成したロッドではありません。数え切れないほど現場へ足を運び、失敗と修正を繰り返しながら積み重ねてきた一本です。その積み重ねが、このロッドの最大の魅力だと考えています。
ゼスタ ブラックスター エクストラチューンド S77MLX-S
使用タックル
写真⑫⑬
【ロッド】ゼスタ ブラックスター エクストラチューンド S77MLX-S
【リール】ダイワ ソルティスト月下美人2004 (IOSファクトリーフルチューン)
【ハンドルノブ】IOSファクトリー アクリスタⅡ
【ライン】ヤマトヨテグス ファメル スーパーエステル 0.4号
【リーダー】ヤマトヨテグス フロロリーダーforエステル1.2号
【ジグヘッド】ゼスタ バレットリブヘッド 2g~3.5g
【ワーム】ゼスタ ビロードスター3.25インチ、ケンズクラフト FANG改 3.0インチ
ゼスタとケンズクラフトはイベント限定のコラボカラーも行っている
ゼスタ×KSクラフト コラボアルミメジャーは足場が悪いゴツゴツした磯場でも大活躍!
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