まだまだ狙えるでかアオリ! モンスター攻略に最適な「モンキースティックスペシャル711斬撃」

全国各地で梅雨入りが進み、気温と水温が上昇する6月。アオリイカの産卵シーズンも終盤に入り、秋の新子に期待が膨らむ。その中で、でかイカ狙いに挑んだのは餌木猿フィールドスタッフの谷口大輔さん。今夏発売予定の新作ロッドを手に、愛媛県宇和海エリアへ向かった。


NEWロッド「モンキースティック スペシャル 711斬撃」ででかアオリ狙い
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でかアオリはまだまだ狙える!

 5月初旬、アオリイカの本格的な産卵が始まる頃、谷口さんは宇和海エリアを訪れた。このエリアは黒潮の影響を受けた豊かな漁場を誇り、透明度の高い水質が特徴。狙える魚種も多く、エギングの聖地とされる場所だ。

 今回のポイントは沖に張り出した堤防。一見何の変哲もないが、海中にはシャローとディープが交差する理想的な地形が広がる。しかし、近年は海藻が減少し、産卵で接岸するアオリイカの個体数にも影響が出ているという。

「毎年、春は親イカの産卵シーズンとなります。この宇和海エリアでは、ゴールデンウイーク頃から大型アオリイカが接岸を始めます。今回の5月中旬は、ベストなタイミングですね」と谷口さん。大型のアオリイカのキャッチに期待がかかる。

 しかし、前日から大雨が降り続き、海のコンディションが懸念される中、谷口さんはシャローエリアを重点的にチェック。セットしたエギは、シャロー攻略に特化した餌木猿「Super Shallow」だ。

「Super Shallowは約6.6秒で1メートル沈下するスペックを持ち、じっくりシャローを探るのに最適です。ホンダワラが例年通りあれば理想ですが、今年は少なそうなので、慎重に確認しながら狙います」と谷口さん。

狙う水深、イカの食い気に応じてエギはセレクトしていく。カラーはアングラーからの視認性も考慮したい。


春イカ狙いの肝

 春のアオリイカ攻略は、潮の動きと時間帯が鍵を握る。

「今日は終日曇り予報で、ローライトの状態。春イカは昼間でも狙えますが、ローライトの方が朝マヅメの好機が長く続くんです」と谷口さん。

 また、宇和海エリアの春は潮の干満差が大きいため、潮の動きが活発なタイミングが狙い目。特に動き始めと止まる直前が、イカの回遊が多い時間帯となる。

「今はちょうど満潮いっぱい。この状況を確認しながら探り、本番は下げ潮が効き始めるタイミングですね」と、谷口さんは戦略を立てる。


海の中は春らしく賑やかだが……

 潮が効いていないタイミングでは、しっかりと藻場の有無、潮の効き具合などをチェックする谷口さん。途中ベイトフィッシュが大量に接岸し、青物らしきボイルが始まる。

「せっかくなのでメタルジグ投げてみましょうか?」と青物狙いに興味をしめす谷口さんだが、ここはグッと我慢していただきでかアオリ一本に狙いを定めていただく。

 この青物が賑やかなタイミングではアオリイカは怯えてしまわないのだろうか?

「秋の新子であれば、この青物は最大の天敵となりえます。ここまで青物の活性が高いと秋であれば、まずイカはエギに反応してくれないでしょうね。一方でこの時期の親イカは、まったく動じていないと思います。とくに産卵で接岸する途中の個体はまだ口を使いますし、たとえ青物がいてもエギに対してしっかりと反応してくれます」と話す。

 実際に春のでかイカが30センチほどのボラを抱いたまま足元を回遊するのを目撃したこともあるという。ただし、本格的に産卵行動に移ってしまうとエギには一切の興味をなくしてしまうとのこと。そのことからも産卵中の個体よりも、これから産卵に入るため回遊中の個体のほうが比較的釣りやすいという。

 しかし、青物の活性が高い間、イカからの反応は得られず。谷口さんは「これは回遊待ちですね」とキャストを続ける。

曇天で雰囲気は悪くない。



潮の動きで状況が一変

 やがて青物の時合が終わり、潮が動き始めると状況が好転。

「ベイトが残っているので、でかイカが捕食に回遊してきてもおかしくありません。今度はシャローに隣接したディープエリアを狙いましょう」と谷口さん。

 ここでエギをノーマルタイプの餌木猿11号ホロテープにチェンジ。すると、サイトでキロをゆうに超えるアオリイカを発見。沖目にキャストし、ボトム着底後に大きく3回シャクリ、フォール姿勢中にヒット!

「フォール中にラインがプルンっと走りました!」と、しっかりキャッチに成功した。

春らしい良型をキャッチ。



さらなるサイズアップを目論む

 下げ潮が効き始めると、谷口さんはすぐに良型のオスのアオリイカをキャッチ。引き続きサイズアップを目指し、エギのカラーやアクションを変えながら試行錯誤を重ねる。しかし、潮止まりのタイミングでは反応が得られず、ここでポイント移動を決断。堤防を後にし、ラン&ガンスタイルへと切り替えた。

 翌日はさらに南下し、愛南エリアでの釣りを予定。移動の途中、良さそうなポイントを見つけては竿を振るものの、夕マヅメまで粘るも追加の良型アオリイカは得られなかった。

 この日の夜は、愛南地区の宿で一泊。亭主の美味しい手料理に舌鼓を打ちつつ、現地の釣り情報を交換しながら翌朝のプランを練る谷口さん。潮の動きや天候を考慮し、さらに大型を狙う戦略をじっくりと組み立てる夜となった。

いつ回遊してくるのかわからないのでとにかくキャストをし続けることが大切だ。


翌日は強風で苦戦を強いられることに

 二日目の朝、宿を出ると昨日以上の強風が吹き荒れていた。

「今日狙いたかったポイントは、この風では厳しいですね。風裏を探しながら、ラン&ガンスタイルで良型の追加を狙いましょう」と谷口さん。早速車を走らせ、ポイントを見て回る。しかし、この時期の愛南エリアの堤防は、エギンガーやヤエン釣り師で埋め尽くされ、釣り場の確保が難しい状況だった。さすがエギングの聖地と呼ばれるだけあり、アオリイカを狙う釣り人が多い。

 それでも谷口さんは、豊富な情報網を駆使しながら釣りを開始。途中、赤潮の影響で海面が真っ赤になったポイントや、横風で全く釣りにならない場所など、困難に直面しながらも、一つひとつのエリアを丹念にチェックしていく。

 風裏の磯場に入ると、数匹の大型アオリイカを目視で確認。しかし、ナーバスになっているのか、あるいはすでに産卵モードに入っているのか、エギに対して一切の反応がない。

「この状況だと、産卵のために動かない個体が多いですね」と谷口さん。厳しいコンディションの中、アオリイカとの駆け引きは続く。

初日以上に強風に見舞われ、風裏のポイントを中心にラン&ガンとなったDAY2。




大きくエリアを変えて最後挑む!

 磯場や漁港を転々としながらキャストを続けるも、強風の影響か、すでに産卵モードに入っているのか、アオリイカからの反応はない。ここで谷口さんは大きくエリアを変える決断を下した。

「愛南エリアは釣り人が多く、狙えるポイントも限られてしまいました。ここで一気に高知方面へ移動し、最後は実績場でやり切ります!」と、状況を見極めながら方針を変更する。

 期待を込めてエリアを大きく移動し、実績場でキャストを開始。しかし、ここでも横風が強く、思うように攻められない。潮の流れは悪くないものの、アオリイカの活性が低く、反応を得ることができなかった。

 こうして2日目のラン&ガン釣行は終了。厳しいコンディションの中での粘り強い挑戦だったが、自然の厳しさを痛感する結果となった。しかし、この経験を糧に、次回のさらなるサイズアップへの挑戦が続く——。

最終的には高知方面まで足を伸ばして良型を狙う谷口さん。


愛南エリアのポテンシャル

 釣りを終え、改めて愛南エリアの海を眺めると、その透明度の高さと点在する豊かな漁場が、この地域の魅力を物語っていることを実感する。今回は初日、下げ潮のタイミングを活かして春らしい良型のアオリイカをキャッチすることに成功。しかし、ここ愛南のポテンシャルはまだまだこんなものではないはずだ。

 谷口さんもその思いを抱きながら、次なる挑戦に向けて意気込む。

「近々またリベンジしに愛南エリアへチャレンジしようと思います。まだまだ大型は狙えますし、すぐに新子シーズンへ突入していきます。イカのストック量は圧倒的で、この時期は釣れれば間違いなくビッグサイズ。ぜひ皆さんも足を運んで、強烈なジェット噴射を体感してみてください!」と語る。

 プライベートではすでに数多くの大型アオリイカを仕留めている谷口さんだが、今回の釣行ロケでは新作ロッドの本領を最大限に発揮させる瞬間をカメラに収めたいという強い思いがあった。自然の厳しさと向き合いながらも、その魅力と可能性に挑み続ける谷口さんの姿は、多くのアングラーにとって刺激となるに違いない。

この時期でればでかい!宇和海エリアはエギングの聖地のひとつだ。


谷口さん使用タックル

モンキースティックスペシャル 711斬撃(林釣漁具製作所)

 約8年ぶりになる餌木猿新作ロッド。7フィート11インチと8フィートをわずかに短いレングスは小さな漁港から磯場までエリアを問わずに出番となる。リールをセットしたときの重量バランスにもこわだり、春エギングの回遊待ちのように一日シャクり続けるときでも疲労感を抑え快適な釣りを可能とする。


ブランクには東レの最先端素材「ナノアロイ」を採用。操作性の向上はもちろん振り抜け感も大幅に向上している。



特徴的なカラーリングも711斬撃の特徴のひとつ。「餌木猿をこのロッドで投げてみたい」を満たしてくれる仕上がりです」と谷口さん。


使用タックル

ロッド:モンキースティックスペシャル 711斬撃(林釣漁具製作所)
リール:ステラC3000SDH(シマノ)
ライン:アバニ エギング マックスパワー PE X8 0.6号(バリバス)
リーダー:アバニ エギング プレミアム 2.5号(バリバス)
エギ:餌木猿11号(ホロテープ)(林釣漁具製作所)



オススメエギ

餌木猿

 職人が一つひとつ手作りで制作するエギ「餌木猿」。そのためひとつとして同じアクションをするものがないといわれるほど、予測不可能なイレギュラーアクションを生み出す。昨今では品薄でなかなか手に入れられないとか。ショップで見つけたら即バイトをオススメする。


Super Shallow

ゆっくり沈んでじっくりと誘えるのがこのSuper Shallowの真骨頂。1メートルの沈降スピードは約6.6秒。じっくりネチネチと誘いたいときにはこのスーパースローフォールの独壇場となる。




餌木猿 イカシメピック

MONKEY WORKER

 でかイカの分厚い身に対しても確実に刺さる太軸の肉厚刃を採用したイカシメピック。水抜き穴やエギのカンナ直しも装備しておりエギング釣行にはなくてなならないアイテム。収納時は11.5センチとコンパクトになるため邪魔にならないのもうれしい。

profile

谷口大輔(たにぐち・だいすけ)

ホームグラウンドは四国全域。シーズンを通して良型を追い求めるストイック派。餌木猿フィールドスタッフ。