メインターゲットをロックフィッシュに据え、よりライトなリグで繊細に狙うことを可能とした寧音シリーズ。ミディアムライトからハードクラスまでを網羅し、魚を掛けてからも主導権を渡さない確かなフィーリングが特徴である。そのラインナップに、今回はさらにライト志向のUL(ウルトラライト)クラスのモデルが2機種加わった。アジやメバルをベイトフィネスで楽しめるモデルとして、より幅広いライトゲームスタイルに対応する。
日中に藻のなかからひきずり出した良型メバル。
日中の強い釣りを得意とする寧音B62 ‐solidでキャッチ。
寧音の新機種2本を使ってメバル攻略!
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アジング・メバリングの新たな可能性をもたらす寧音のULシリーズ!
繊細なアプローチを駆使し、ターゲットに口を使わせる……。この永遠のテーマのもと、アジとメバルはライトゲームの中でも圧倒的な人気を誇っている。これまで、アジ・メバルの攻略には超軽量スピニングロッドと1000~2000番クラスのスピニングリールを用いたスタイルが主流であった。地域差こそあるものの、ジグヘッド単体リグにワームをセットするのがもっとも手堅い方法とされ、繊細かつダイレクトにターゲットを狙う。
しかし、ライトゲームのターゲットであるアジやメバルは、近年ますますスレてきている傾向にある。ほんの少しの違和感が釣果に直結する場面も多く、より軽く、より細くが基本となってきた。一方、根魚としての性質を持つメバルは、日中は藻場や障害物に身を潜める傾向があり、その攻略には繊細すぎるタックルでは力不足となるケースも少なくない。
そこで今回、ロックフィッシュ向けに開発された寧音シリーズから、よりライトなリグと対象魚に照準を合わせたUL(ウルトラライト)クラスのロッドが新登場となった。
実はこの寧音ULモデル誕生のきっかけは、藤原真一郎氏が過去にスピニングロッド「宵姫」にベイトリールを装着し、自らライトゲームを楽しんでいたというユニークな経験に端を発する。
「かなり昔の話になりますが、当時スピニングロッドにベイトリールをセットして釣りを楽しんでいました。周囲からは変わったことをしていると言われましたが(笑)、実はそれが今回の寧音UL開発のオリジナルとなったのです」と藤原氏は振り返る。
実際、撮影現場でも当時からこの“変人タックル”でカサゴを狙っていた。「やはり真ちゃんだな」と思わせる印象的なエピソードである。
メバルをベイトフィネスで狙っていく。
宵姫AJカスタム TGラウンドをがっつり咥えたメバル。
寧音のULシリーズとは
さて今回の撮影の地に藤原さんが持ち込んだタックルは2本。前述した寧音に新しく加わることになるULロッドだ。
「6フィート2インチと6フィート9インチが今回新たに追加となるULクラスのレングスです。もちろんそれぞれに異なる特徴があります。あとでそれぞれの使い方&使い分けをご紹介しますね」と話す藤原さん。 今までの寧音はロックフィッシュをターゲットにしていたはずなのに、ここにきてなぜアジやメバルをメインに狙えるULクラスが登場することになったのだろうか。
「前述にもあるように、日中のメバルなどな藻の中に潜んでいることが多くなります。この子たちをライトタックルで狙っていくわけですが、どうしても細糸を使うことがマストとなる宵姫では、藻の際、さらには中にまでリグを送り届けるのは相当の勇気がいります。一瞬で根掛かりますし、うまく喰わせられてもそこからのやり取りでは根ズレなどの心配もしなくてはなりませんよね。それなら寧音でこの根に着いたメバルを狙えればいいよね。ということで今回ご用意させていただきました」と藤原さん。
宵姫に待望のULクラスが追加となった。
2タイプのULクラスの使い分け
6フィート2インチと6フィート9インチという2本のULロッドを、藤原真一郎氏はどのように使い分けているのか。
「まず、6フィート2インチのB62UL-solidは、ショートレングス特有の張りとシャープさがあり、細かな操作やレスポンスの速い釣りに適しています。リアクションにしか反応しない日中のターゲットに対して、ダートアクションやシェイクなど、小さいながら鋭い誘いを繰り出せるのが特徴です。いわば、アングラー自ら仕掛けていく攻めの釣りで真価を発揮するロッドといえます。使用するリグも幅広く、1グラム未満から1.5〜2グラムのダート系ジグヘッド、さらにはプラグまで対応可能です」と藤原氏は語る。
一方、同じULクラスのB69UL-solidは、やや長めの設計であるがゆえに、よりしなやかに仕上げられたティップが印象的だ。
「昨今のライトゲームロッドの傾向としては、6フィート9インチはやや長尺といえますが、その分ティップのしなやかさが際立っています。これによりリグの荷重変化を明確に捉えられ、テンションをかけたり抜いたりといった繊細なドリフト操作を得意とします。極小バイトや居食いのような微細なアタリも明確に感じ取れるアクションに仕上がっており、スローな展開での釣りにおいて高いパフォーマンスを発揮します」と藤原氏は続けた。
デイ&夕マヅメはB62UL‐solidで根まわりを積極的に攻略
日中、今回のULとは別に新たに寧音シリーズに追加となるH(ヘビィー)クラスのB77H—solidで、ロックフィッシュを狙ってみるも、ここでは不発。気を取り直して夕マヅメからナイトにかけてメバル狙いへとシフトする藤原さん。
まず夕マヅメに入ったのは比較的大きめな漁港の最奥部。このポイントには全体的に藻があり、いかにも夕マヅメはメバルが藻のなかに潜んでいそうである。 手にしたタックルは寧音B62UL‐solid。これに1.8グラムの宵姫AJカスタムをセットして、藻の奥深くにまでリグを送り込んでいく。AJカスタムにセットするワームは同じく宵姫のエクボだ。
途中、何度かリグが藻にスタックするが、ベイトリールにはPEの0.5号が巻いてある。そのまま強引にやり取りして藻からリグを引き剥がしていく。まさに太糸が巻けるベイトタックルの強みをいかした攻撃的な攻略ができている証だ。とにかくリグをメバルが潜む藻のなかに送り込むことが、この日中~夕マヅメの釣りには求められる。
いくつかのポイントを見てまわり、堤防の先端にまで移動してきた藤原さん。藻の中から周りまで執拗に狙っていきつつ、藻からリグが出たところでリグを送りこむ。そして……「ちょんちょんってダートアクションを入れた矢先『コンッ』っていう明確なバイトが出ました!」と藤原さん。しかも釣れあがったのは、なかなかの良型メバルであった。会心の1尾を早々に手中に収めた藤原さん。引き続き堤防の先端では、さきほどより小ぶりではあるが、同じようにちょんちょんっとアクションしたあとのフォールでヒット! 見事に夕マヅメに速攻メバルのキャッチに成功した。
夕マヅメ、メバルが動き出すタイミングを逃さずに攻略したい。
ナイトはB69UL‐solidでドリフトの釣りを実践!
夕マヅメに効率よくメバルをキャッチした藤原真一郎氏は、夜間の釣りに備えて再び最初の漁港・最奥部へと足を運ぶ。常夜灯が点灯しはじめる時間帯は、まだ夕マヅメの釣り方が有効であり、上層レンジよりも藻場を狙ったアプローチが功を奏するケースが多い。ただし、暗がりの中で目視によるリグ操作が難しくなるため、難易度は上がる傾向にある。
そんな中、カメラ機材のバッテリー交換をしていたタイミングで、「ヒット!」という藤原氏の声が響く。ナイトゲーム初手から見事なヒットを決めた。
「常夜灯が効きはじめると、いよいよメバルが浮いてくるタイミングに入ります。風のない穏やかなコンディションなら理想的ですが、横風が出るときには69というレングスの利点を存分に発揮できると思います」と語る藤原氏。
この場面で選んだのは、1.5グラムの宵姫AJカスタムTGラウンドに、夕マヅメと同様、宵姫エクボを組み合わせたリグ。それを常夜灯により生じた明暗の“暗”側にキャストし、表層直下をB69UL-solidで流すように巻いてくると、暗から明へ抜けた瞬間にバイト。まさに狙い通りの一尾であった。
その後、雰囲気を変えるべくポイントを移動。次に訪れたのは、うっすらと常夜灯の効果はあるが、ほぼ闇場といえる環境。ここでもB69UL-solidのしなやかなティップを活かした繊細な操作で、良型と小型の2尾を連続でキャッチし、今回の実釣を理想的な形で締めくくった。
「今回は夕マヅメから夜にかけて、新たにリリースされる寧音ULシリーズの2機種でメバルを狙いました。日中〜夕マヅメでは、キビキビとした誘いが得意なB62UL-solidを使用し、夜の常夜灯まわりでは、しなやかな誘いを可能にするB69UL-solidが活躍しました。ベイトフィネスタックルならではの障害物周りへの果敢な攻め、そして掛けてからのアングラー主導のやり取りまで、すべてを網羅できるロッドに仕上がっています。ぜひ、この寧音ULシリーズで、ベイトフィネスのライトゲームの魅力を体感してください」
そう締めくくると、藤原氏はさらなるポイントを求めて、夜の港へと静かに歩を進めた。
ナイトはスローな釣りが基本となる。
寧音にULクラスが2本追加!
寧音B62 UL‐solid & 寧音B69UL‐solid
ライトリグを用いた釣りで、果敢に大型のロックフィッシュに挑むことをコンセプトに開発されたラグゼ寧音シリーズ。これまでさまざまなターゲットを相手に実績を積み上げてきたが、このたびよりライトにアジやメバルをベイトフィネスで楽しめるULクラスが2本追加となる。
日中リアクションで誘うことを得意とするB62UL‐solid、長さを活かしたしなやかな釣りを得意とするB69UL‐solidの2アイテムだ。
今までスピニングタックルでは攻めきれなかった障害物周りでも臆することなくリグを送り届けることが可能となった。
寧音B62UL- solid(写真右)と寧音B69UL-solid(写真左)。
宵姫AJカスタム(がまかつ)
特徴的なショーとシャンクはセットしたワームの動きを阻害せずナチュラルなアクションを実現。フック素材は刺さりのよさと防錆を両立する「ナノアルファ」コーティングを施している。
寧音ULクラスの2機種はアンダー1グラムでも楽にキャストできる。
セットするワームは宵姫エクボ(がまかつ)。
profile
藤原真一郎(ふじわら・しんいちろう)
ソルトライトゲームを中心に、平日はホーム、週末は遠征というフィッシングスタイルを送っている。アジメバルはもちろん、近年はロックフィッシュを深堀り中。
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