ガッチガチの離島遠征ではなくとも、ほんの少しの船旅で訪れることができる離島がある。意外と見落とされがちなのか、本土からの距離が近くても、雰囲気はガラリと変わることもある。メバルを求めて訪れたのは、本土からの距離がたった2キロの正真正銘のプチ離島だった。
プチ離島でメバル爆釣! 動画はこちら⇓
盲点になりがちな「プチ離島」のススメ!
メバルゲームの醍醐味として、誰にも攻められていない、あるいはプレッシャーの低い穴場を探し出す、そんな探検要素が強い点が挙げられます。
今回は特集「超スゴイ穴場」をテーマにメバルゲームにフォーカスして「プチ離島」での釣りをご紹介したいと思います。これまで全国さまざまなフィールドで釣りを楽しませてもらっていますが、国内でメバルの穴場というとやはり離島が挙げられます。フィールドとして選んだのは愛媛県松山市の沖に位置する興居島という離島です。
興居島は松山市高浜町の港からフェリーでアクセスすることができますが、本土から近くアクセスがいいのも特徴で、いわば「プチ離島」と言えるでしょう。さらに車をフェリーに乗せることが可能で、乗船時間が短く料金も安価であるため、島内ではマイカー移動が可能です。
本土からわずか2キロほど沖に位置する島ではありますが、フィッシングプレッシャーが低いため島一周にわたってメバルゲームを楽しめるフィールドが広がっています。足場のいい堤防や敷石、磯場など好みのフィールドでメバルの数釣りを楽しめます。興居島でメバルプラッギングで実釣を楽しんでみることにしました。
本土からわずか2キロ、10〜15分の船旅で訪れることができる有人離島、興居島。普段の釣りとも、本気の遠征とも違う、絶妙な距離感。多くのアングラーが見落としがちなため、穴場になりやすいんです。
地形変化や海藻の有無は必ずチェック!
メバルは海藻帯やカケアガリ、瀬の際などに着いており、夜間になると浮上してエサを捕食する習性を持っています。そのため、地形変化や海藻の有無は入念にチェックするといいでしょう。
メバルは甲殻類や魚類などさまざまなベイトを捕食しますが、そのフィールドにどのようなベイトが存在しているかでヒットカラーやパターンが異なります。特に梅雨時期は甲殻類もさることながらシラスなどの魚類も多く接岸するシーズンとなります。ベイトの種類はできるだけ細かく把握するといいでしょう。
明るい時間に島に到着した我々は、まず島全体の雰囲気やフィールドのコンディションをチェックします。島で働く漁師さんたちも気さくに話しかけてくれる方が多く、釣り人にとっても非常に有益な情報を教えてくださり、島の暖かさを感じました。このように離島は個人プレーというより地元の方とのコミュニケーションにより、いい情報を聞くこともできる可能性があります。このようなことからも、住民の方々の迷惑となる場所への駐車や仕事の邪魔になりそうな場所での釣りを控えることも離島釣行における重要なポイントです。
できれば日中にポイントの目星をつけ、障害物などの確認をしておきましょう。このように藻場があるところは激アツポイントになりやすいのです。
干満差でポイントは刻々と変化する
この興居島は瀬戸内海に浮かぶ島です。瀬戸内海は潮位差が大きく、干潮時に完全に干上がって乾いていた箇所が満潮時に好ポイントに変化するということも多くあります。今回私が釣行したタイミングは大潮回りだったため潮位変動が最も大きいタイミングで島に訪れました。この潮位の大きな変動により、ポイントが時間によって変化するため、島中をラン&ガンしてプラッキングに適した水位となったポイントを狙う作戦でメバルを狙うことにしました。
実釣当日は海藻の有無はもちろん、地形変化や水色の変化、さらに釣りのメインが夜間となるため常夜灯の有無を確認しつつ島ののんびりとした雰囲気を楽しみながら島内をドライブして夜を待ちました。
日が暮れ、いよいよメバルタイムに突入します。まずは回遊個体のいわゆるブルーバックのメバルを狙うためアピタイト60Sを使って広範囲を探ります。ブルーバックは潮の流れが変化してヨレているエリアに回遊し、ベイトを捕食する習性があるため、オープンエリアで回遊を待ちます。流れがぶつかり潮目になっている箇所をラン&ガンしていると、狙い通りゴンッと気持ちよくロッドが曲がります。上がって来たのは20センチクラスのブルーバック。
その後、さらにサイズアップを狙うため各所ラン&ガンをしますが、ミスバイトが多いためアピタイト45Sにサイズダウンして様子を見ます。すると居着きの15センチほどの小型のメバルがコンスタントに釣れ続きました。
干潮時に調査。満潮時にメバルの着き場となりそうな海藻がびっしり生えているポイントを見つけました。
潮変わりにチャンス到来
下げ潮になり潮位が下がってきたため、水深のあるポイントへ再び移動します。瀬戸内海に位置する興居島、急激に潮位が下がり始めるためオープンエリアでは潮目が形成され隠れ根が水面に顔を出し始めてきました。すぐにキャストせずに様子を伺っていると隠れ根周辺で小さなライズが確認できます。すかさずアピタイト45Sを投げ入れると、巻き始めと同時にヒット! 重厚感のある引きを見せ上がってきたのは25センチを超える良型! 潮位変化によるわずかなチャンスをモノにした、狙い通りの一本はうれしいものです。
さらに水深のあるエリアへ移動し、ストラクチャーの影や明暗の境で同サイズを数釣ることに成功します。ジグ単では先に小型がヒットしてしまう状況の中、アピタイトを引くストロングな釣りでグッドサイズを引き出せるのはプラッギングの魅力のひとつでもあります。久々のメバルプラッキングに大満足で島を後にしたのでした。
日もすっかりと沈み、潮変わりのタイミングで出たブルーバック。ヒットルアーはアピタイト60S。
ボトムや障害物をプラグで攻める機構
アピタイトは45ミリサイズの45Sと60ミリサイズの60Sの2サイズ展開のライトゲーム用のシンキングペンシル。自重は45Sが3.7グラム、60Sが6.5グラムあり、飛距離を出しやすく、港湾エリアから磯などのオープンエリアまで対応でき、メバルの大小関わらず狙えるサイズ展開です。
アクションはロール混じりのウォブリングで、細かな平打ちフォールをします。シンキングペンシルの王道アクションを発生させるため、特別なアクションを加えずともタダ巻きで十分に魚からのバイトを得ることができます。
特筆すべきは根掛かり回避システムのピボットチェンジャー(PAT.)です。硬いストラクチャーにプラグがスタックしても軽くシェイクするとリアのワイヤーに接続されたフロントアイが外れ、力の掛かる支点が変化することで簡単にスタックから解放することができます。これにより普通のプラグでは攻めるのを躊躇してしまう岩場周りでも果敢に攻めることができ、障害物にタイトに着いたメバルを狙って釣ることが可能となります。ボトム周辺をトレースできるため、さまざまなレンジを攻めることができる新タイプのシンキングペンシルです。
アピタイトはシンキングペンシルであるためメバルを狙う上での出しどころとしてはシャローエリアがメインフィールドとなります。その中でも細かくレンジをカウントしてトレースでき、仮に根掛かりしても外れやすいので積極的に攻めることができます。ただし、海藻などの柔らかい箇所に針掛かりしてしまうと解放することが難しい点には注意してください。
アピタイトは45ミリの45Sと60ミリの60Sの2タイプをラインナップ。魚の食い気に応じて使い分けましょう。
ルアーの「潮なじみ」をよくするためにはライン選びも重要
メバルゲームにおいて重要と考えているのが、ルアーの潮なじみです。PEライン全盛の時代ですが、PEラインは浮力があり、リーダーをセットしていても巻くとルアーは潮の流れに反発し上昇しながら泳ぎます。PEラインより比重が高いナイロンラインに変えると潮によくなじみ、ルアーがより自然に泳ぎます。プレッシャーがかかっているエリアや数尾釣ってメバルがスレ傾向にある状況のときに威力を発揮するため、PEラインだけでなくナイロンラインを巻いたスプールなども持参することをおすすめします。
プラッギングでメバルを狙うときは基本メインラインはPEですが、ナイロンラインの水馴染のよさを利用した釣りもおすすめです。
メバルがどこに潜んでいるかを考える
ナイトゲームが中心のメバルですが、日中にできることはたくさんあります。ひとつは地形の観察です。海藻が生えていたり、岩があったり、メバルが着いているイメージをもって釣りに望むことで、1尾との距離は確実に縮まります。
また、これからの梅雨時というシーズナルでいうと、シラスなどのベイトフィッシュを捕食していることも多いため、どんな魚種が、どれくらい接岸しているのかに注目して観察しましょう。
気軽に訪れることができる興居島ですが、規模はそれなりに大きく攻略しがいがあります。
でかメバルを狙うならコレ!
釣れているメバルのサイズを上げるには、少しでもプレッシャーの低い場所を選ぶことが重要です。メバルは暗闇でもしっかりと視力を生かしてベイトを捕食するので常夜灯などの明りがなくても潜んでいることが多いです。
そして、大きめのルアーを選択することも重要です。アピタイトなら45Sから60Sにサイズアップし、ルアーのシルエットをしっかりと出して一発で食わせる意識を持ってアプローチします。ただし、ミスバイトすると以降はなかなか口を使わなくなるケースが多いです。
強烈な引きを楽しめるブルーバック。25センチにもなれば、その引きは強烈の一言!
ストロングパターンのイメージがあるプラッギングですが、状況に応じてアピール力を調整する必要があります。写真の25センチのメバルは、アピタイト45Sにルアーサイズをダウンすることで魚自体のサイズアップに成功しました。
ガイドしてくれたゼスタフィールドスタッフの堀江氏もアピタイトでメバルをキャッチ。
タックルセッティングのアドバイス
ロッドはややハリのあるチューブラーブランクスを使用しています。プラグのキャストのしやすさと25センチを超えるサイズのメバルは想像以上に引くことを考え、トルクのあるブランクスを使用するといいでしょう。
リールはハイギアで巻き感度を重視したセッティングが有利となります。サイズは2000番サイズ、サーフや磯などのオープンエリアでは2500番サイズを推奨します。
ゼスタ ブラックスターエクストラチューンドS74MX-T
全体に張りをもたせたブランクスは、良型メバルの強烈な引きも余裕でいなせるパワーを持ち合わせています。それでいてジグヘッド単体での繊細なアクションも、アングラーの思い通りにルアーへと伝達させてくれます。
「スーパーマルチフリクション」。状況を選ばずにマルチに使えるモデル。
魚が掛かるとティップ側がしなやかに追従し、魚をいなしてくれます。大型が掛かってもバットがしっかりとしているので、アングラー主導でやり取り可能です。
【参考タックル】
〈ロッド〉ゼスタ ブラックスターエクストラチューンドS74MX-T
〈リール〉ダイワ イグジストFC LT2000H
〈ライン〉PE0.4号、またはナイロン2.5号(直結)
〈リーダー〉フロロ1.7号から2号
〈ルアー〉ゼスタ アピタイト45S、60S
ゼスタ アピタイト45S、60S
独自の根掛かり回避システム「ピボットチェンジャー(PAT.)」により、岩礁エリアなどでの根掛かりを恐れずに攻略できます。
45S、60Sともに小粒な割に自重があって飛距離を出しやすく、港湾から磯までシチュエーションを選ばずにメバルを狙えます。
アクションはシンペンとして王道のロール混じりのウォブリング。タダ巻きだけで十分にバイトを獲ることができます。ぜひ使ってみてください。
ゼスタ アピタイト45S
【SPEC】
全長:60ミリ/ウエイト:6.5グラム/タイプ:シンキング/カラー:全12色
ピボットチェンジャー(PAT.)
根掛かりしかけたら軽くロッドをあおることでロックが外れ、支点が変わることでこれを回避する仕組み。大型の魚を掛けた際にもこの機構が働き、バラしづらくなります。
Profile
奥津 剛(おくつ・たけし)
大学院で研究していたプランクトン、海洋学の知識を活かしたリアルなタックル開発を目指す。ブラックスターシリーズの生みの親でもある。
instagram @okutsu_xesta_fishing
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