大阪市内からわずか1時間、大阪湾南部の和歌山県に近いエリアに位置する小島養漁場は知る人ぞ知るルアーもできる海洋釣り堀だ。ジャッカルフィールドスタッフの金井光輝さんは小島養漁場に通い込むアングラーのひとり。その魅力は豊富な魚種。入江を金網で仕切っているだけの自然に近い環境のため、放流魚種以外にも多彩なターゲットを狙うことができるのだ。
関西に管理された釣り堀がある! それが小島養魚場だ。
大阪市内から1時間弱 アクセス良好な海洋釣り堀
僕もよく利用させていただく小島養漁場さんですがなんと! 養漁場なのにナイター限定でルアー釣りができるのが最大の魅力です! トラウトが放流されている時期はデイもできます。
僕が小島養漁場に通う第一の理由は、ホームである南港に比べて水温が高いことです。冬場の水温が南港に比べて2度から3度ほど高く、南港では真冬で水温が10度を切ってしまい何も釣れなくなりますが、小島養漁場さんは大阪の最南端、和歌山寄りに位置するため少し水温が高く、アジ、メバルが真冬でも狙えます(和歌山に近づくほど水温は徐々に高くなります)。
また、大阪ではいちばんと言ってもいいほど、さまざまな魚種が狙えます。ライトゲームで言うと大阪ではシロメバルというメバルが一般的ですが小島養漁場では、このシロメバルはもちろん、アカメバルにクロメバル(ブルーバック)まで狙えます。これらのメバルはそれぞれ習性が異なるため、メバルの釣りわけができるのも魅力的ですね。
大阪市内の都市部で釣りをするのと小島養漁場さんで釣りするのとでは、また違ったのんびりした景色で釣りができるのも大きな魅力のひとつといえます。
さらに、バイパスが通っているため大阪市内から1時間ほどとアクセスもよく通いやすいのもおすすめする理由のひとつです。
通常の海洋釣り堀と少し異なるのは、その名称の通りイケスがあり養殖も行っていること。放流魚種以外にも、養殖のエサにつられて多数の魚種が入っている。
ライトゲームロッド1本でかなり楽しめる
さて、これからの小島養漁場で何を狙えるのかというところですが、水温の上昇にともなってベイトが増え、シーバス、メバル、そして青物など多彩な魚種を狙えるようになります。タイミングによってはマダイやヒラメまで釣れることがあり、魚種も豊富です。
この時期にもなるとベイトとなるアジもイワシもサバもたっぷりいると思うのでライトゲームのロッドを1本持っていくと飽きることなく釣りができます。楽しすぎてそちらが本命になることも。
アオリイカも多く夕マヅメにエギングしている方もよく見かけます! 足元を見ると2キロくらいのアオリイカもたまに見かけるので狙ってみるのも面白いかもしれません。
メバルは梅雨時が近づくとシーズン最盛期を迎え、一面ライズ状態になることもあります。活性が高いため、プラッギングで最も狙えるシーズンです。エキサイティングなゲームを楽しみたいという方はぜひチャレンジしてみてください!
釣りに対してストイックな方は、雨の日に行ってみると活性が爆上がりで、雨を降っていることを忘れるような釣れ方を楽しむことができます。釣り場から駐車場が近いため、体が冷えたらすぐに車にも戻ることもでき、安心です。
春から初夏にかけては狙える魚種が増えてきっと楽しい釣りができます。小島養漁場のベストシーズンと言えるでしょう。
さまざまな魚種が狙え、さらには時期になるとアオリイカもエギで狙える。まさに穴場中の穴場!?
アミをイメージした超マイクロベイトパターン
訪れたのは4月上旬。ライトゲームを楽しんだのですが、なかなかの爆風でかなり釣りづらい状況でした。
釣り場内向きではアジがたくさん群れており、活性も悪くはなかったのですが、小島養漁場さんのアジは基本的にサビキのアミエビやコマセを食べているため、キビキビした動きをするジグヘッドだと中々口を使ってくれません。そのため、0.4グラム程度の軽いジグヘッドで表層をフワフワと漂わせる釣りが有効です。
試しに1.0グラムのジグヘッドをキャストしてみると、無視どころか見切ってしまい、1尾が逃げると群れが一斉に逃げていってしまいます。
アジは完全にプランクトンに依存しているため、こういう状況ではアミアミマイクロが大活躍します。ネーミングの通り、アミパターンで中々釣れない時にまず投げてみて欲しいルアーです。アミアミマイクロはおよそ25ミリしかないため、目に見えないエサを捕食してるアジにはもってこいです。
通常、1インチ以下のワームは手元に引き抵抗が伝わりづらく、アングラー側としては何をしているのかを把握しづらいのですが、アミアミシリーズはボディに深く刻まれたリブにより、強い波動によるアピール力と適度な引き抵抗を生み出します。1インチ以下のワームをビギナーの方でもイージーに扱うことが可能です。
今回はマメアジヘッドの0.4グラムにアミアミマイクロでゆっくり表層をリトリーブしていると小アジがガンガンバイトして来て釣ることができました。
また、魚を釣ってからは人慣れをしているサギが近くをうろうろしてアジを狙っているので注意が必要です(実際にアジを横取りされている方もいました)。
小島養漁場のおすすめルアー
この小島養漁場さんでライトゲームをする際のおすすめのルアーなのですが、アジ狙いであればペケリング2.5インチ、アミアミ1.5です。合わせるジグヘッドは0.4グラムから0.6グラム、もしくは1.5グラムから2グラム程度となります。
なぜジグヘッドを大まかに2パターンのウエイトに分けたのかといえば、まず、今回のようにプランクトンをメインに捕食しているアジには軽いジグヘッド(約0.4グラム)で表層をゆっくり漂わせる必要があります。大体このパターンで釣れるのは小アジが多いのですが20センチからのサイズはボトムに回遊してくることが多く、ボトムまで到着が速く、流れが速くなることがある小島養漁場さんでも流されづらい2グラム前後のジグヘッドでボトムスレスレを狙うといいサイズのアジが狙えます。
20センチを超えてくるようなアジはペケリング2.5インチでもガッツリ吸い込んできますし、回遊時間の短い良型のアジに気づかれやすくなります。ペケリングのペケの名前の通りで×状の断面を持った極薄のペケテールになっており、水をしっかりつかみながらもバイト時は極薄テールが折れ曲がりアジの吸いこみを妨げません。
さらに、ボディにリング状のリブを採用したことで、実寸サイズ以上の波動でアピールします。そのアピール力の高さを活かして、パイロットルアーとしての使用にも最適です。
カラーはボトム狙いなら鬼グローや鬼パールなどの目立つカラー、表層狙いならクリアレッドフレークやノレソレネオンなどのクリアカラーがおすすめです。
以上がアジのおすすめルアーですが、メバルは上記でお話しした通りに種類によって習性が異なるため狙い方も違ってきます。
メバルのパターンは魚種によって異なる
メバルと言えば真っ先に思い浮かべるのがシロメバルですが、基本表層に浮いてることが多く明暗の暗い側でエサを待っています。ストラクチャーに着いている魚なのでテトラ際や橋脚などを軽いジグヘッドで表層を巻いてくると釣れることが多いです。また梅雨シーズンになるとプラグにもよく反応してきます。
アカメバルはシロメバルとは違った習性でボトムベタベタで釣れる傾向があります。ボトムには藻があったり浅い岩礁帯を好みます。甲殻類を主に捕食しています。
狙い方は少し重ための1グラムから2グラムほどのジグヘッドでワームは2インチ程でボトムをリフトアンドフォールしているとよく釣れます。そのため、ボトムでアジを狙っていて、アミアミやペケリングをつけている時によく釣れます。少しボトム狙いのアジに比べて小さめのワームをつけている時によく釣れます。
最後にクロメバル(ブルーバック)です。回遊性のメバルで体全体が白っぽく、外洋の表層を泳ぐため、背中がサバのように青くなっています。小魚をバシャバシャと追い回し、性格が乱暴なので、このメバルが回遊してくると地付きのシロメバルもアカメバルも底に隠れてしまって姿を見せません。昼間は海藻などに隠れていますが夕マヅメの薄暗い時間帯になると堤防まで回遊してきます。
小魚を追ってライズをよくしているためプラグでの反応もすごくいいです。釣れるのはほとんど表層で0.8グラム前後のジグヘッドにアピール力の強いペケリング2インチの組み合わせか、アビーミノーなどがおすすめです。
〒599-0314 大阪府泉南郡岬町多奈川小島815
営業時間 6:00〜17:00
※金土日、祝前日、祝日はナイター営業あり(18:00〜22:00)
いつでも、必ず、魚がいるのが海洋釣り堀
自然の釣り場とは異なり、常に釣り堀や養殖のエサが撒かれているため、魚は必ずいるのが釣り堀のいいところです。
水温が上昇する初夏にかけてはベイトが増え、メバルやアジはもちろん、シーバス、青物、マダイなど、本当に多彩な魚種を釣ることができます。
自然の釣り場に比べると安全が確保されているため、あえて雨の日など荒れた天候の日に釣行してみると、魚が高活性でいい釣りができる可能性があります。
アジ
シーバス
メバル
アミアミマイクロで簡単アミパターン
主なターゲットはアジ、メバルです。今年は水温もまだ低く、シラスなどのマイクロベイトも少ないため、アミなどプランクトンがメインベイトになります。攻略のキモは軽いジグヘッドにアミアミマイクロの表層フワフワ巻きです。難しいアミパターンですがアミアミマイクロがあれば攻略が楽になります。
アミアミマイクロは25ミリしかないためフックが小さいアジマメマイクロヘッドがマッチします。超極細0.4ミリの線材を採用した専用フックで、鋭角ゲイプ形状でワームがズレにくく、吸い込むだけのバイトでもフッキングに持ち込む刺さりのよさは秀逸です。さらにアイを大きく設計していることで光量の少ない時間帯でも結びやすく、食いの立っているタイミングでのチャンスロスを軽減します。
この時期のプランクトンパターンをアジマメマイクロジグヘッドとアミアミマイクロの最強組み合わせでぜひ狙ってみてください!
今回の当たりリグ。右からアミアミ マイクロ、アジマメマイクロジグヘッド、LGヘッド タイプSWIM。
アジマメマイクロ ジグヘッドにセットしたアミアミマイクロ。
タックルセッティングのアドバイス
今回はアミパターンの表層狙いの予定でした。リールはC2000番、ラインはPEの0.4号にリーダーは4ポンド。表層狙いの釣りなら水より浮力の高いPEラインがおすすめです。
反対にボトムの良型アジやアカメバルを狙う際にはエステルラインにすると風がある時でも釣りがしやすいです。0.3号から0.5号ほどがおすすめです。不意な大物も掛かってくることがあるのでドラグセッティングは弱めにするといいですね!
ロッドはストラクチャー撃ちでメバルを狙うならBRS-S64UL-LGがおすすめです。橋脚の隙間を撃って回るので短いロッドが吉です。
また、ボトム狙いのアジやメバルは外向きで投げることが多くBRS-S68UL+LGがおすすめです。64ULと比べて長く遠投が効くのも大きいです。
どちらもアジ、メバルともに汎用性が高いロッドとなりますので、初心者さんにも扱いやすく、「どちらも狙っていきたい!」という欲張りさんにはおすすめの1本となります。
BRS-S64UL-LG(ジャッカル)
汎用性があり、何が釣れるかわからないといった釣り場で重宝する。
参考タックル
〈ロッド〉ジャッカル BRS-S68UL+LG
〈リール〉シマノ ソアレXR C2000PG
〈ライン〉PE0.4号
〈リーダー〉シーガー プレミアムマックス ショックリーダー 5ポンド
常夜灯の明かりが落ちる足元が有望
取材当日は暴風で遠投することは厳しかったため、足元周辺の魚を狙っていくことにしました。
小島養漁場の外向きにはいくつかの常夜灯があり、足元の水面を強く照らします。遠くに投げなくても足元に魚がいることも多いです。夕マヅメは内向きにアジの群れがいたので内向きでしましたが日が完全に落ちてからは外向きの常夜灯周りで釣りをしました。普段ならこの常夜灯を上から覗くとよくメバルやアジが見えます。しかし、アジとメバルの相性が悪いのか同時に表層を浮いているのを見たことはほどんどなく、アジが浮いている時はメバルのレンジが下がります。そのため、アジが浮いている時は少しレンジを下げることでメバルを狙うことが可能です。
しかし今回は両方浮いておらず、ボトム狙いに徹することになりました。ボトム狙いならLGヘッドタイプスイムの2グラムにペケリングの2インチから2.5インチがおすすめです。
常夜灯の他にはテトラポット、橋脚など小島養漁場さんにはストラクチャーがたくさんあるのでストラクチャーを撃って回れるのもおもしろいです。
常夜灯が複数あるため、その明暗の堺には魚が着きやすくなる。
メバル3魚種を同じ日にすべて釣ったことも
小島養漁場ではシロメバル、アカメバル、クロメバルのすべてを狙うことができます。ストラクチャーに着き表層付近の明暗でエサを待っていることが多いシロメバル、ボトムベタベタで甲殻類を主に捕食するアカメバル、回遊傾向が強く、小魚を追い回すクロメバルという大まかな習性を押さえておけば、一日で3魚種を制覇することも不可能ではありません。
幅広い状況(エサ、レンジ、ポイント)に対応できるよう、ルアーのバリエーションは豊富に持っていったほうがいいでしょう。
メバルはアカ、シロ、クロが勢揃いする。釣り分けを試してみるのもおもしろい。
Profile
金井光輝(かない・こうき)
大阪湾の青物にこだわって年間300日を超えるペースで釣行する次世代アングラー。普段は青物メインだが、小島養魚場ではアジやメバルなどのライトゲームも楽しんでいる。
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