今回奥津さんがやってきたのは四国・高知県。初場所である高知のアジを奥津さんはどう攻略するのか。初場所攻略の狙いドコロやポイント選びを解説していただきます。
青物のイメージが強いけれど、アジもしっかりと釣れてくれました。
アジ探しの重要要素は主に4つ
アジの生息域はかなり広く北は北海道の一部から南は鹿児島まで生息していますが、どこでも釣れるわけではありません。私たち陸っぱりアジンガーはアジが回遊するポイントに的を絞り釣りしています。船とは異なり魚探やソナーもなく、アジの群れとともに移動することもほぼ不可能なため、釣行する際のポイント選びは大変重要と言えます。私が初場所に釣行する際のポイント選定をする上でのキーポイントを4つご紹介します。
1つ目は『常夜灯の有無』です。アジングはマヅメ時や夜間に楽しむことが多いため常夜灯の存在は大変重要な要素となります。アジは光に集まる習性(集光性)を持ち明暗の境で捕食活動を行ないます。そのため常夜灯や光の存在は大変重要です。
2つ目は『流れの変化』です。アジは潮の流れを利用して捕食しています。つまり流れがあり、堤防や沈みテトラ、磯などのストラクチャー、流れ込みあるいは係留船など、流れに変化を起こさせる場所はアジが捕食しやすい場所であると言えます。そのため、堤防だけではなく、磯やサーフなどもアジの釣れるポイントとなるのは流れの変化が起きやすいという理由からだと考えています。
3つ目は『ベイトの存在』です。前述した2点と比較するとアジが好むベイトはプランクトンから小魚、甲殻類、ゴカイなどさまざまであるため判断が難しいですが、冬場や春先はシラスなどの小魚が接岸します。このようなタイミングは産卵を控えた大型のアジが回遊する可能性が高いと考えられます。
4つ目は『情報』です。アジングはルアーフィッシングですがアジはエサ釣りでも狙う方が多いターゲットです。つまり、サビキ釣りやフカセ釣りを楽しんでいる方がどんな魚を釣っているかというのは貴重な情報源となります。さらに地元の釣具店や地元の方々とのコミニュケーションによって新鮮な情報を手に入れるということも大変重要です。
このような4つのキーポイントを踏まえ釣行しています。季節や釣行するタイミングによってはさらにキーとなる項目が増えるかと思います。今回は個人的に初めてのエリアである高知県を訪れアジングを攻略した模様をお届けします。
リアス式海岸が広がり、美しい砂浜や岬が点在する高知県。
流れが複雑な高知回遊ルートは日替わり
高知龍馬空港に降り立ち、予約していた市内のホテルに急ぎ荷物をまとめ釣りの支度を済ませます。まだ日中で明るい時間なのですが、海辺に移動しポイントを探します。明るい時間帯だからこそ分かる沈み根の位置や流れ地形の変化などをチェックしました。
高知県は太平洋側に面しており東西に広く海岸線が広がっています。そして大きな河川がいくつか流れ込んでいるため流れが複雑で豊かな漁場となっていますが、地元のアジ釣り師によると日によって回遊する場所が変わりポイントを絞りづらいとのことです。この情報からアジの回遊ルートが日毎に変わる特徴があり、釣果にムラが出るという点が私の住む伊豆半島と共通しているようです。
しばらく海岸線を移動し、港や小磯を巡っているとサビキ釣りを楽しんでいたファミリーの方々が小さな港湾の奥で豆アジ釣りを楽しんでいるのを発見。さらに近くに小さいですが川の流れ込みがあり常夜灯も点在しています。これだけ条件が揃えばアジングが成立する可能性が高く、アジングを楽しめそうです。さらにこの港から沖へ伸びている堤防は潮通しもよく、アジの回遊ルートとなる可能性があります。これらの条件から堤防の先端付近にポイントを定め、日が傾く夕マヅメからアジングを楽しむことにしました。
四国・高知エリアへ降り立った奥津氏
初場所アジング探訪動画はこちら⇓
迎えた夕マヅメ いざ、高知アジングへ
日が傾く午後3時半に再度この堤防へ訪れ、アジングの準備を開始。アジングの基本であるジグヘッド単体の釣りでスタートします。日中にサビキ釣りで釣れていたこともありロングキャストの必要性もなさそうなので0.8グラムのダイバーダウンEXにビロードスターの組み合わせをセットしました。
港の出入り口であるため船の航行に細心の注意を払いながらミオ筋付近へフォールさせますが、想像以上に流れがありリグが流されてしまいます。そこで1.2グラムにウエイトアップして再びボトムまでカウントを取ります。すると着底を待たずいきなりヒット。気持ちのいい引きを見せ上がって来たのは25センチクラスのグッドサイズのアジ! その後、同サイズが連発します。初めてのポイントでのいきなりの連発劇はうれしい誤算でした。
マヅメ時のアジ連発を堪能していると、気付けば常夜灯が灯りナイトゲームへ突入しました。
完全に日が落ちたタイミングと潮止まりが重なり、流れが緩んだためかアジのバイトが激減します。これも太平洋側ならではの特徴と言え、刻々と変化する状況にいかにアジャストするかが釣果を上げる秘訣となります。緩くなった潮の流れに同調させるべく、ジグヘッドを一気に0.8グラムまで軽くします。するとバイト数が増えますがまだ乗り切らないようです。さらにウエイトを軽くして0.6グラムに変更するとアジが再び掛かるようになりました。そして表層付近に小魚が集まり出しアジがライズするようになったため弱ダートが得意なアジクローラーにワームを変更して表層付近を軽いトゥイッチで誘います。すると再びアジが連発します。この面白い状況がしばらく続いたあと、夜が更け日付けが変わった頃に納竿としました。
今回の初場所攻略は見事成功という気持ちのいい結果に終わりましたが、いつも上手くいくわけではありません。悔しい思いを経て得るものもあります。さまざまな地域に出向きアジングを楽しむことは必ず自身のスキルアップにつながるはずです。高知エリアは個人的にも大変気に入りました。別の季節にも楽しんでみたいと思います!!
初場所の特徴を掴め!
高知アジングの特徴
今回釣行したポイントは潮の流れが刻々と変化し、その流れに同調させる必要があるためさまざまなウエイトのジグヘッドが必要となりました。何か所か巡りましたがアジは流れに依存して回遊しているようです。太平洋側の海岸線は外洋からの潮が差してくることが多いのでいかに流れの中でリグをコントロールするかがキーポイントになるかと思います。そのためオールラウンドに使えるタックル、さらに状況にアジャストするタックルを持ち込む必要があると感じました。
陸っぱりからアジを探すための第一のキーポイントは常夜灯の有無です。魚探もなく、足場も限られている陸っぱりでは、アジを寄せる要素を探すことになります。もっともわかりやすいのが常夜灯です。
当日ガイドしてくれたゼスタフィールドアドバイザーの堀江氏もキャッチ。
初場所で使いたいタックル
幅広いウエイトに対応するS69ULX-S
今回メインで使用したブラックスターエクストラチューンドS69ULX-Sはアンダー1グラムから10グラムまでの幅広いリグウエイトに対応するロッドです。最新素材のトレカⓇT1100GとM40Xを採用した細身でハリを持たせつつもねばりを持たせたブランクスを持つ、初場所攻略に打ってつけのロッドでした。
15センチに設定したショートソリッドによってダイレクトな操作感を得られる。ちょっとした違和感にも敏感にティップが反応。瞬時のアワセを可能にする。
〈初場所攻略参考タックル〉
ロッド:XESTA ブラックスターエクストラチューンド S69ULX-S
リール:DAIWA イグジスト 1000S-P
ライン:エステル 0.25号
リーダー:フロロ 0.8号
スナップ類:XESTA ライトロッククリップ S
ジグヘッド:XESTA スターヘッド ダイバーダウンEX 0.4グラムから1.5グラム
ワーム:XESTA ビロードスター2.5インチ、アジクローラー2インチ、アジングニードル2.2インチ
初場所で使いたいルアー
ジグ単で効率よく使うワームはビロードスターが主軸
ジグヘッドは垂直フォールで素早くレンジを探れるダイバーダウンEXが活躍しました。レンジが定まっている場合やレンジキープを極力長くしたい場合はバレットリブヘッドを使用します。ワームは浮遊感を出しやすいビロードスターを中心に潮の速いときは潮を受け流すアジングニードル、小魚がベイトとなっている場合はアジクローラーを使用し、状況に応じてローテーションしました。
水中でより艶めかしく、かつナチュラルに誘いアジにスレさせず釣れ続ける、初場所攻略にはうってつけなワームだ。
【SPEC】
全長:2.5インチ、3.25インチ/カラー:全16色/入数:7(3.25インチは6)/価格(税別):400円
ジグヘッドはスッキリ整頓しておきたい派です。
ワームもカラーや形状をいくつか用意できると、現場の状況にあわせていけるので有利になることも!
初場所だから投入したい!
アピタイト(XESTA)
驚異的な根掛かり回避機構「ピボットチェンジャー(PAT)」が搭載されている点に注目。プラグはワームと比較すると根掛かりのリスクが高く、根周りやストラクチャー周りを積極的に攻めづらいという難点がありますが、この機能によりスタックしても簡単に外すことができるため、これまで以上に攻めの釣りが展開できます。巻きではなめらかなウォブンロール、フォールは細かな平打ちフォール。ライトゲームで求められるシンペンの必須アクションを搭載しております。
アピタイト60(XESTA)
アピタイト45(XESTA)
アピタイトでヒラスズキ。高知県はヒラスズキの魚影も濃いですね。
Profile
奥津剛(おくつ・たけし)
大学院で研究していたプランクトン、海洋学の知識を活かしたリアルなタックル開発を目指す。ブラックスターシリーズの生みの親でもある。
instagram@okutsu_xesta_fishing
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