地磯はでかメバルの宝庫だった⁉〜手つかずのポイントがまだまだある!〜


釣り場の減少が叫ばれて久しいが、探せばまだまだポイントはある。メバルに関して言えば「地磯」がそれだ。全国の海岸線の大部分を占めるこの地磯は、釣れるメバルもでかいのが特徴。そんな地磯で、数えきれないくらいのでかメバルを釣ってきた岩崎林太郎さんのアプローチをご紹介!

安全装備を完璧にして挑もう。



地磯を忘れちゃいませんか?

 人工の護岸や建造物に囲まれた港湾部。漁港や岸壁を含め、ここで立ち入り禁止措置、もしくはそれに類する措置が取られることが多くなってきた。これには現場でのゴミの放置や迷惑駐車など、釣り人のモラルも大きく関係するが、さらに大きな原因として、「事故があった場合、建造物の設置者(例えば漁港なら自治体)がその責任を問われることが多いことが挙げられる。

 モラルの問題、安全性の問題がクリアーされて、どこでも釣りができればいいのだが、現実は前述のとおりだ。となると、どこがフリーエリアとなるかを考えた場合、思いつくのがサーフ(砂浜)、そして地磯だ。実際のところ、人工の港湾エリアというのは海岸線でそ

の占める割合は低い。大半がサーフ、そして地磯ならびにゴロタ磯なのである。

 今回スポットライトを当てているメバルは、この地磯やゴロタ磯に多数生息している。しかも、ここで釣れるメバルは尺を超える大型の率が高く、逆に小型は釣れにくいという特徴がある。つまり、でかメバルの最高のホットスポットと言えるのである。

 ここではそんなメバルの宝庫である地磯の攻略法について説明していこう。

海藻が点在するシャロー帯がおすすめ。



安全性が最大の課題!

 この地磯であるが、ここで釣りをする場合に克服する必要があるのが安全性の問題だ。磯のでかメバルを狙うケースでは、その主な時間帯は夜になる。磯場は場所にもよるが、岩だらけで歩行は大変、転んだら怪我してしまうのは当たり前という部分が、この釣りへのエントリーの壁を高くしている。

 しかし、安全性さえ克服できれば、地磯は間違いなくでかメバルのホットスポットだ。ここで数え切れないくらいのでかメバルを釣ってきた岩崎林太郎さんは、磯メバルの心得についてこう話す。

「僕の地元は大分県ですが、ここには手つかずの地磯が点在します。ただし、実際に釣りをする場合は、装備を完璧に整えておく必要があります。ゲームベストタイプのライフジャケットに、磯靴は必須。そして忘れちゃいけないのがグローブ。磯では岩をつかみながら移動するので、素手だとすぐに怪我してしまうので要注意です。でも、それさえ踏まえておけば、安全性は大きく向上します」と語る。

 さらには、暗くなってから磯に入るのではなく、夕マヅメ前の明るい時間帯にエントリーすれば、釣り場の観察もできるのでオススメだ。そして忘れちゃいけないのがライト。これも複数用意しておくと、バッテリー切れや故障の際に安心だ。

磯場でヒットしてくるメバルは皆良型ばかり。



こんな地磯を選ぼう!

「僕の場合、磯にエントリーして狙ったポイントに行くまで1時間以上歩くことだって普通です」この岩崎さんの言葉を聞くと一瞬ひるんでしまうかもしれないが、必ずそうしなければならないことはない。港に隣接する小磯だって、十分にでかメバルとの遭遇チャンスはある。近場にアプローチしながら、慣れていくに従って、距離を伸ばしていけばいいのだ。

 また、断崖絶壁を下ってエントリー……という磯に入る必要もない。そんな場所でも、あくまで漁港や岸壁に隣接する地点からエントリーし、水際を移動しながらめぼしい場所を探っていきたい。その際は、航空写真などを見ながら、入りやすい場所に目星をつけておくことも大切だ。

 もうひとつオススメなのが、サーフにシモリが点在するゴロタ磯だ。こんな場所も全国各地に多く存在するが、もともとがサーフだけに、起伏は少なめで敷居は低い。ただし、丸いゴロタは濡れていると特に滑りやすいので、海苔が着いていたり、水に濡れた石には乗らないように注意したい。

 磯場は突き出た岬になっていることが多く、これは特に冬場の季節風をかわすのに有効だ。強風でも岬を回り込めば風裏になるので、そんな場所を探しておくといいだろう。

貸し切りの磯場で爆釣! まさにでかメバル狙いにはうってつけだ。




シャローが狙い目だ!

 地磯の水際は浅いシャローとなっていることが多い。遠投した先がブレイクラインで深くなっていることも多いが、でかメバルは、そのブレイクラインから、シャローへエサを求めて移動してくるのだ。常時干満の影響を受ける磯の水際は、甲殻類や小魚の宝庫となっている。具体的には、1メートル水深があれば十分に狙い目なポイントなのだ。

 こんな場所を狙うときは、沈みの早い重すぎるルアーよりも、シャローを狙いやすいタイプがいい。例えば、シャロー系のプラグや、フロートリグ、ジグ単の場合なら2グラムくらいまでのウエイトのものが扱いやすい。特にプラグやフロートリグは、遠投してシャローを広範囲に探れるので、時として非常に有効である。

 そしてワーム、プラグを問わず、攻め方はメバル特有の「スローなタダ巻き」が効果的だ。これは港湾のレギュラーサイズ狙いでも磯場のでかメバル狙いでも変わらない。ときおりフォールを入れるなどの操作は、メバルの目先を変える意味で有効となる。

「磯メバルは釣れれば大きいので、アタったらロッドを立てて強引に巻き上げます。シャローだと、もたもたしていると根に入られてしまいますので心得ておきましょう」という岩崎さん。

ジグ単(ジグヘッド単体リグ)、プラグ、中間リグといった、さまざまなリグを使いこなそう。




強めのタックルで挑もう!

 尺メバルがヒットするのが前提の磯メバルでは、ミディアムライトクラス以上のパワーのあるメバルタックルが必要だ。また、10数グラムのフロートリグを扱うこともあるので、強さとあわせて、8フィート前後の長さがあったほうがキャストもしやすく、ファイトも安心だ。ルアーはジグ単メインにプラグ、フロートリグを準備しておけばいろんな状況に対応できる。ラインシステムはPE0.4号、リーダー7ポンドを組み合わて来るでかメバルに備えよう。

●参考タックル
〈ロッド〉DAIWA 月下美人EX AGS 76MLS-T
〈リール〉DAIWA エアリティ LT2500-XH
〈ライン〉DAIWA UVF月下美人 デュラセンサー+Si2  0.4号
〈リーダー〉DAIWA 月下美人フロロリーダー 7ポンド


DAIWA 月下美人 ジグヘッドSS TG

比重が高く小型でも遠投が可能。フックも十分な強度だ。



DAIWA 月下美人ソードビーム2.2インチ

岩崎さん監修、でかメバル高実績ワーム。広がったテールが特徴。水中で艶めかしくアクションしてメバルを誘う。



DAIWA 月下美人 夕凪40F

メバリングにジャストマッチなペンシル。斜め浮きタイプの「誘(SASOI)」と水平浮き
タイプの「漂(TADAYOI)を使い分けたい。


切り立った磯は上から入るのではなく、水際からエントリーすること。なお、安全面を考え、ナイトの磯釣りは必ず複数人で行ないたい。




磯メバルの推奨装備

 本文でも触れたが、磯メバルでいちばん大切なのは安全対策だ。機動性の高い足首までのフェルトスパイク、転んでもクッションになるゲームベストタイプのライフジャケット、移動時に快適なグローブ、広範囲を照射できるライトは必ず用意したい。また、ウエーダーを履いていれば、ちょっとした水溜りを横切れるので、より機動性が高まる。これは防寒も兼ねるので、あればより万全だ。


コンパクトなタックルボックス兼ロッドホルダーなら片手で持ち運びしやすい。

岩崎さんの基本装備。タックル類は片手で持てる範囲にしておき、かならずもう一方の手は空けておくこと。



こんなポイントを狙え!

 さて、磯に入っても同じような地形が広がっていて、どこを狙っていいかわからないと感じるかもしれない。その意味でも、明るいうちに現場に入って観察することをオススメする。まず狙いたいのはシモリ周り。ここには高確率でメバルが着いている。そして海藻帯。ベイトをストックしているので、同じくメバルが着きやすい。そして岩と岩の間のスリットもエサが溜まりやすいので狙い目だ。そして少しでも沖に突き出た岩も、ブレイクライン近くを攻められるので有望ポイントだ。

サーフに隣接する磯場。この岩場にはメバルが着きやすいのでぜひ狙いたい。

海藻帯はプランクトンや小魚をストックする。これを狙ってメバルも寄ってくる。

突き出た岩場と点在するシモリ。これは絶好のシチュエーションだ。




タダ巻きで広範囲を探れ!

「ナイトゲームのメバリングの基本はスローなタダ巻きです」と岩崎さんが言うように、ジグ単にしろプラグにしろ、キャスト後はゆっくりリトリーブするのが鉄則だ。メバル狙いのルアーアクションは、実にシンプルなのだ。ただ、シャローを狙うことが多いので、ジグ単使用時は、沈めすぎによる根掛かりに注意したい。低活性だとボトムを攻めないとヒットしないケースもあるが、条件のいいときには表層付近でのヒットが多い。ナイトゲームで根掛かり~ラインブレイク……を繰り返すとモチベーション低下は必至なので、攻め過ぎは禁物だ。

風が弱ければロッドを立ててタダ巻きするとアタリが取りやすい。ただし、巻きのスピードはその日の魚の活性に合わせて変えてみよう。高活性=速め、低活性=遅めが基本だ。

みっぴこと秋丸美帆さんがゲットしたでかメバル。

岩崎さんがキャッチした良型メバル。

広範囲を照射できるライトがあると夜釣りでは格段に安心だ。

ウエーダーがあると浅い水溜りを渡って竿抜けポイントへ入れるメリットが高い。ただし無理は禁物!



Profile

岩崎林太郎(いわさき・りんたろう)

アジやメバルといったライトゲームをこよなく愛するアングラー。『りんたこ』の愛称で

活動中の釣りYouTuber。


秋丸美帆(あきまる・みほ)

『みっぴ』の愛称で親しまれ、釣りはオールジャンルこなす。YouTube『りんたこみっぴの釣りキャンプ』では得意の料理も披露!

https://www.youtube.com/c/りんたこみっぴの釣りキャンプ