万能スタイルで楽しむ春の五目ゲーム〜ライトなタックルで多魚種をゲット〜


水温が上昇するこれからのシーズンは、釣り物もどんどん増えていく。そんな獲物たちの多くを一本のタックルで仕留める……これがライトソルトゲームの醍醐味である。その魚種が捕食するルアーサイズをセレクトし、ストライクを取っていく。そんな五目ゲームがおもしろい!

釣れ方や状況に応じて臨機応変に狙おう!




高級魚とのスリリングなやり取り

 毎年3月を過ぎたあたりになるとワクワクしています。なぜかって? この時期に楽しんでいるメバルだけでなく、さらにおいしい海の幸との出会いが期待できるからです。

 これまで出会ったお魚さんたちで、この時期特においしく楽しめると感じたのは、マダイやヒラスズキ、そしてヤズやハマチ(いずれもブリの若魚)ですが、ライトタックルでこれらの魚を狙うのが、実にスリリングなのです。その引き味を楽しみ、持ち帰った海の恵みを楽しむ。ライトソルト五目は二度おいしい釣りなんですよ。

ライトタックルで仕留めたヒラスズキ。



おすすめタックルは?

 というわけで、どんなタックルやルアーを使ってライトソルト五目ゲームにボクが挑んでいるかを、詳しくご紹介させてください。

 まずはタックルから。ロッドは、強めのメバリングロッドがおすすめ。長さ30センチ・重さ約500グラムのメバルを、水中から余裕で抜き上げ可能にするためです。メバリングロッドでなくとも、お手持ちのロッドのなかから、最大ウエイトが14グラム前後に設定されたものを選んでいただければいいでしょう。

 次にリールは、1000番クラスの本体に2000番クラスのスプールを合わせたものを使っています。シマノでいえば、C2000番に相当するサイズですね。この小さなリールで大物を仕留めるのは、実にスリリングでしびれますよ。

 このスプールを使っているのは、PE0.6号から0.8号とやや太めのラインを150メートル以上巻いておきたいからです。そしてこのラインに、ちょっぴり強めの7ポンドから8ポンドのフロロリーダーを接続します。最近のリーダーは実に強く、過去には防波堤釣りで90センチオーバーのヒラマサを8ポンドリーダーで釣り上げたこともあるほどです。さすがにこのときはネットを使用しましたが、根に潜られない魚でないかぎり、8ポンドで十分勝負になると思っています。

スリリングなゲーム展開が好きな私としては、よりライトなタックルで挑んでいます。



まずは定番のジグヘッドで

 いちばんオールマイティに使えるのは、ずばりジグヘッドリグです。全層探ることができるだけでなく、ジグヘッドやワーム形状を変えることで、リトリーブやワインドといったターゲットに合わせたアクションの使い分けができます。

 また、ウエイト・フック・ワームのそれぞれを個別に調整できる強みもあります。シーバスからメバル・アジに狙いを変更するときなどは、①ジグヘッドウエイトをワンサイズ軽く ②ハリのサイズをワンサイズ小さく ③ワームサイズをワンサイズ小さく(カットもします)して調整なんてことも可能です。

メバルはジグ単リグ、プラグ両方に好反応をしめしてくれる。



プラグ、メタルバイブ、メタルジグをどう使い分ける?

 さて、次はプラグです。ボクがおすすめしたい使い方は、ジグヘッドリグで釣れているターゲットを、プラグも使って狙うことです。こうすることでルアーの変化が出るため、ターゲットは飽きずに追ってくるだけでなく、使っているアングラー側も飽きずに楽しむことができます。

 メタルバイブもおすすめのルアーです。ジグヘッドリグでもプラグでも、はたまたメタルジグでも釣れなくなったとき、メタルバイブで最後の1尾がなんとか釣れた……というケースが、3年ほど前から続いています。よかったら皆さんのタックルボックスにも、1個か2個忍ばせて出かけてみてはいかがでしょうか?

PKミノーで回遊青物のキャッチに成功!



午後4時にスタート

 今回の実釣で訪れたのは、ボクの住む広島から高速道路で3時間ちょっとかかる、愛媛県の島しょ部です。ポイントに立ったのは午後4時過ぎですが、真冬と違ってだいぶ日が高くなってきたのは実にうれしいです。

 入ったのは足元からいきなり15メートルほど水深がある防波堤なので、まずは14グラムのメタルジグを使ってチェックを始めます。

 さて、ボトムでいきなりのバイトがあったものの、なかなか乗りません。ということで、ロケットマジック2.5グラムにアジエースというジグヘッドリグに変更し、同じ場所へキャストします。水深15メートルでも足元であれば、このウエイトのジグヘッドで届かせることができます。これでバイトのヌシがイソベラとわかりましたが、所変わればサイズも変わるのか、20センチを超えるファイターが連発してくれました。

 このあと日が落ちるまでメタルジグを遠投、沖のブレイク付近でカサゴ狙いを楽しむうちに、本格的に暗くなってきました。この時点でカサゴとベラの2魚種達成。次はいよいよ本命狙いのために場所を移動します。

やっぱりメバルははずせないよね〜♪

ボトムを鉄板系で攻めれば、安定のカサゴがヒットしてくれる。





アミパターンのヒラスズキ⁉

 移動したのは、常夜灯のある防波堤です。狙いはヒラスズキ。小魚系のベイトも回ってきていないようだったので、常夜灯下に回ってきたヒラスズキはアジやメバル同様アミを食っていると判断、2グラムのジグヘッドにアジエースのカラー01をセット、常夜灯の真下に立ち位置をかまえ、明暗に向けてキャストを開始します。

 メバリングのときより速めに巻き取り、表層を泳がせます。もしヒラスズキがアミを追いかけていたら、きっと反応すると信じてからの一投目、微妙なバイトの後に強烈な走り、いきなりのヒットです。

 やはりヒラスズキの引き味は半端ないものでした。ジャンプに潜水、足元まで寄せてきても右や左へ……。最後はドラグを締め切り、レバーブレーキで方向と距離を調整しながらネットイン。まずまずサイズのヒラスズキゲットで、この日3魚種目を見事達成です。さらにこのあと、ワームカラーを05(クリアー・RH)に変更、2尾目のヒラスズキを追加することもできました。

 その後、防波堤の足元でメバルとカサゴを追加していると、常夜灯下の水面が騒がしくなりました。よく見ると、40センチから50センチ前後の泳ぎの速い魚が7尾から8尾、群れを作っています。これを見てルアーをプラグであるPKミノーに変更、さっそく狙います。

 泳ぐスピードから相手は青物と想定し、まずは群れが動き回る範囲を絞り込みます。左側から防波堤に近づき、先端付近で岸際に最接近したのち一旦沖に出て、再び防波堤左から近づいてくるパターンのようでした。

 これがわかればしめたものです。PKミノーのトレースラインを回遊コースに合わせると、早速追ってきました。

 落ち着いてレバーブレーキを操作し、魚を十分に疲れさせてからネットインに持ち込みます。めでたく五目達成となった本日最後のターゲットは、まさかのハマチでした。

 こうして五目達成した初日でしたが、翌日にはメタルバイブでのでかカサゴという出会いもありました。春の五目ライトゲーム、これからが本格シーズンです。みなさんもぜひ! 

 以上、ポッキンでした。

春の五目ゲーム動画はコチラ⇓


春の五目釣りタックル

大は小を兼ねる⁉

 一本のタックルでなるべく多くの魚種を楽しむためには、タックル全体のパワーを上げるといいだろう。例えばメバルロッドであれば、MAXウエイト10グラム以上のものがおすすめになる。その理由は、重いウエイトが扱えるロッドでないと、魚種に応じてルアーサイズを変えていくことができないからだ。またメインラインもPE0.6号から0.8号と、メバル・アジのみを狙う場合より1クラス強いもので挑むといいだろう。

 強めのPEラインを使っても、7ポンドから8ポンドと比較的繊細なリーダーを選ぶことで、釣果を下げることなく安心したやり取りができるようになる。

強めのメバルロッドであれば、シーバスやマダイ、青物といった引きの強い魚でも安心してやり取りが可能だ。



春の五目ゲームタックル

〈ロッド〉メバル専用ミディアムロッド7.6フィートから8.4フィート
〈リール〉シマノ ハイパーフォースC2000DHG
〈ライン〉バリバス アバニジギング 10×10 マックスパワーPE X8 0.6号(PE)
〈リーダー〉バリバス ライトゲームショックリーダー7ポンドから8ポンド(フロロ)
〈ジグヘッド〉デコイ ロケットマジック0.9グラムから2.5グラムほか
〈ワーム〉スミス アジエースほか
〈プラグ〉スミス スモーキー PKミノーほか


バリバス アバニジギング 10×10 マックスパワーPE X8 0.6号(PE)

感度がよく視認性も高い。大物が掛かってもパワーは十分だ。



バリバス ライトゲーム ショックリーダー(フロロ)

プラグやジグ単のように比較的軽く、繊細な動きを要求されるルアーなら7ポンド。一方メタルジグなど重めのルアーを使うときは8ポンド。



春の五目釣り

ポイント障害物、地形の変化、灯りがカギ

 防波堤の隅から隅までが釣り場となるライトソルトの五目釣り。消波ブロックなどの障害

物付近では、メバルやカサゴなどの根魚が狙える。一方防波堤の先端やクランク付近には潮

流が当たり潮通しもよくなるので、シーバスやマダイ、運がよければ青物などに巡り会える。

また夜釣りであれば、食物連鎖の起こりやすい外灯周りの障害物を狙うことで、魚種や釣果

を伸ばすことができるようになる。

地形の変化は最もわかりやすいポイントの目安となる。

明るいうちはなんてことのない光景だが、暗くなってこの外灯が点灯すると、最上級のポイントが作られる。

水中のストラクチャーに沿うように、沖から手前にルアーを引いてこよう。



春の五目釣りおすすめメタルジグ

表層・中層・ボトムの全部で使える

 五目ゲームでメタルジグを使うと、昼夜問わず簡単に釣れてくれるのが根魚だ。底を中心に探ると、昼間でも高確率で釣れる。一方ナブラが出ているようであれば、表層をリトリーブさせると青物やカマスなどと出会えるチャンスもあるだろう。さらに一旦ボトムを取り、底からリールのハンドルを10回転から20回転させてフリーで落とすやり方で中層をチェックすると、マダイやシーバスといった新たな魚種を追加できる。



スミス ウォブリンS  7グラム、14グラム

カラーナンバー07はボトムでのマダイ狙いに実績がある。


カラーナンバー09は、中層リトリーブでのアジやメバル、ボトム狙でのカサゴがそれぞれよく釣れる。




春の五目ゲームおすすめジグヘッドリグ

1.5インチサイズでだいたいOK!

 五目ゲームターゲットのオールラウンダーといえるのがジグヘッドリグだ。ここでは、そんなジグヘッドリグでよく使うアクションのおさらいをしてみよう。

 基本はリトリーブとリフト&フォールアクションとなる。ワームサイズ1.5インチ前後のライトゲームワームは、そのサイズ感からメバルやアジはもちろん、カサゴや小型のハタといった30センチ前後の魚まで幅広く狙える。さらに夜のポイントでも、状況によっては中型の青物やマダイ、そして中~大型のシーバスといった、さらに大きな魚の顔を見ることもできるのだ。



デコイ ロケットマジック+スミス アジエース

こちらは水色がクリアなときに抜群の集魚効果を発揮するカラーナンバー01。

アミパターン時の常夜灯周りで使うのであればカラーナンバー05で。




春の五目ゲームおすすめプラグ

表層から中層にかけてがステージ

 五目ゲームのプラッギングはレンジが表層から中層となるため、メバルやアジ、カマスなど、その層で狩りをする魚がメインターゲットとなる。さらにシーバスやマダイ、運がよければ青物も顔を出す。ただし使うプラグそのものは、メバリングなどで使用する3グラム前後の物が中心になる。リトリーブやストップ&ゴーなど、使用するプラグの特徴を生かしたアクションを心がけよう。


スミス PKミノー

アングラー側から仕掛けて誘い、食わせることを得意とする攻撃的プラグ。集魚能力、アクション、フッキング性能とプラッギングに求められる要素を完璧なまでに折り込んでいる。

アミパターン時の水色がクリアなときに抜群の集魚効果のあるカラーナンバー05。

カラーナンバー08は、同じアミパターン時でも、常夜灯周りでよく釣れる。

青物もPKミノーで攻略可能!




春の五目ゲームおすすめメタルバイブ

抜群のスピードでリアクションバイトを狙う

 五目ゲームには、リアクションバイトでないと釣れないケースもある。例えば魚影が薄かったり、濃くてもスレが極度に進行した場合などだ。こんな場所ではスピーディーに広範囲を探れ、かつ遠くからでも存在をターゲットに知らせる能力の高いメタルバイブがおすすめとなる。リフト&フォールだけで、すべての層を狙える強みもある。メバル・カサゴ・アジ・ベラ・アナハゼ・マダイ・青物・スズキ・ハタ……と、実に多彩なターゲットが狙える点も見逃せない。


スミス ハイパーブレード

センターバランスを採用したボデイは水平姿勢で判定したフォールを実現。リトリーブ時でも尻下がりになりにくく、この水平姿勢を維持してアクションする。2つのスナップ取り付けホールが設けられており、前方はバーチカルな釣り、後方は引き抵抗が増し、よりバイブレーションの幅が広くできる。それぞれを状況にあわせてセッティングしていこう。





Profile

辻本ナツ雄(つじもと・なつお)

通称「ポッキン」。ベイト、スピニングの両タックルを駆使し、年間通じて旬の対象魚を追いかける。サポート:シマノ・スミス・バリバス・冨士灯器・サブロック・デコイ・グラシーズ白島。