日毎に過ごしやすくなっていく今日このごろ。皆さまアジング行っていますか? 今回は日本海「新潟県上越エリア」で、でかいアジが接岸してくるタイミングを狙い撃ちしてきた模様を紹介していきます。今回はなんと、安心安全な釣り施設での実釣です。はたして、エサ釣りの方たちにも負けない釣果をあげることはできたのでしょうか⁉
尺以下が釣れない!? そんなパラダイスが新潟にある!
雪代がらみのアジングがスタート
春時期の新潟エリアは、雪代が海に流れ込み、白濁した水色となっているところが多くなる。アジングにおいて、水色の濁りは釣果を鈍らせるので、なるべく避けたい条件だ。
しかし、この雪代の濁りに関していえば、逆に都合がよくなることがある。雪代とは雪解け水が河川や海に流れ込む現象のことだが、この雪解け水は地中を通り、土の栄養分と一緒に流れてくるため、雨水などと違い、栄養価の高い成分を豊富に含んでいるからだ。その雪代が海に流れ込み海水と混ざることで、白濁した水色を発生させる。
栄養価が高い水が沿岸部にあるということは、その栄養をもとにしたプランクトンが発生しやすくなるということだ。そして、その発生したプランクトンを食べに小さなシラスや稚アユが集まり、そしてアジが寄る! という構図が成り立つのである。ということで雪代の濁りは、魅力的な濁りといってもいい。
このように雪代の濁りは魚の活性を上げるのだが、雨が降った後などの茶色い濁りが発生した場合は、そのエリアは避けて釣りをすることをおすすめする。河口部に近く、雪代以外で濁りがきつくなっている場所であれば、流れが直接当たらないようなエリアを探しておくといいだろう。また、潮の向きによって濁りが入っていたり、入っていなかったりすることもあるので、その見極めも必要となってくる。とにかく周りの状況を見ながら、いちばん可能性のあるポイントでサオを出すようにしよう。
春を迎え初夏にかけて良型アジが接岸してくる。
誰でもお手軽にアジが狙える!
そんな雪代が豊富な新潟県で今回実釣してきたのは、上越市にある「ハッピーフィッシング直江津港第3東防波堤管理釣り場」さんだ。こちらはしっかりと管理された防波堤となっているだけでなく、初めて訪れる際には、施設の方が状況などを教えてくれる。また、トイレなども設置されているため、女性やお子様でも安心して釣りを楽しめるようになっている。
ただし、あくまで「釣り施設」であって「釣り堀」ではない。フィールドはあくまでも自然の海、釣る魚も自然の魚となるので、釣果は状況次第、そして自分の腕次第となる。季節によって釣れてくる魚が変わってくるので、事前になにが釣れているのかを確認してから釣行に臨むようにするといいだろう。
こちらの釣り施設は、沖に約660メートル伸びた防波堤が釣り場となっているため潮通しもよく、季節を通してさまざまな魚を狙うことができる。毎年、今ごろはサワラやブリが接岸し盛り上がるとのことだが……。今回狙うのはもちろんアジ! 今狙うサイズは、尺(約30センチ)超えは当たり前、40センチを超えてくるギガアジサイズも釣れているというので、このサイズを狙いたい! 足場の整った安心安全な釣り施設でこのクオリティが狙えるのです!
足場がよくて、トイレも洗い場もある。ということでとにかく人気のある釣り場となっている。
エサ釣りおこぼれ大作戦!
実釣当日、釣り座に選んだのは、足場が低い内側向きのポイント。周りでは、エサ釣り師が遠投サビキでアジを狙っている。
受付のときに釣り場のスタッフさんに水深をうかがうと、防波堤の足元で水深10メートル、少し沖に防波堤の基礎が入っていて、その先が5メートル落ち込んでいるといった具合に、かなり詳しい状況を教えてくれた。
沖に張り出し、水深もある堤防周りということで、大型のアジが回ってくる可能性は十分にある。釣りを始める前に、周りで釣りをしているエサ釣り師が使う仕掛けのウキ下の長さをしっかりと観察し、アジが釣れるであろうレンジを確認していると、大半の人はボトムから1メートルから2メートル上を狙っていることがわかった。
このように、初めて行く場所では、周りの状況をよく見てから釣りを始めたほうが、結果的に時間短縮になるのでおすすめだ。また、周りの釣り人にしっかりと挨拶をしておくと、釣れているときの状況なども聞きやすくなる。極力コミュニケーションは取っておくようにしよう。
狙うレンジはなんとなくわかってきたものの、まだコマセが効いていないのか、アジが釣れている様子はない。それでも、まずは海の中の状況を確認したかったので、キャストを開始することにした。
エサ釣り師が釣れたら、そのときの情報を得るようにしよう。
釣れているレンジはボトムの少し上!
最初はいきなり沖を狙うのではなく、手前にあたる防波堤の基礎部10メートルラインから丁寧に狙っていく。まだアジがどのレンジを回っているのか掴めていないため、ジグヘッドの1グラムにワームをセットしたジグ単リグでサーチ。着水したら、ひたすらカーブフォールで全層に探りを入れることにした。
フルキャスト後にロッド2本分くらいラインを出したら、なるべく着水点の真下に向け、素早くリグを落とす。そしてラインにテンションが掛かったら、ラインがリグと一直線になるように数回ロッドをあおり、水中のラインメンディングをしておく。これをすることで、小さなバイトを感じ取ることができるようになる。
まずは、カーブフォールでボトムを取っていく。1グラムのジグ単では、40秒ほどで着底することがわかった。ここでボトム付近の地形を把握するため、デッドスローでリグが浮かないように巻いてくると、手前のほうで海藻に当たるエリアがあるのがわかった。沖のボトムから海藻までは、おおよそ5メートル程度。この範囲を丁寧に探り、アジを狙っていく作戦を取ることにした。
少しずつキャストポジションを変えながら、同じエリアを丁寧に狙っていく。しばらくすると、隣のエサ釣り師にアジが釣れた。もちろん、ここでも抜かりはない! アジが掛かっているサビキのハリの位置を確認するのである。すると、少し上のサビキにアジが食っていたのが見えた。となれば狙いは、ボトムの少し上だ! カウント38のラインを丁寧に探っていくと、グッと押さえ込むバイト! すかさずアワセを入れ、重量感のある小気味よい引きを堪能しながら上げたのは、いきなり尺越えのきれいなアジだった。本来なら大喜びするはずなのだが、前述したとおり、ここは尺超えがアベレージ、これは釣れて当たり前のサイズだ。喜びをぐっとこらえたことは、いうまでもない……。
釣り上げたアジの口の中を見てみると、そこにはオキアミが大量に入っていた。自分の左側にいるエサ釣り師がアジをヒットさせ、そのあとすぐに自分にヒットがあったということは、潮の流れが左から流れているときがヒットチャンス! と判断できた。
そう! 今回は、エサに着いたアジのおこぼれを、ルアーで手返しよく狙っていく作戦なのだ。となれば、やることはひとつ! 今釣れたときと同じ条件で、同じことをして狙い撃っていくだけである。
アジが釣れる潮を見極め、その潮のタイミングではとにかく集中しよう。
釣れる潮の向きがある!
しかし、あとが続かない。周りのエサ釣り師にも、アジはほとんど釣れていない。原因は潮の向きにあるようだ。このように、海の状況は刻一刻と変化をしているので、いつでも爆釣! ということにはなりにくい。
しばらくすると、さっき釣れたときと同じ潮の向きになってきた。狙うならこのタイミングだ。今度はさっきより少し左側(エサ師の邪魔にならない程度)にキャストして、潮に同調させるようにリグを沈めていく。
狙うレンジは、さっきと同じ38カウントだ。レンジまでリグを到達させたところで、漂うオキアミがモゾモゾと動いているイメージで、細かなシェイクからのサビキを入れていくと、またしてもヒット! アワセを入れると、さっきよりも勢いよく走り出した。強烈なアジのツッコミを堪能し、無事にランディング。その後も同じパターンで連発! 釣り施設のポテンシャルの高さを垣間見た釣行となった。
上アゴがっつりフッキングした良型アジ。
尺オーバーゲット動画はこちら⇓
今回の釣り場はココ!
ハッピーフィッシング直江津港第3東防波堤管理釣り場
しっかりと管理された「ハッピーフィッシング直江津港第3東防波堤管理釣り場」さん。釣り場に施設スタッフさんが巡回しているため、困ったときなどもしっかりと対応をしてくれる。
全長約660メートルの堤防にエサ釣り師とルアーマンが一緒になって盛り上がるハッピーフィッシング直江津港第3東防波堤管理釣り場。
堤防入り口前には全体マップが表示されている。
室内には釣果情報などが掲載されている。
トイレや手洗い場も完備している。
(DATA)
ハッピーフィッシング直江津港第3東防波堤管理釣り場
URL:http://happyfishing-n.jp/
住所:新潟県上越市八千浦4番地 TEL:070-4375-5452
ルアーでアジを釣る!
今回のような釣り施設の場合、エサ釣り師と並んで釣りをすることが多くなるが、我々ルアーアングラーでも十分に釣りが成立するので、安心してほしい。
エサの匂いに寄ってきたアジは、リアクション狙いの速い誘いではなく、リグが潮に漂うようなナチュラルなアクションで狙ってみよう。イメージは、漂うオキアミだ!
エサを食ってるアジに対して、速いアクションは禁物。ルアーをエサと同化させられるかがカギとなる。
まわりの釣れっぷりを確認して、釣れるタイミングを探っていこう。
ディープエリア攻略
水深が深い場所でも、アジがいるレンジはボトムと決まっているわけではないので、キッチリとカウントを管理し、釣れるレンジを外さないことが大切だ。
シャローエリアと違い、レンジが外れてしまうとアジが反応しないことも多いので、しっかりとレンジキープしよう。
アジの回遊ルートを見つけよう。
ワームセレクト
エサのオキアミが大量に撒かれたなかで、少しでも存在感を示すカラーセレクトが重要だ。ただしソリッド系など強すぎるカラーは、日中のアジ達にとってはアピールが強すぎるので逆効果となりかねない。
ナチュラルだがしっかりとアピールするUV系のカラーがおすすめだ。
定番のアミカラーとUVカラーを使い分けてみよう。
ワームはエサを意識したカラーをセレクトしよう。
大量のエサのなかから、自分のワームを見つけてもらえることが大切だ。
釣れたアジの口のなかは、エサのオキアミでいっぱい。ここからさらにルアーを食ってくるアジの貪欲さに驚きだ。
2サイズのバーニーを使い分ける!
2本の脚を存分に使い、アジを始めライトソルトターゲットにアピールするバーニー(テトラワークス)。ベイトのサイズやアジの活性に合わせて、2サイズを使い分けるのがコツ。チビっこタイプは、ひと口サイズにしつつもアピールはしっかりとしてくれる心強いワームだ。一度使うと抜け出せなくなるほどよく釣れてしまうため、要注意♪
釣れすぎ注意! どんなシーンでも、しっかりと釣果を出してくれる安心感。しかも、小さいくせにでかいアジを連れてきてくれる。
でかアジ攻略にはデリー
エサ釣り師に交じりながら釣果を確実にあげるには、アジにルアーの存在を気付かせてあげないといけない。その存在感を演出してくれるのがデリーである。
ボリューム感を持たせることで、ワーム自体が水を噛んでくれる。これをうまく利用して、沈下スピードをコントロールしていこう。
レンジキープがたやすくできるので、コマセと同調させるよう、フォールスピードを調整するといいだろう。
今回のヒットカラーがこの2色。アミっこ(左)とUVムラムラっこ。マッチ・ザ・ベイトが重要だ。
ジグヘッドも2タイプを使い分ける!
スナイプヘッドは、横からの流れに対して抵抗を受けるのに対して、ピースヘッドは横の面が小さく抵抗が少ないため、直進性がアップしている。
潮の速さ、狙うボトムレンジ、アクションの違いなどを考慮して、この2つのジグヘッドを上手に使い分けよう。
八の字型のヘッドにすることで低重心化を達成。バイト時にも安定しているのでミスバイトを防いでくれる。
ピースヘッド、スナイプヘッドともにフックはフラッシング効果に優れる平打ちの金バリを採用する。
ディープ攻略最新鋭タックル
今回は大型アジが釣れているという事前情報があったため、リアクト58を使用した。
ティップは従来のリアクト同様に繊細なソリッド素材を採用し、少しの違和感も手元に伝えてくれる高感度仕様となっている。
また、大型のアジを掛けたあとのやり取りも十分にいなせるバットパワーも持ち合わせているため、今回も掛けてから慌てることなく、楽しんでやり取りすることができた。
リアクト58(テトラワークス)
【参考タックル】
ロッド:テトラワークス リアクト58
リール:ダイワ 22イグジスト LT2000S-P
ライン:東レ・モノフィラメント ソルトライン® スーパーライトポリエステル 0.3号
リーダー:東レ・モノフィラメント ショックリーダースムーズロック® プラス 4ポンド
ジグヘッド:テトラワークス スナイプヘッド 、ピースヘッド(0.5グラムから2グラム)
ワーム:テトラワークス デリー、バーニー、チビバーニー他
繊細なティップゆえ、少し軟らかいかな? と思えるが、実際にでかアジを掛けると、バットとベリーでしっかりとアジの引きを受け止めてくれるリアクト58
釣り施設テクニック
今回のような釣り施設では、日々の釣果が必ずSNSなどにアップされているので、釣行前に確認しておくといい。また施設の方に、どの辺が釣れているのかといったホットな情報をもらえることも多い。
ベテランエサ釣り師がいる場合は、その人の周りも良ポイントとなっていることも多いので、チェックしておこう!
周りのエサ釣り師の釣れ具合をマメにチェックしておこう。
釣り公園や釣り施設では、ホームページやSNSなどに釣果情報が掲載されるので参考にしよう。
Profile
萩原徹(はぎはら・とおる)
誰よりも豆アジを釣る(狙う)ことに生き甲斐を感じている、自他ともに認める「豆アジ愛好家」。小さいサイズ狙いのマイスターかとおもいきや、オフショアでは日本記録級のアジを狙ったり、マダイや青物のでかいターゲットを狙う、DUOテトラワークス責任者。
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