都市部で楽しむ時短アジング〜短期集中のお手軽プランをP!NKOがご提案!〜


福岡市は大都市であるいっぽう、その近くには渡船ですぐ行ける離島がいくつか点在し、それぞれでアジやメバルが狙えることは意外と知られていない。今回はそんな離島のひとつ「玄界島」を舞台に、地元のP!NKO氏が高効率時短アジングをご提案!



陸路より海路ですよ

 いよいよアジングベストシーズン。サイズ、数ともに期待ができる時期ということで今回訪れたのは、博多湾に浮かぶ玄界島でございます!

 あたくしが住んでいる福岡市には、都心部からスグの距離に釣り場が点在しており、1時間ちょっと車を走らせればイカで有名な呼子エリアや、九州と本州を繋ぐ関門エリアなど、アクセス面では抜群の立地を誇ります。ただ週末ともなるとアクセスしやすいため、そういった釣り場は人であふれております。

 そんなワケであたくしがよく行くのが、福岡の中心部からも近い離島群でございます!

 博多湾に浮かぶ能古島(のこのしま)や玄海島は、福岡市内から渡船場までバスでも行けちゃうので特にオススメ。それでいて釣れるターゲットもアジ、メバル、アオリイカをはじめキスやヒラメや根魚などが狙えて、なおかつ釣り場も人が少ないとくれば、こりゃもう行くしかないのであります!


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当日の釣行プラン

 今回のスケジュールは夕マヅメからナイトゲームを楽しむ欲張りショートタイムプランということで、16時45分発の博多→玄界島の船へと乗り込みます。帰りは19時45分の玄界島→博多便に乗るので、船の移動時間含めてジャスト3時間。船は片道約30分かかるので、実釣時間としては2時間弱といったところでしょう(ちなみに早めの便で渡ってデイゲームもおもしろいですよ)。

 えっ! そんな短い時間のためだけに片道870円の船使うんすか? という声が飛んできそうですが、その価値があるから行くんです(笑)。

 ハイシーズンの離島は魚種や魚影の濃さなどポテンシャルが非常に高いので、離島に行ったことがないという方にこそ、ぜひとも行ってほしいなぁと思います。船に揺られながら、どんな釣りをしようかニヤニヤしながら妄想を膨らませている時間は、まるで遠足が待ちきれない子供のように、おじさんのテンションも上がるばかりです。

離島へ行くまでのフェリーも楽しみのひとつ。



ジグ単、重め、強めで

 夕方のフェリーに乗り込み最終便で帰るスケジュールで、実際釣りができる時間は2時間弱と限られているため、なるべく夕マヅメだけで終わるよう、狙いをしぼったタックルを用意しました。ラインセッティングは強め、ジグヘッドは3グラムと重ためのものをベースに展開していきます。今回はやや安定性に難のあるシーズンの走りということで、マヅメ回遊がなかったときの保険にナイトゲーム用のタックルも準備しました。

 まずは潮通しのいいポイントでアジの反応をチェックしますが……あれ、なにもアタらない……。時間も限られてますんで、潮通しのいいポイントから堤防際を回遊しているアジに狙いを切り替えてみます。表層→中層→ボトムと段階的に探っていくと、ボトム付近で跳ね上げたあとのフォールでコツッというアタリをキャッチ! 無事に良型のアジが釣れてひと安心です。

夕マヅメまでの明るい時間帯は重ためのリグで強気に攻めてみよう。

日没間近にボトム付近でヒットしたアジ。



ナイトゲームは一転してスローに

 マヅメの釣りを楽しんだあとはそのままナイトゲームに移行します。常夜灯の下では小型のメバルでぱちゃぱちゃとにぎわってきたので、その下のレンジを探っていきます。

 マヅメのクイックなアプローチからスローなアプローチに変えるため、タックルをチェンジします。ジグヘッドは1.5グラム、ワームはピラピラピラリン2.1インチをそれぞれ選びました。任意のレンジまで張り気味のフリーフォールで落として、潮に乗せてサスペンドさせるイメージで流すとコツッといいアタリが出ます。サイズは夕方より少し小さくなりましたが、それでもまずまずの型をキャッチ。今回は明暗の暗部付近で反応が多かったため、ヒットパターンを再現していくこともできました!

 短時間という制約のなか、あの手この手を考えながら楽しんで、マヅメからナイトゲームまでの欲張りプランを存分に楽しみました。離島の漁港とはいえ、どこに投げても釣れるワケではないので、マヅメは潮通しのいいポイントや影ができているポイントなど、変化のあるポイントをテンポよくサーチしていくといいですね。そしてナイトゲームは、やはり常夜灯がカギになります。

これから本格的な春を迎えまさにハイシーズン。玄海島に限らず、近所に気になる離島があったら、ぜひぜひ行ってみてください。2時間あればアジングは十分楽しめますよ!

ナイトは爆釣モードに突入。軽めのリグでレンジを攻略していこう。




ルアーは剛柔で使い分ける!

 マヅメ時のワームの素材は、硬めでちぎれにくいものを使います。柔らかすぎるワームは、より生命感のあるリアルな動きをしてくれる反面、耐久性は弱くなります。特にマヅメ時はアタリも強く、アタリの数も多いので、回収するたびにワームがズレてしまうと効率は悪くなります。そのいっぽうでハリ持ちのいい硬めのワームをメインに使うと、ズレを直す頻度が減るのでオススメです。

 アジピンピン1.9はこの「硬めのワームでたくさんのアタリを処理する」というシチュエーションで最大のポテンシャルを発揮できるように設計してます。硬度が最適、そして1.9インチと小型でありながらボリュームを持たせたボディはアジの口の中に収まりやすいため、マヅメでは重宝します。

 いっぽうナイトゲームではスローなアプローチが多くなるので、アジピンピンより柔らかいピラピラピラリンに漂わせるようなアクションを加えるといった使い分けで狙っていきます。

いかにも柔らかそうなテールを持つピラピラピラリン2.1(写真上)はナイトゲーム用。いっぽういかにも張りのありそうなテールのアジピンピン1.9(写真下)はマヅメのスピーディな釣りに最適だ。



A.W.スイムヘッド(アクアウェーブ)

ジグヘッドの重さはマヅメは3グラム(写真上)、ナイトゲームは1.5グラム(写真下)をそれぞれ基準にする。食い渋ればさらに軽くすると効果的。




夕マヅメは強め重めで狙おう

 マヅメで数を伸ばす秘訣は効率化にあります。無駄な工程を省略していくことが釣果に直結するんですね。例えば私の場合、ラインセッティングはナイトゲームより1ランク、2ランク上げます。これはやり取りに時間をかけない、ラインを切られて結び直す時間をなくす、尺クラスまではタモ入れなしで取り込みたいというのが理由です。

 マヅメの釣り方はそんなにテクニカルではないので、最低限のライン操作ができて、アジの回遊があれば問題なく釣れます。また、ジグヘッドについては軽量でスローなアプローチよりも、重めのジグヘッドでクイックにアプローチすることが多いですね。ラインでもいえることですが、細ければいい、軽ければいいということではなく、状況にあわせた道具選びをすることがキモになります。要はなにに重きをおくのかということなんですね。マヅメの釣りは効率化に重きをおきたいので、手返しよくレンジを探り、掛けたらスピーディーに取り込むため、前述したような強めのライン、重めのジグヘッドを使うわけです。

明るいうちは強気でいこう。強めのラインと重めのジグヘッドでグイグイ押していけばトラブルは生じない。




暗くなってからのアプローチ

 日が暮れるのが早いこれからは、マヅメが終わったらそのままナイトゲームに突入します。本文中でもふれたとおり、今回はタックルをチェンジ、1.5グラムのジグヘッドにピラピラピラリンをセットして、常夜灯の下で小型メバルがパシャパシャしているさらに下のレンジを探りました。

 ナイトゲームは常夜灯付近がやはりアツいポイントで、明暗の境は特にホットなスポットです。マヅメ時に比べてスローなゲーム展開がハマることが多い印象ですね。アクションは大きく入れず、レンジキープをメインに展開していきます。

夜になったら昼間から少しギアを落とし、静かなアプローチに切り替える。両手に伝わる情報を見逃さずアプローチ。

攻め方自体はいつものナイトアジングと同じ。ただ終了時間がほぼ決まっているため、あまり長い勝負はできない。

街の灯りがもれてくるような本土の漁港と違い、離島の漁港は日が落ちると真っ暗になる。よって点在する外灯の価値も倍増。明暗の境目もこんなにくっきり!




強風を制するものはアジングを制する!

 これから北西の風が強くなる時期なので、風対策は必須になります。キャスト時はふわっとした放物線より弾丸ライナーのような低い軌道で飛ばすことで、着水後のイトフケを極力出さないようにします。サミングするのが基本ですが、難しい方は着水後にリールを巻いてラインを張るといいでしょう。そのあとのフォールでは、ロッドを下に向けてティップから出ているラインと海面との距離を短くしてあげると、風にあおられにくくなります。

 風の向きが横殴りだとラインが風を拾う面積が広くなり、ラインはさらに強くあおられるようになります。この状態でロッドを立てるとラインが浮いてしまい、ジグヘッドが沈下しないなんてこともあります。対策としては、ロッドを下に向けたままリトリーブをしたほうが影響を受けにくいですが、風に向かって正面に投げることができれば、さらに影響をおさえることができます。

 ラインがあおられすぎるとテンションが維持できなくなってアタリが拾えず、自身が投げたコースからだいぶ外れたりしてしまいます。よって、風対策ができれば釣果にも直結します! あとは、単純にジグヘッドを重くするのも効果的です。強風時は一度試してみてくださいね!

ピラピラピラリン2.1がきれいに折れ曲がってアジの口中に収まっている。理想的なフッキングパターンだ。

風が強い場合はロッドティップはなるべく下げ、空気中に出たラインを極力短くする。下向きになったティップとラインの角度が一定以上になるよう維持しておけば、ラインテンションが途切れることもない。

ロッドティップを高めに構えてしまうと、どうしてもラインの露出部分が長くなってしまい、それだけ風の影響を強く受けるようになる。だが、風が弱ければ通常はこれでいい。

人は少ないのにアジはたくさんいるのが離島アジングの魅力のひとつ!




Profile

P!NKO

愛称は「ピン子」(ピンクのワームが好きだから⁉)。幼少のころは自転車バスフィッシングにハマり、社会人になってからは磯でのフカセ釣りやイカダのかかり釣りにハマり、オジさんになった今は年間釣行の9割がアジングになるほどこの釣りにハマっている。