「今年の房総アジングは調子いいよ〜」という地元アングラーの前情報から一転。数日前に降った長雨の影響で、実釣当日の外房の海は白濁状態。このコンディションのなか「これは困ったなぁ〜」と悪銭苦闘しながらもチャレンジしてくれたのは、房総アジングで毎度釣果を引きずり出している鈴原ありささん。今回はこの濁りのなか、日中・夜のそれぞれを、どのようにチャレンジしていったのかを紹介していただきましょう。
外房エリアは私にとってのアジング聖地!
ここにきてぐっと暖かくなってきましたね(花粉がすごいけど……)。みなさん釣りに出かけていますか? この季節、わたしのアジング修行開幕シーズンでもあります。
毎年この時期楽しみにしているのが外房のアジング。この釣りは、わたしのなかではいちばんといっていいほど頭を使う、とても奥深い釣りです。昔は、アタリがない=魚がいないという考えでしたが、たくさんの方からいろいろ教えていただくことで、その考えが覆されるという体験をしてきました。外房のアジングは、わたしにとって思い出が詰まっている釣りのひとつです。
これからの季節は、徐々にではありますが水温も上昇しはじめ、元気なアジを狙うことができます。
今までも、お天気や潮周りがいいときなど、タイミングが合えばイージーに釣れることもありました。活性が高いときは、常夜灯周りでアジが泳いでいるのを見たこともあります。アジングパラダイスといわんばかりに釣れ続ける日もあれば、1尾釣るのにも苦労したり、さまざまなアジングをこのエリアで経験しました。いつ来ても新しい発見があって、釣行回数が増えるごとにどんどん面白くなってくるんですよね。ライトゲームのなかでも、特に繊細なんじゃないかな? とも思います。
今までだったら、アタリがなかったらすぐに移動していましたが、もしかしたらなにかが違うのかも? と、粘って釣果に繋げられるようになったのは、まさに外房アジングのおかげです。
関東でも、特に外房は人気のエリアですよね。激戦区でもありますが、そんななかで釣りをしていると、ジグヘッドの重さ、ワームのカラー、レンジやアクションなどが、どれほど大切かがわかります。なによりやればやるほと面白いので、続けていくうちにアジングの繊細さに虜になっちゃった、というわけですね。
毎年この季節になると通い詰めるのが外房エリアでのアジング。わたしのアジング聖地です♪
実践濁り攻略
今回も地元のアングラーの方から「今、結構釣れているよ〜!」と連絡をいただき、外房へ行ってきました。今回はどんなアジングになるかなぁとドキドキです。
しかし実釣の前から、連日雨が降ってしまいました。しかも結構な大雨……。もしかしたら、状況が変わっているかもしれません。当日は少し早めに行って、明るい時間帯からスタートすることにしました。
この日は満月の大潮。ポイントに到着すると、エサ釣りの方がたくさんいます。しばらく様子を見ていましたが、アジが釣れている気配はありません。雨はやんでいたものの海が白濁していて、これはいつもに増して厳しい修行になるかもと思いながらも、楽しみな気持ちも混じります。
「さて、今回はどうやって釣ろう? 以前通用したテクニックは通じるのかな?」と、試したいことがたくさんあるのです。少しずつ引き出しが増えていくと、どんな釣りでもどんどん楽しくなりますよね。
前日の本降りの雨の影響でこの日は濁り潮……。まいったなぁ〜〜
デイアジングからスタート♪
タックルを準備していると、地元のアングラーさんから「今釣れたよ〜!」と連絡が。えっ、もしかしてこんな状況だけど、アジングパラダイスが待っているパターンかも⁉ と期待を膨らませ、急いで準備します。
いつものごとく風が強かったので、少し重めのジグヘッドタケちゃん1.2グラムにアジエースのクリアチャートをセット。明るい時間帯は、なるべくボトム付近まで沈めます。
チョンチョンとアクションさせてカーブフォール、基本はこれの繰り返しです。すると、数投でコツンと明確なアタリがあったのでアワせてみると、さっそく本命のアジゲット! こんなすぐに釣れるなんてビックリ。明るい時間帯に釣れたことがあまりなかったので、とてもうれしかったです。しかもきれいなアジ。もしかして、デイアジングで爆釣しちゃうのでは? と淡い期待に笑みがこぼれます……が、先にいっておきます。甘い考えでした(笑)。
そのあとは、ワームのカラーをいろいろ変えて同じように探ってみるも、まったくアタリがありません。ちょうど潮止まりだから反応がないんだよね……と自分に言い聞かせて続けていると、あっという間に暗くなってきました。結局明るい時間帯は、最初の1尾以外はノーバイトとなってしまいました。風もどんどん強くなってきます。ここで、少しでも風の影響を受けにくい場所へと移動します。
幸先よく!? 開始からわずか数投でキャッチした本命アジ。今日は爆釣かな??
夜も濁りのなかでチャレンジ!
常夜灯も効いてきたので、明暗を中心に狙います。この間、ジグヘッドの重さを超軽量の0.4グラムにしたり、ワームをカラーローテーションしたりもしましたが、全然アタリがありません。どんどん時間だけが過ぎていきます。
う〜ん、厳しいなぁと悩みましたが、ここで「やっぱりクリアチャートだったから釣れたのでは?」とふと思い、再度チャートカラーに戻しました。また、いつもならこの時間帯になると表層のほうを探っていくのですが、連日の雨による真水の影響を考慮し、なるべくボトム付近を狙うようにしました。
すると、小さくコツコツとアタリがあり、アワせると乗りました〜。バレないで〜とドキドキしながら巻き、やっとこの日2尾目が釣れました。思わずガッツポーズ。最初の1尾から数時間の沈黙を破ることができて、本当にうれしい〜! やはりカラー選びって大切なんだなぁと、改めて実感しました。
このあと地元のアングラーの方とお話ししましたが、雨の影響で魚も移動しちゃって少なかったのかもね、とのことでした。昔の私だったら、昼の1尾で終わっていたことでしょう。がんばった甲斐がありました。
今回の釣行も、私にとっては修行といえる厳しいものでしたが、そのぶんまたいろいろ学ぶことのできた貴重な体験でした。やっぱりアジングって、やればやるほど楽しい釣りですね。もっと引き出しを増やすために、来年もチャレンジしたいです♪
夜の部突入。だいぶ暖かくなってきましたけど、まだまだ朝と夜は冷え込みます。暖かい格好で楽しみましょう♪
濁り時のアジの活性
濁りが強過ぎると魚が移動してしまったり、ルアーを見つけにくくなるため、釣果に結び付けるのが難しくなってしまいます。今回は連日の雨によって白濁していたので、かなり難しい釣りでした。また、魚自体も少なかったように感じます。
一方で、濁りはデメリットだけではありません。多少の濁りであれば、プレッシャーが少なくなるため、逆に好釣果に恵まれることもあります。
幸先よくクリアーチャートでヒットしたものの、その後はバイトなし。そこでいろんなカラーのルアーを試していきました。
釣れないからといってあきらめずに、手を変え品を変え探っていきました。
濁り攻略:アクション編
今までは、日中はボトム付近、夜は表層からと、それぞれざっくり探っていくパターンが多かったです。しかし今回は、連日の雨で表層は真水の影響が強くなっていると考え、昼も夜も、なるべく雨の影響が少ないであろうボトム付近を中心に狙いました。
また、濁りの中でよりアピール力を出すために、チョンチョンとアクションさせたらピタッと止めるなど、メリハリのあるアクションを意識して釣りをしました。
日中は少し重めのジグヘッドタケちゃん1.2グラム(左)、夜はアンダー1グラムのジグヘッド(右)で攻略していきました。
クリアーチャートは、もう私の房総アジングでは欠かすことのできないカラーとなりました。
この日は大潮満月。曇りならよかったのに、ごらんのとおり満月が丸々出ていました。
濁り攻略:ワームカラー編
釣り場の状況によって、ワームのカラーローテーションはとても大切です。私の場合、明るい時間帯や活性が高いときは、ナチュラルなクリアカラーを使用します。
逆に濁っているときや活性が低いときは、チャート系やグロー系のワームを選ぶようにしています。
いろいろなカラーで探るほどパターンが見えてくるので、カラーバリエーションはたくさん準備しておくことをおすすめします。
1グラム以下のジグヘッドに濁り対策のチャートカラーのワームをセットして狙っていきました。
・チャート(#09クリアーチャート・H)
釣り人からも魚からも視認性がいいカラーです。濁りにも強いといわれています。グローほどアピール力を出したくないけど、目立たせたいときに使用します。今回の当たりカラーでした(写真左)。
・グロー&ケイムラ入カラー(#04ケイムラグローパール・S)
ラインナップのなかで最もアピール力が強く、真っ暗な場面や存在感を出したいときに力を発揮してくれます(写真中)。
・どクリア(#01クリアー・S)
ナチュラルに誘いたいときや常夜灯周りでよく使用します。どんなフィールドでもなじみやすい万能カラーです(写真右)。
なんとか絞り出せた2尾目のアジ。1尾目から長かったぁ〜!
アジエース(スミス)
水を適度に噛み、しなやかに曲がるアジング専用ワーム。強風のなかや足場の高い釣り場でも安定したアクションを演出させるため、メインボディにスタビライザーを装着。テール付近にくびれを持たせたことで、繊細なロッドワークにも機敏に反応してくれます。
アジングワームのエースとなるべくして誕生した「アジエース(スミス)」。
ボディ部にはリブに加えてスタビライザーを設け、ほどよい水噛みを可能にしています。
扁平ボディは、ジグヘッドのセット次第で、アクションやフォールスピードを変えられます。
日中は1グラムオーバーのジグヘッドタケちゃん(スミス/写真右)でリアクションの釣り、そして夜は、より繊細な釣りへとシフトするためにアンダー1グラムのジグヘッドに変更して狙っていきました。
今回のタックル
ベイライナーAJ(スミス)
ライトゲームロッドの先駆的存在、ベイライナーシリーズのアジングモデルです。攻略の多様化に合わせ、年々ハイレベル化が進むアジングシーンにも対応できるスペックが盛り込まれるようになったシリーズです。
ラインナップは2タイプ。激戦区のショートバイトをフッキングに繋げる、超高感度のジグ単専用モデルBL-642L-T/AJ。そして違和感のない喰い込み性能で深いバイトをもたらす、フルソリッドカーボンのBL-551XUL-S/AJです。
フルソリッドカーボンのBL-551XUL-S/AJは、タフコンディションであるほど真価を発揮してくれます。
Profile
鈴原ありさ
ニックネームは「arico」。渓流からソルトまで、陸っぱりからのルアーフィッシングをメインに、日本全国で釣りを楽しんでいる。スミス・フィールドスタッフ、Hapyson・フィールドテスター、サンライン・フィッシングガール、Foxfi reのサポートを受ける。
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