ジグヘッドローテーション徹底解説/三陸アジング最新攻略術

THIRTY34FOUR ウエイトタックはジグヘッドを機能的に収納できるスグレモノ。手数アップで超過もアップ!


令和6年12月下旬に訪れた宮城県牡鹿(おしか)半島アジングの最終編。前日、そして今日の日中、魚影を探索しながらアジを探った伝道師・家邊克己さん。これまでの情報をもとに、より効率的にゲームを進めようと小さな港にやってきました。強風に苦労しながらも、あの手この手で三陸アジを爆釣したキモはジグヘッドのローテーションにありました!


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PROFILE
家邊克己

やべ・かつみ:アジを求めて日々全国(時には国外!?)を駆けまわるアジング伝道師。寝るのは主に移動時間!? というハードスケジュールのなか健康を保つ秘訣は「たくさん食べること!」だとか。THIRTY FOUR(サーティフォー)代表。

今夜のポイントはこの堤防。最初は付け根付近から始めて最終的には先端の常夜灯下でともに爆釣した。


ナイトゲームでアジ探索

 すっかり辺りが暗くなったタイミングで、目星をつけた常夜灯ポイントにやってきた家邊さん。

「いまは干潮です。ここは浅いのですけど、これから潮が上げてくるので、多分ここへ入ってくるのですよ。横風ですから、まず1.3グラムぐらいから始めて、それから状況に応じて重さを変えていきます。0.8グラムとかでは、多分この風だと飛ばされると思うんですが、真っ正面からも風が吹いてきているので、そうなると1.3グラムじゃ重いかもしれません。やってみないと分からないので、とりあえず1.3グラムから始めます」といいつつ、タックルセッティングを整える。

「今日のロッドはスペシャライズSFR-51です。軽いジグヘッドに特化したロッドですので、こういう状況のときに使いやすい。5フィートの長さが短いんじゃないかと言われる方が結構おられるのですけど、全然問題ないです。これぐらいの高さの堤防でも全く影響なく使えます。ラインはピンキーの0.25号で、リーダーがジョイントラインの1.2号ですね。ジグヘッドがストリームヘッドの1.3グラムにワームはオクトパスの「にじ」で最初はやりたいと思います」

最初に入った堤防付け根はこんな浅場だったが、少し先のブレイクにアジが溜まっていた。


 この日は強風ゆえ、風が回って四方八方から吹いてくるので、ヘッドの重さをしょっちゅう変えないと釣りにならないかも分からないので、臨機応変にやっていきたいという家邊さんだ。釣り場の足元は水深1.5メートルからから2メートルぐらい。小潮の干潮だ。これからが潮が上がってくる状況なので、それにともなって魚が入ってくるとの予想だ。

「釣れてくれればラッキーです。上に電線があるので、投げるときは気をつけてください。斜めに振るような感じでやっていけばいいです」と、逆サイドからキャストした家邊さんは、一投目からアタリをキャッチ。

「おりましたね。浅いところでしたけど結構いいアジです。ど表層を狙ってたんですけど、そこで食ってきました。簡単でした。ルアーはストリームヘッドの1.3グラムにオクトパスのにじです。風が手前に吹き溜まっているので、こっちにアジが寄るんでしょうね。こういう泡が溜まっているところへは、餌とアジも溜まりやすいです」

 数メートル先にブレイクラインがあって、その際にアジが溜まっているようだ。このあとも連続ヒットを稼ぐ家邊さんだ。

 風でキャストや操作はある程度邪魔されるが、それでもレンジキープはできるという家邊さんは、風の強弱に合わせてラインスラックを調整しながらレンジをキープしている。ラインは弧を描いているが、ピンキーのような高感度エステルラインを使っていればアタリは確実に伝わるとのこと。

良型アジが連発したが、これもジグヘッドのウエイトローテーションが功を奏してこその釣果だ。


ジグヘッドの重さをアレンジ!

 釣り始めてすぐにアジを4連発させた家邊さんは、ここでジグヘッドの重さを軽くしてみることに。

「1.3グラムでやっていればずっと釣れ続くと思いますが、あえて0.5グラムに軽くしてみます。この強風で0.5グラムを使う人はいないと思いますが、アジの反応を見るためにやってみます」という家邊さん。試し事は釣れるときにやるのが原則だ。

 軽量ジグヘッドはこの場所のようなシャロー攻略に向いているという家邊さんは、まず正面にキャスト。向かい風ということもあり、アジが着いているブレイクまで届かないのでアタリはない。それではと近場のシャローをゆっくり誘うと、アジとは違うトルクフルな引きの魚がヒット。上がってきたのはムラソイだ。干潮時のシャローに多い魚である。

「まだ浅いのでアジが足元に寄っていないようです。では今度はジグヘッドを2gにしてみます」という家邊さんは、ストリームヘッドTG 2グラムにワームは同じくオクトパス1.8インチ(にじ)をセットした。ここで重要なのは、変えるのはジグヘッドだけにすること。ワームを変えてしまうと、反応の違いが確かめられないからだ。ワームを変える主目的は「重さ(フォールスピード)によるアジの反応の違い」を確かめたいからだ。

 さっそくキャストを開始。2グラムのフォールスピードを検証開始したが、アジの反応はなし。しばらく続けるが、釣れるのは根魚ばかりだ。

「2gは重いので底の魚が食ってしまいますね。遠くは狙えますが、アジの着き場は数メートル先のブレイクなので、飛距離はそんなに必要ではありません。そこを2グラムのフォールスピードで誘いますが、反応が悪いです」という家邊さん。

数メートル先のカケ上がりにアジが溜まっていたと説明する家邊さん。


適正ウエイトは変化する!

「2グラムがいまいちなので当たりウエイトの1.3グラムに戻します」そいういって再び検証を開始した家邊さんだったが、最初にヒットしたのはムラソイだった。そしてその後もアジが釣れる様子はない。

「1.3グラムであまり釣れなくなりましたね。どうやら干潮の潮止まりのようで、それも影響しているようです。ただ、アタリはあるのですが、アワセが決まらなくなりました。掛けそこねたりバレるという状態は、フォール速度が合っていないからアジが食い損ねているからなんです。ということで、今度はストリームヘッド0.8グラムにオクトパス1.8インチ(にじ)の組み合わせで、1.3グラムよりスローに誘ってみます」という家邊さん。

 リグが軽いので、風の止み間にキャストする家邊さんは、程なく狙い通りにアジをキャッチ成功。その後も連発させて見せてくれた。

「今日のアジの群れ自体は、それほど多くはない印象ですね。そんなときほど、スローなフォールでゆっくり見せるのが重要です。そしてこのポイントが浅いということもありますが、今日は一貫して表層でヒットしますね!」という家邊さんは、その後もアジ、ソイなどを五目釣り状態でヒットを重ねる。と

今度はソイ。いろいろ釣れます!

「アジングのジグヘッドローテーションでは、アタる重さを見つけたらしばらくは固定することが大切です。現時点では0.8グラムがベストです。釣れている間は無闇に変更しないこと!」(ただし今回のように意図があってリグを変えるのはあり!)

0.8グラムジグヘッドに替えて再び連発モードに突入した。


アジングと他の釣りの違い

「アジングを他のルアーフィッシングと同じように考えていらっしゃる方が多いんですが、それは違います。例えばブラックバス釣りは人間と魚が一対一で、しかもリリースを繰り返されてスレまくっています。対してアジングの場合は、人間とアジは一対百とか千なんです。おまけにアジはいっさいスレません。そんなスレていないアジをいかに釣るか? これがアジングという釣りなんです」という家邊さんは続けて、

「アジはルアーを餌だと思っているので、それを意識して操作します。プランクトンがアジの主食ですが、これらは海の中を漂っているだけなんです。したがって、ワームも同じようにじっくりアジに見せてやることが重要です。マズメに小魚を追いかけているアジはリアクションバイトしますが、ナイトゲームはゆっくり誘ってじっくり見せるのが正解です」と説明してくれた。

このゴミといっしょに漂っているプランクトンとワームを同調させ「餌と見せかけて」アジに口を使わせるのがアジングの醍醐味だ。


風向きでポイントが変わる!

 しばらく釣っているとアジのアタリが遠くなってきた。

「さっきから風向きが変わって、主に正面から吹いていたのが、右から左へと吹き出しました。おそらく、手前に溜まっていたプランクトン類が、風に運ばれて堤防沿いに左の方に移動したんだと思います。我々もそっちへ移動してみましょう」という家邊さんは、堤防先端に釣り座を構えた。

 ここは水深がありそうなのと、今日初めての場所なので、上から順にアジのタナを探っていく。キャスト後はラインを張らず緩めずでフォールさせていき、アタるタナを探すという方法だ。すると、一投目からアタリをキャッチ!

「やっぱりアジはこちらに移動していましたね。ヒットレンジは0.8グラムジグヘッドで15カウントでした。いいサイズのアジですね!」そう言うと、引き続き攻略を続行。カウント10~15でアジが連発させる家邊さん。その後、深いタナも探ってみたところ、25カウントで良型のメバルがヒット。まだまだ釣れそうだったが、氷点下の気温に強風が重なり、体が音を上げ始めた家邊さん。

「寒くてもアジは元気! でも人間がそろそろ限界です! それにしても三陸エリアはアジとメバルの宝庫。冬でもこんなに釣れるパラダスのようなところです。リアス式海岸はポイントも無数で、釣り場開拓するのも楽しいと思います。みなさんもぜひ、このエリアを訪れてアジングを楽しんでください。ただし、なにはなくとも迷惑駐車・ゴミ放置・大声でしゃべるなどはご法度です。マナー厳守で楽しいアジングが末永く楽しめるように心がけましょう!」

堤防先端でも狙い通りにアジの釣果を重ねていった家邊さん。


●参考タックル

〈ROD〉THIRTY34FOUR SPECIALIZE SFR-51
〈REEL〉スピニング1000番
〈LINE〉THIRTY34FOUR ピンキー 0.25号
〈LEADER〉THIRTY34FOUR ジョイントライン1.2号

〈JIGHEAD〉THIRTY34FOUR ストリームヘッド0.5~1.3g

〈WORM〉THIRTY34FOUR オクトパス1.8in

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