トミー敦のハイテクメバリング〜常夜灯下で数を釣り、良型メバルは闇で釣る!〜


暖かな陽気を感じる春、いよいよメバルの本格シーズンに入ってきました。しかし、毎回好釣果というわけにはいきません。ときには繊細な釣りや、それとは真逆となる大胆な釣りをしていかないと、メバルのバイトを得ることはできません。今回は、そんなハイシーズンながら気難しいメバルをキャッチするための、明暗攻略を紹介しましょう。


春真っ盛り! メバルの活性は上昇傾向

 冬の産卵期に消耗した体力を回復するため、水温が上昇するタイミングに合わせてメバルがエサを活発に捕食しはじめる春。いよいよメバリングの最盛期へと突入してきました。メバリングの魅力はなんといってもヒットまで導くための駆け引きと、掛けたときの引きの強さといったところでしょうか。メバルが夜な夜なあの大きな瞳をギラつかせ、自分の信じたルアーを追いかけてくる姿を想像するだけでワクワクがやみません。

 さて、こんな最盛期にメバルを狙うポイントは数多くあります。漁港内のような身近な場所から、磯、ゴロタサーフといったゲーム性の高いテクニカルな場所までさまざまです。メバルを狙うには、まずはメバルが居着く条件を見つけだしていくことが大切です。

 この「メバルが居着く条件」がわからない! という方もいるかと思いますので、そこから解説していきましょう。

 まずは、地形の変化に注目します。具体的には、シャローエリアとディープエリアが隣接している場所は狙い目です。メバルは水温に応じて、自身の居場所を変えます。基本的には低水温を好みますが、水温が10度以下と極端に低くなる厳冬期は、少しでも水温の安定している深場やボトム付近に移動して、ジッとしている傾向があります。当然このときの活性は低めで、口元まで静かにエサ(ルアー)を送り届けてあげないと、バイトはしてきてくれません。

 一方水温が上昇するとともに、メバルはエサを捕食しにシャローへとさしてきます。ただし、ディープからシャローへの移動距離が長すぎると、メバルの釣果が安定しません。長くても数百メートルほどと思っていてください。ディープとシャローがこれ以下の距離で隣接しているようであれば、メバルを狙うポイントとしては合格点をあげてもいいでしょう。

 また夜の常夜灯下は、いわずもがなメバル狙いの一級ポイントとなります。明かりに寄せられたアミ系のベイトを、メバルが捕食しにくるためです。このときのメバルは、比較的活性は高めです。表層でライズしたりするので、レンジ攻略が大切になってきます。

 このように、メバルが狙えるポイントを理解することで、むやみにポイントを叩くことがなくなり、より効率的に狙えます。

できれば明るい時間帯からポイントに入り、地形の変化などを事前に確認しておくのがおすすめ。



使うリグも多彩

 メバルをルアーで狙うには、多彩なアプローチがあります。レンジやベイト、潮流など状況にアジャストさせながら、プラグやジグヘッドリグ、メタルジグなどを駆使して狙っていくのが、メバリングの醍醐味といえます。

 これらリグの使い分けですが、まずは高活性なメバルへアプローチするため、プラグなどの大きい波動を出せるルアーから使うのがおすすめです。いきなりジグ単のスローな釣りから展開してしまうと、もしそれに反応がなかった場合、次の一手に行き詰まってしまうからです。まずは波動のしっかり出るアピール系のルアーで、広範囲を探ることから始めましょう。

 表層付近をゆっくり漂わせるときは、フロッパーやビッグヒップといった比較的巻き抵抗の少ないプラグで、スローなアクションを入れて探ります。ときおり波動の違うルアーを織り交ぜ、見せ方を変えてあげるのも効果的です。また、日中など日のあるタイミングでは、リアクションバイトが期待できるバイブレーションやブレードルアーがおすすめです。

 プラグで反応が薄かったり、それに反応する個体を釣りきったら、ここではじめてジグヘッドリグの出番です。プラグのフォロー的な位置づけで使うわけですね。このときトレースコースは、キャストごとに変えることが大切です。広大なポイントのなかからメバルの居場所を見つけるためにも、立ち位置から扇状にキャストしてみましょう。

 メバルはアジと違って、落ちてくるものより漂うものに反応します。そのため、メバルが反応してくるレンジから外れないようにリグをキープできるか、これで釣果が決まります。ジグヘッドリグは、そのままなにもしなければ沈んでいくので、リトリーブスピードを調整し、一定のレンジをキープするように狙っていきましょう。

ジグ単リグだけではなく、表層ライズなどにも対応できるようプラグ類も用意しておきましょう。




メバル狙いの2タックル

 当然のことなのですが、メバルを狙ううえでタックル選びは非常に重要です。繊細な釣りをするのか、それとも大型の個体を狙うか、目的に応じてロッドを選びましょう。昨今の細分化されたロッドを自分なりに選ぶことも、メバリングゲームの楽しみでもあったりします。

トミー敦 おすすめのメバリングロッド!

SRAM UTR-61HS-T2 MasterPiece(TICT)

軽量リグの操作性を高めたワンピースロッドをコンセプトに、ピーキーと呼べるテーパーデザインを採用したハードソリッドロッド。本来はアジ用ですが、軽量ジグヘッドを使用したシビアなメバリングでも、バツグンの感度による掛けを可能としてくれます。

ジグ単リグをメインにしたSRAM UTR-61HS-T2には、エステルラインのジャックブライト(TICT)の0.3号をセット。

ジグヘッド単体から軽量メタルジグ、そしてフロートやキャロまでさまざまなリグを操れる器用さがウリのロッドです。バットはトルクがあるので、多少の強引なやり取りをしても、のされることなくファイトできます。

アイスキューブ74PTには、ハードプラグや中間リグの使用を想定し、PEラインのライム0.25号をセット。




日中はリアクションの釣り

 日中は、藻場やストラクチャー周りを中心にタイトに攻めましょう。リアクションで狙うことが多いため、ルアーはアピール力に優れたメタルブレードやバイブレーションがおすすめ。またハードルアーは、フグ対策としても有効です。

ベイトがいれば日中でもチャンスあり。あきらめずに狙っていこう。

日中は定番のカサゴがボトムで好反応♪

リアクションの釣りで活躍するスピンボウイ(左)とプラバン(右)。




常夜灯下のレンジ攻略

夜の常夜灯下では基本スローな釣りが主体となる。


 常夜灯下では、まず水中をしっかりと観察することが大切です。そのためにも、できれば日中にそのポイントを下見しておくといいでしょう。この下見をしておくことで、夜のメバルの動きが予測でき、的確にアプローチすることができるようになるのです。

 常夜灯下でのアクションは、ジグヘッドもプラグも、潮に乗せて漂わせるように操作します。逆に、硬い動きや速い動きで違和感を与えるような誘いは、スレを進行させてしまうので控えましょう。

仲間がいれば、別々のアプローチで試すのが釣果への近道だ。

今回の釣りをサポートしてくれた、ティクト アンバサダーの谷野さん。かなりのペースでメバルを釣り上げています。

すこしずつメバルの活性が上がってきました。このサイズでも楽しめます。

良型狙いには太ジグフック採用のメバスタ!がおすすめ

水馴染みのいい流線型ヘッドが、巻きの釣りでナチュラルに魚を誘います。太軸のハイカーボン素材のフックは、バツグンの刺さりのよさと強度を実現。


アジボッコ(TICT)

独特なボディの波動と微波動テールが、ライトゲームのターゲットを魅力します。




常夜灯下のライズ撃ち

 突然起こるライズ。アングラーのテンションは一気に高まります。しかし、目の前で起きているライズを冷静に見極めることが大切です。次のライズが起こる位置を予測して、その潮上にルアーをキャスト。そこから潮の流れに合わせてロッドをコントロールし、ライズするポイントにリグをピンポイントで送り込んでいきましょう。

表層ライズ組にはプラグでハイアピール&ロースピードで狙いましょう。


タダ巻きだけでメバルが釣れてしまうビッグヒップ(TICT)。

ルアーローテなど灯りが必要なときは水面に灯りが当たらないようにしよう。赤色LEDならさらによしです!

星空の下で静かに釣りをするのが楽しい季節ですね。




ビッグヒップ(TICT)

遊泳力の弱いコイカや漂うアミまでも模せる形状。その名の通り大きなお尻でメバル以外のターゲットにも訴求する。




闇場は良型狙いのチャンス!

 手軽に狙える漁港とは違い、暗闇のストラクチャーが点在する場所や磯絡みの場所には、大型個体が居着いているものです。

 闇場ゆえ、夜に入ると状況を把握するのに手こずるはずです。そのため、あらかじめ空撮写真などでポイントを確認し、ルアーのトレースコースなどをシミュレーションしておくといいでしょう。

 また闇場のメバルは、ライトの灯りにシビアです。リグ交換時には海を背にして、水面にライトの灯りを当てないようにするなどの配慮も大切です。

ビッグヒップは闇場の大物狙いで使うのもおすすめです。

対岸の街の灯りに癒やされながらのメバリングを満喫中です。

Profile

富永 敦(とみなが・あつし)

愛称は「トミー敦」。富山県出身、大阪市在住。1984年生まれ。幼少のころ、近所の海辺で出会ったウキフカセ釣りに魅了されたのをきっかけに、渓流のトラウトからソルトルアーまで幅広く釣りを嗜む。TICT開発、広報を担当。TVや雑誌取材で全国を走りまわり、アジングやメバリングなどのライトゲームを中心に、その魅力を啓蒙中。