「サクラマスジギング」近年人気急上昇のオフショアゲームだ。サクラマスはヤマメの降海型で、その精悍な容姿、独特なファイト、極上の食味が多くの釣り人を惹きつける要因だ。そんなターゲットに着目した村上晴彦さんが、ファーストフィッシュをキャッチしたときの模様をお届け!
この精悍な魚体。一度釣ったら虜になる!
PROFILE
村上晴彦
むらかみ・はるひこ:ブラックバスからソルトゲームまで、幅広いジャンルの釣りに精通する元祖カリスマアングラー。常吉リグ、ネコリグの考案者であり、独自のセンスで爆釣リグを発表し続ける。ISSEI海太郎のデザイナーを務め、新製品の開発を手がける。
サクラマスリベンジ
令和5年3月。元祖カリスマアングラーにして、いまなお業界最先端を突っ走る村上晴彦さんがやってきたのは、青森県下北半島。ここから乗合船に乗って狙うのは近年大人気のサクラマス。これをジギングで狙っていく。船宿は野牛港の㐂久丸(喜久丸)にお世話になった。
【船宿MEMO】㐂久丸(喜久丸)最新設備搭載で快適な釣りができる。
「先シーズンからサクラマスジギングに挑戦していましたが、これまでは合計4回釣行していまだ釣果なし。これが5回目のチャレンジになります」という村上さん。
使用ルアーはネコメタル・サクラマスSPを用意。「現地視察では派手めなカラーが好釣果につながっていた」とのことで、カラフルなネコメタルがルアーケースに詰め込まれている。
「僕は普段はあまりダブルアシストは使わないんですが、サクラマスの場合はゆったり見せて、掛かったあとは体をくねらせてファイトするので、フッキングと取り込みで有利になるように、フロントとリアにダブルのアシストフックをセットしています」という村上さん。
タックルは3パターンを用意。BEAT 10th Anniversaty OGAI model 606-2、DAIWA ハートランドZ 671MLFB-STスモールプラグSPの2本のベイトタックルを主軸に、ISSEI海太郎「碧」IUS-70LS/LG-Offshore2スピニングモデルを軽くキャストしての斜め引き用に用意した。
[LURE]ISSEI海太郎 ネコメタル・サクラマスSP
[ROD]BEAT 10th Anniversaty OGAI model 606-2
[ROD]DAIWA ハートランドZ 671MLFB-STスモールプラグSP
[ROD]ISSEI海太郎「碧」IUS-70LS/LG-Offshore2スピニングモデル
「寒い。気温2度!」といいつつ釣りを開始した村上さんだが、サクラマスは早春のまだまだ寒い時期がハイシーズンなのでやむを得ない。まずは、スローなワンピッチジャークで様子見する村上さんだが、この日は全体的に渋い様子で、船内全体を見渡してもアタリが出ていない。
「ラインシステムはPE1.5号にリーダーフロロカーボン6号、もうワンパターンはPE0.8号にリーダーフロロカーボン5号でセッティングしています。これにつないだジグを、なまめなしくアクションさせてサクラマスにアピールするイメージでゆったりしたワンピッチジャークを心がけます」という村上さんだが、意に反してアタリがないまま時間が過ぎていく。
釣り場は下北半島沖。サクラマスの時期は船団で賑わう。
待望の初対面!
水平線に日が昇ると、周囲にはサクラマス船団が見える(大人気!)。この明るくなってきたタイミングで、船内でポツポツとサクラマスがヒットするようになってきた。「あっ、釣れてる」と、周囲を観察しながら引き続きシャクり続ける村上さんがなにかに気づいた様子。
「あれ、なに? ボイルした。あんなことするんだね」
村上さんが指指す方向に目をやると、水面でサクラマスがジャンプしている。マス類特有の「ヘッドアンドテイル」のライズだ。
「タナは45m」と船長のヒットタナアナウンスを聞いた村上さんは、55mまで落として45mまで巻き上げて、誘い終えたら再びフォール&誘い上げ……ゆったりしたワンピッチジャークでひたすらこの動作を繰り返す。
「なにかコツはありますか?」と言う村上さんに対しての船長の答えは「シャクるのみ!」苦笑しながらシャクり続ける村上さんだ。
ここでまたまた船内でヒット! 「タナは50m」「タナは45m」という具合に、船長がこまめにヒットレンジを指示してくれる。連続で釣れ始めた。
「いま釣らないとあかん!」時合とうらいを感じた村上さんは、ここで改めて集中力を高めていく。そしてついにヒット!
「軽いな、違うやつか?」といいながら水面に姿を表したのは本命のサクラマスだ。サイズが小さめだったこともあり、素早く抜き上げて取り込み成功!
「やった! やった!」人生初のサクラマスに村上さんの喜びもひとしお。ヒットルアーはISSEI海太郎 ネコメタル・サクラマスSP #045 グリオレゴールドドットグローの120グラムだった。
「ヒットレンジは35m。グリオレゴールドドットグローにきました」
開始から約2時間シャクり続けた甲斐があったというものだ。ただ、このあと再び沈黙の時間が続いた。
ゆったりしたワンピッチジャークでジグのアクションを最大限にアピールしていった。
五目釣りが楽しめる!
周囲がすっかり明るくなり、アタリも減ったことから船内はまったりモードに。そんななかでもひたすらシャクリを続ける村上さんだったが、隣のアングラーから「シャクリが綺麗!」と絶賛される村上さん!(でもまだ1尾)
この日は隣にこの船で実力ナンバーワンと称される名人が同乗していて、実際食いが渋いなかでもコンスタントにヒットを重ねていた。観察していた村上さんも「誘いの動きとかフォール姿勢がいいんだろうね」と感心する腕前だった。
ここで自分を奮い立たせる意味で、しゃべり始めた村上さん。
「そうか、僕が寄せたマスを食わせるのが上手な名人が釣っちゃうんだ! そう考えると嬉しくなってきた! 例えばオフショアのイカメタルなんかでは、隣の人が寄せたイカを上手な人が横取りしてヒットさせるっていうことが実際あるもんね!」
その後はアタリは増えてきたものの、ホッケのヒットが続いた。ただ、ホッケに混じってサクラマスもポツポツ釣れている。
「サクラマスとホッケが同時に釣れることが多いね。この2魚種はいっしょに回遊しているのかな?」と、観察は欠かさない村上さんだ。
ホッケはよくヒットする。新鮮なホッケはなかなか食べられないので貴重。
隣の名人が取り込んだのはマダラ。
マダラは1メートル近い大物もヒットする。
粘りの本命追加劇!
「魚と会話ができてないけど、今日のスタイルでやり通せばきっと釣れる」という村上さんは、アタリが少いなかでも集中力を切らさず、ゆったりしたワンピッチジャークで誘い続ける。そして、誘い上げたジグをフォールさせていると……
「ヒット! フォールで食った! これは本命っぽい引きです! ヒットレンジは20m。やった! やった! 本命ゲット!」船長にタモ入れしてもらったのは立派なサクラマスだった。
「サクラマスはめちゃくちゃ暴れるね。写真を撮るのがむずかしいね!ヒットルアーはネコメタル・サクラマスSP 120グラム。でも1尾目がシャクリ上げでヒット、2尾目がフォールでヒット。2尾が違うパターンで釣れてるからパターンを把握しているとは言い難いね」そう話しながらも嬉しさ爆発の村上さんだった。
「今回はなんとかサクラマスの顔を見れました。これを期に、この釣りへのさらなる探求を続けます!」という村上さん。
サクラマスジギングは早春から桜が咲くころまでがハイシーズン。まさいいまこそ狙い目だ!
ヒットのコツは「シャクり続けること!」とは船長からのアドバイス。
大暴れしてウロコが剥がれてしまったが、サイズアップした魚体を手に満足げな村上さん。
●参考タックル
[ROD]DAIWA ハートランドZ 671MLFB-STスモールプラグSP
[LINE]PE0.8号[LEADER]フロロカーボン5号
[REEL]DAIWA CATALINA IC 100SHL
[LURE]ISSEI海太郎 ネコメタル・サクラマスSP
フロント&リアーのダブルアシストフックセッティングが有効だ。
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