ライトゲームタックルを使用した釣りで、ルアーは小型プラグと小型メタルジグの2種類だけを使い、サカナにスイッチが入っていればサカナを釣り、イカ(主にツツイカ系)にスイッチが入っていればそのままイカを釣る。この一挙両得でかつ贅沢なニュースタイルを、「意外にも九州から東北に至るまで可能かつイージーだ」と語るレオン師匠に、そのルアーの一部始終を紹介してもらいました。
冬〜春はルアーでイカが釣れる!?
今回は、普段メバリングなどライトゲームで使っているプラグやメタルジグに、ごく簡単なフックチューンを施すだけで、イカが釣れてしまうという欲張りフィッシングのご紹介です。
僕自身は元々、20年ほど以前から仲間内で楽しんでいた遊び方です。当時の瀬戸内は、スルメイカや小型種のジンドウイカ(ヒイカ)中心で、メバリングやアジングの際にイカが目視出来たときのみ、小型のシンキングペンシルで釣っていたのですが、この数年温暖化の一環なのか、瀬戸内各所でにわかにケンサキイカが増え始めたのが再燃のきっかけです。
それも遊漁船でのオフショアケンサキゲームが難しくなる10月下旬あたりから瀬戸内各所の港湾部へ接岸し、場所によっては3月いっぱいまで釣れるなど、エリアも数も年々拡大してきているのです。ケンサキイカはサイズもよく味も非常にいいので、こりゃあ改めて本格的に季節のターゲットとなりうるぞと……。
ということで、この釣りに精通した熱心なインクスサポーターの女流アングラー【y@suco.(Xネーム)】さんをガイドに、広島県東部で調査をしてきました。
当日は残念ながら前日までの大雨の影響で水潮となっており、フィールドの状況はイマイチ。したがってケンサキイカ爆釣とはならず、ラン&ガンの要所要所でコウイカも混じってポツポツと拾える程度の成果でしたが手応えは十分。これからが楽しくなるはずです。
昼でも夜でも全国各地で釣れる可能性が⁉
まだまだ情報量の少ない釣りですが、y@suco.さんのデイ&ナイトゲームでの素晴らしいケンサキ釣果(Xポスト)が、インクスサポーターやモニター間で取り沙汰され、その後それぞれ各地のポイントで実践したところ、イカの種類や釣れた季節は若干変わるものの、同じ道具、同じやり方で好釣果を果たされた方が数名。
なかでもとりわけ目立った、青森県陸奥湾内で試されたインクスAPGメンバー【ましりと(Xネーム)】さんの釣果をライン報告とともにご覧ください。
「ましりと」さんのレポート
場所は青森県津軽半島の堤防です。小さいイカなので、S.P.M55とナッゾジグのイカTunedで釣りました。周囲はエギの2.0号前後を使っていましたが、まったくと言っていいほど釣れていませんでした。おそらくはシルエットとフォール速度とかの差かな? と思っています。ロッドは、ビーテスラーとハーミージャーミー2nd。イカTunedとベストマッチで、小イカの繊細なアタリもよく取れます。陸奥湾では4月頃から6月頃にテクビイカ(手首イカ)と地元で呼称しているイカもよく釣れるのですが、それとは別種ではないかな? と思っています。イカは謎が多い魚種ですね。
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このほか、静岡住まいのサポーターさんからの「冬場はダメだけど、夏場にケンサキが堤防へ大量接岸します」との報告や、僕自身の実績では島根や長崎など日本海側の堤防では、冬場のメバリングの最中にヤリイカのバイトのほうが圧倒するなど、事例も後を絶ちません。
S.P.M.カンナチューンに本命? のケンサキイカがヒット!
イカは身近にいる!
イカゲームの可能性に関して特筆すべきは、多くのライトゲームポイントで「イカの存在に気づかずにいるアングラーが多い」という事実です。アジング・メバリングなどの最中でルアーを使用している場合、イカのバイトがあってもほとんどフッキングできません。したがって「ショートバイトが多いけど何でだろう?」という瞬間があれば、それは高確率でイカバイトであるケースだと疑えます。
特にケンサキイカは、定位するレンジが深く、スルメイカやジンドウイカのように目視できず、かつアタックも微細なことが多いので、非常に気付き難いのです。例えば、数年前に僕の友人である某メーカーテスター君にこの話をして1週間後、彼はアジング調査の際にこのケース(なにやらのショートバイト)に遭遇し、これはひょっとしてレオンさんが言っていたアレか? と、準備していたカンナチューンを投じたところ、なんと「連続で25ハイもケンサキが釣れた!」と、興奮して深夜に電話をしてきたほどで、このようにイカの存在を見逃しているケースが実はかなりあると感じています。
これは僕自身もまったく同じで、10年近く前に初めて瀬戸内堤防でケンサキを釣ったときがまさにそうでした。通い慣れたメバルポイントでメバルトップゲームのロケを行なっている最中、同行した友人がメバルを釣るのに飽きて僕のすぐ横で小型エギを投入したところ、なんと胴長20センチを超えるケンサキイカが連発したのです。
みなさんが通っているメバル・アジポイントでも、こんな事例が再現できるかもしれませんよ!
ステージはいつものアジ・メバル釣り場。フッキングしない微妙なアタリが頻発したら、それはケンサキイカ(およびツツイカ)の可能性が高い。
イカ釣り用にルアーを改造!
イカもサカナも一網打尽のフックチューン!
トレブルフックなどをカンナフックに換装するだけの簡単なチューンですが、多少のコツや使用する部材の銘柄情報も必要です。
ツツイカファンのみなさま、工作の時間です!
ナッゾジグとS.P.M.のカンナチューン。イカ狙いの場合、フックを固定したほうがフッキング率が格段に上がる。
タックルセッティング
メバル&アジタックルをそのまま流用
タックルはスピニングでもベイトタックルでも、通常のメバリング・アジング用そのままでOK。ただし、S.P.M.などシンキングペンシルでボトム付近を探ると、マダイやキジハタなどがヒットすることも多くなるので、ラインシステム(モノフィラでもPEでもOK)は1〜2段階強めのセッティングが推奨です。
●参考タックル
〈ロッド〉
【スピニング】INX.label DXS-HJ64L ハミージャーミー/SXS-VP645Lべスパーダ
【ベイト】INX.label FXB-ES52UL+ エルセーラ
〈リール〉
【スピニング】DAIWA イグジスト2000SH
【ベイト】INX.label IR CT
〈ライン〉YGK ボーンラッシュ0.4~0.5号
〈リーダー〉KUREHA シーガーグランドマックスFX 1.5~2.0号
〈スナップ類〉BOMBA DA AGUA オーヴォ 00番
〈ルアー〉INX.label ナッゾジグ1.8~8.0グラム/S.P.M.55、S.P.M.75
真冬の青森でもイカ釣りが楽しめる。
ポイントの要諦
いつもの釣り場でやってみよう!
過去実績でも、一般的な堤防のアジングやメバルポイントで釣れていますが、昼の釣りでは特にそれに固執せず、普段やらないポイントの開拓も必要です。傾向として昼にエサが集まるポイントは夜はあまりよくなく、こんな場所は結果的にライトゲームでは概して人気がない場所(堤防)となっているので、ある意味、不人気ポイントで釣り人が少ないところがマイパラダイスとなる可能性が大なのです。
不人気ポイントが爆釣の可能性を秘めている⁉
メソッドの要諦
サカナ狙いとまったく同じ!
基本的な操作法は、アジングでよくやるチョンチョンからのフォールや、メバリングの際のボトムワインド的なアクションそのままで結構です。バイトはサカナ同様、アクションからのカーブフォール中に訪れます。イカがいればほとんどのケース、5投以内で結果が出るので、バイトがなければどんどん移動しましょう。
アクションからのフォールでアタリを取っていくのが基本。サカナを釣るときと同じ感覚でまったく大丈夫!
ルアーを簡単カンナチューン。これだけでイカとサカナが両方狙える!
S.P.M.で仕留めた良型。このアプローチは全国で試してみる価値がある。
調査釣行でも良型のケンサキがヒット!
ツツイカのみならず、コウイカもこのメソッドで狙える。
Profile
加来 匠(かく・たくみ)
愛称は「LEON」(レオン)。40年以上にわたる港湾部でのルアーフィッシング経歴を持つソルトルアー界のオーソリティ。特にメバリング・アジングの楽しさを創生期から支えてきた第一人者であり、今もなお先進の釣法を編み出して発信し続けるライトゲーム界の始祖的存在。
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