アジングのアプローチは数あれど、突き詰めるとたどり着くのが速い誘いとスローの2パターン!「これを意識して、的確なルアーで攻略すれば、渋アジだってバッチリ仕留められます!」と語るP!NKO流・アジング基本戦略をご紹介!
「あれこれ試す」のが理想的だが、あまり手を広げすぎるとなにをやっているのかわからなくなる。ならば、コンセプトを明確にした2種類のワームと、それを投げるためのタックルを用意しよう。手前のアジピンピンは「強め」奥のピラピラピラリンは「柔らかめ」これだけ覚えておけばOK!
タイプの違う2種類のワームが登場!
桜前線が北上していくシーズンになると、北部九州ではチヌの乗っ込みや大型のアオリイカに桜ダイと、たくさんの魚種を狙うことができます。もちろん私のメインターゲットであるアジも例外ではありません。豆アジから良型のアジまで狙えるだけでなく、気温も上がってくるため快適に釣りを楽しめるのも魅力ですね!
ただこの時期のアジは産卵が絡んでいるケースが多く、前日まで釣れていた場所が翌日はまったく釣れなかった……なんてこともあったり、釣れ方がものすごくテクニカルだったり……。そうかと思えばイージーに入れ食いを楽しめたりと、ゲーム性に優れた非常に面白いシーズンになります。アジのいる場所をラン&ガンで探し、ヒットパターンを見つけたときの喜びは、なにものにも変えられないですね! 今回はそんな春夏のアジを、2種類のワームを使い分けて攻略していきます!
使っていくワームは、このたびアクアウェーブからニューリリースとなるピラピラピン子ワーム改め「ピラピラピラリン2.1」と、豆アジ専用に設計したアジピンピンのサイズアップ版「アジピンピン1.9」この2種類でございます。
ピラピラピラリン、アジピンピンにかぎらずワームにはそれぞれ特性があり、得意なシチュエーションがあります。どのワームを使い、どんなアプローチでアジに口を使わせるか? 今回はこれをイメージしながら使い分けをしていきたいと思います。参考にしていただけたら幸いです。
特有のフィンテールで艶めかしくアピール!
ワームローテーションの有効性
今回は2種類のワームを使い分けるにあたり同じく2種類のタックル、①アンダー1グラムの軽量ジグヘッドが操作しやすいロッドと、②張りの強い1.5グラムから3グラムを操作しやすいロッド を準備してみました。イメージとしては、ふわふわしたスローなアプローチには①とピラピラピラリン2.1、きびきびしたクイックなアプローチには②とアジピンピン1.9をそれぞれ組み合わせて使っていきます。
この2種類のタックルを準備したのは、アジからの反応がいいアクションやパターンを効率よく見極めるためです。毎回タックルを2セット持ち込むわけではありませんが、産卵が絡む春から初夏にかけては、ほぼ毎回持ち込んでいます。それは、この時期のアジがかなり強い偏食をする傾向が見られるからです。当日のアジの好みがスローなのかクイックなのかがわかれば、そこから先はどちらかのタックルに絞っていくことで、効率よくアジの好みを探していくことができます。
また、ローテーションという目的もあります。2種類のタイプの違うワームを使うことで、アジのスイッチを入れてあげる応用が可能になるのです。
例えばアジピンピン1.9でクイックなアプローチを続けていて、そのうちスレてきたのか反応が少なくなってきたとします。そのタイミングでピラピラピラリン2.1に持ちかえて、スローなアプローチで誘うとまた釣れだした……というような使い方もできちゃいます。
シルエットのローテーションに加えてスピードの変化を織り交ぜることは、アジのスイッチを入れてあげたいときには特に有効な手段になります。そしてそれぞれのルアーには最適なウエイト、そしてそのウエイトは複数のタックルでないとカバーできないということで、今回は①と②を準備し、使い分けやローテーションを意識して実釣していこうというわけです。自然相手なのでイメージどおりにいかないこともありますが、「準備しておけばよかったー」という後悔は避けることができる……はずです(笑)。
食いが渋ったタイミングでピラピラピラリンにワームチェンジ。そのときの状況に応じたルアーローテが釣果をあげるコツだ。
こうすれば釣れる! アジングアクションの基本
アジングの要点を一言で言うと「投げて巻く」これに尽きます。アジングはレンジ(タナ)を探る釣りだとよく耳にしますが、まさにそのとおりで、アジがいるレンジに自身のワームを通してあげれば、たいていの場合であればアジからの反応があります。着水してカウントを取り、リトリーブで水平移動、もしくはロッドをサビくことでジグヘッドの軌道を水平にしてあげることで、いわゆる横の釣りをすることができるようになります。
このキャスト、カウント、リトリーブ(もしくはサビキ)による横の釣りという基本のアクションをまずマスターすることが、アジング上達への近道になります。明るいうちに、どの重さのジグヘッドならどのくらいのスピードでフォールしていくか、どのくらいの速度で巻いたりロッドをサビいたりすればレンジをキープできるのかを確認しておくと、夜の時合いが始まってからでも迷うこともなくなります。
これに対して縦の釣りといわれるのが、ジグヘッドを跳ね上げてカーブフォールさせる釣り方ですね。レンジを細かくキープしやすい横の釣りに対し、縦の釣りはレンジキープしづらい半面、レンジに幅を持たせたアピールをしながらジグザグに探ることができるというメリットがあります。横と縦、この2種類を覚えていれば、たいていの場合は問題なく釣りができるハズです!
そしてどちらの釣りにもいえることですが、ジグヘッドの重みをティップで感じながら操作をしていくことが大切です。爆風のなか、極小の0.3グラムのジグヘッドとかを使おうものなら、なにをやってるかまったくわからない状態になりますよね? 達人であれば、0.3グラムのジグヘッドでもコントロールしていくこともできるかとは思いますが、私はそういう風が強い状況であれば、ジグヘッドを重くしていきます。潮が速いときも同様に、コントロールができる範囲内でジグヘッドのウエイトを選択しています。しっかりとジグヘッドをコントロールできれば、どのあたりのレンジを攻めているかが、よりクリアにイメージできるようになりますよ!
アジが反応するアクションを見極め、リグのウエイトを決めていこう。
伊万里エリアのアジング傾向と対策
この2種類のワームとタックルを手に、今回最初に向かったエリアは、長崎県の伊万里湾に浮かぶ福島。本土とは橋でつながった島ですが、この時期はアジの回遊に当たれば25センチクラス、さらには尺クラスも期待できるポイントです。
いざ開始してみると、1週間前に様子を見にきたときは豆アジが高活性だったのに、当日はさっぱりで、さっそく春アジの洗礼を受けてしまいました(笑)。日が傾き出したころに堤防際で豆アジをゲットしましたが後が続かず、サイズが伸びる気配もありません。地元アングラーの方も、今日はなんか異常に釣れない……とつぶやいております。このように「昨日までは釣れてたんだけど……」というケースはよくあるので、この福島には早々に見切りをつけて、次のポイント、長崎県の本土側にある松浦の漁港に向かいます。
松浦港はアジの水揚げが日本一ということもあり、アジフライの聖地ともいわれています。冷凍物ではないアジフライ(時化で入荷がない場合は除く)を提供してくれる飲食店がいくつもあるのですが、このアジフライ、従来アジフライに抱いていた概念が変わるくらいおいしいので、ぜひ釣りに来た際には食べていただきたいです!
と、そんなアジの名産地である松浦エリアならきっとアジが釣れるだろうと、淡い期待を胸にキャストしていきます。実は初めて訪れる漁港なので、②のタックルに2グラムのスイムヘッドとアジピンピン1.9の組み合わせ、つまり強めのロッド&重めのリグを選び、スピーディーに地形や流れの把握をしていきます。
そのうち常夜灯の効いているポイントでライズ! さっそく表層を速巻きしてみると……ドン! っというアタリとともに上がってきたのは26センチほどのアジ! うれしい1尾が出てきてくれました。次も狙ってみますが表層ではアジからの反応はなく、ボトムまでカウントを刻んでみても同じく反応がないため、タックルを①に持ち替え、ピラピラピラリン2.1でボトムをていねいに探ると、今度は豆アジからの反応がありました。
これで群れ自体は薄いと判断し、アジがいるであろうポイントをラン&ガンスタイルで探していくことにしました。初めは漁港の内側の常夜灯周りを攻めていましたが、堤防の外側に狙いを変えてみるとこれが的中! まずは②のタックルにアジピンピン1.9でヒット‼ 数尾釣れてからはアタリが遠のいたので、タックルを再び①に変え、ピラピラピラリン2.1でシルエット強調のスローアプローチに切り替え。すると、またまた連発です。作戦がハマったのと、無事ロケを成立させられた安心感で、すっかり肩の荷が降りてご満悦の私でした(笑)。
この時期に限ったことではないですが、クイックアプローチとスローアプローチ、この2パターンを使い分けることさえできれば、このように釣果を伸ばせることが多いもの。みなさん、困ったときは「クイック&スロー」ですぞ~!
九州北部、佐賀県から長崎県にかけては入り組んだ海岸線が伸びている。今回向かった福島のように陸路で行ける島のほか、フェリーや海上タクシーを使って行き来する少し離れた島など釣り場はたくさんある。
速い誘いで使いたい!
アジピンピン1.9(アクアウェーブ)
豆アジ専用のアジピンピン1.2に大きな反響があったので、それをサイズアップしたもの! というのが開発の経緯ですが、ただのサイズアップ版だとおもしろくないので、いちから細部を見直して作り込みました。
いちばんこだわったのはマテリアルの硬度です。アジピンピン1.2より硬めの素材を採用していますが、こうすることでクイックな動きに対応しながらズレにくくなり、また裂けにくくなったことで、アタリとアワセ、取り込みを速いペースで繰り返す、マヅメ時に特に使いやすいワームに仕上がっています。
キビキビとした動きでアジを誘う。アミを意識した甲殻類のような外見だったアジピンピン1.2とはうってかわって、新しく開発された1.9はシンプルな形状のピンテールワームとなった。
アミの足を思わせるアームもこのワームの特徴。アミだけでなく、小魚やバチも含めたあらゆるベイトを再現することができるルアーだ。ピンピンした硬めのマテリアルが生み出すアドバンテージ。
スローな誘いで使いたい!
ピラピラピラリン2.1(アクアウェーブ)
ピラピラピラリンは、スタンダードなピンテールにギミックを搭載したフィンタイプのテールを加えたワームです。
微波動でありながら潮の動きに呼応してサイドのフィンが優しくうねり、生命感を演出するテールになるよう設計しているため、スローなアプローチでは特に活躍してくれます。フックが出るポイントをフックサイズに合わせてカットできるスリットを作ることで、どの番手のフックを使ってもテールの動きが均一化され、ワームのポテンシャルを損なうことなくサイズ変更を実現可能。フックが出るポイントを的確に設定することで、ズレにくいワームになったのもこだわりのポイントです。
テールがダマになったり、アジが吸い込んだ際にハリ先を隠してしまわないよう、ボディとテールの間にはブリッジバーを設置しました。またサイドにスリットを入れることでテールが上下に動きにくく、確実に左右に動くように設計してあります。
ピラピラと動くフィンテールを持つ。わずかな水流でもベイトの動きを忠実に再現できるのが強みだ。
ボディとテールの間にあるブリッジバーと相まって、上下の動きを極力抑えつつ左右に動く。これぞフィンテールの理想形だ。
タックルは用いるルアーウエイトで使い分ける!
本文中でもふれましたが、タックルは ①アンダー1グラムの軽量ジグヘッドが操作しやすいロッド ②張りの強い1.5グラムから3グラムを操作しやすいロッドの2種類を用意しました。
軽量ジグヘッドを使う場合、ラインが細いほうが風の影響を受けにくいため、エステルラインは極細の0.2号。対して重いジグヘッドを使う場合には、ある程度の強度がほしいこと、伸びを抑えたいことから、やや太めの0.35号をそれぞれチョイス、ちょっと気難しいアジに挑みました。
エステルラインの感度、操作性、そして頼りになる強度を信じてキャスト!
23コルト572UL-TS(オリムピック)を軸にした①の軽量ジグヘッド用タックル。0.2号と極細のエステルラインが、風の影響を受けやすい軽量ジグヘッドの弱みを軽減してくれる。
こちらは23コルトプロトタイプ612L-T(オリムピック)を軸にした②のやや重め万能リグ用タックル。3グラム前後までを使い、風が強かったり、ポイントが遠い場合、さらにはアジが高活性なマヅメ時に有効だ。
超実践! アジングゲーム
レンジの攻略法~表層・中層・ボトムの狙い方
レンジの分け方ですが、ボトムまで30カウントだとすると、0から10カウントを表層、11から20カウントを中層、21から30をボトムというように、海の中を3分割するとわかりやすくなります。こうすることで海中のイメージがよりクリアになり、反応があるレンジを攻めやすくなります。
基準になるボトム着底の確認は、ポイントに着いたあとの1投目に行ないましょう。この段階で地形の把握をしておけば、そこから先は効率よく探っていくことができるというわけです。
初めての場所では重めのジグヘッドをフルキャストし、ボトムまでのカウントを数えておこう。そのカウントの1/3ずつが上から順に表層、中層、ボトムとなる。そのカウントを覚えておけば、今自分がどのレンジで釣っているのかがすぐわかる。
九州北部はデイアジングが成立するエリアも多数ある。
Profile
P!NKO
ピンクのワームが好きすぎるゆえ「ピン子」と呼ばれるようになる。幼少のころはチャリンコとバスフィッシングにハマり、社会人になってからは磯でのフカセ釣りやイカダのかかり釣りにハマり、オジさんになった今は、エサ釣りから転じて年間釣行の9割がアジング! 以来、この釣りにハマりっぱなしらしい。
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