春メバルはソレスでキマリ!〜投げて巻くだけ!簡単操作で釣果激熱!〜


春先は楽しいメバルプラッギングゲームの季節だ。釣り場のシチュエーションによっていろいろアクションバリエを使うメバプラゲームだが、今季はファットボディのS字アクションも仲間に入れてみないか? ゲームの幅も広がるし釣果も上がるはずぅ! ということでソレス42Sの出番だ。



灯りがあったら迷わず投げよう

 これまでボクがソレス42Sを使ってきたなかで一番印象的だったのは「ライズも出ていない常夜灯下」で釣果を上げられたことだ。

 ボクがプラッギングを始めるかどうかの基準は「メバルのライズが見えるかどうか」だった。だが昨年11月、ジグリグを使ったアプローチが成功したあとの残り時間、なにげなく試してみたソレス42Sが、それを変えるきっかけとなった。

 時合いが終わったのか、潮はすっかり引き、魚っ気もなくなった。当然ライズも見当たらないが、このまま釣れなくとも痛くはないということで、ソレス42Sの動きを見ることから始めた。ソレス42Sのラインアイにはスプリットリングがついてないのでスナップは必須だな……と思い出しながら0番のスナップを取り出して装着し、キャストを始める。

 まずは足元の水面で何度かアクションを確認した。スローリトリーブで引くと20〜25㎝程度の大きさのS字を描くようだ。これはリーリング速度によって多少大きさのばらつきがあるが、きれいに描けることには変わりない。一方フォール速度は潮流などで異なるが、今回の釣り場では1秒あたり7〜8㎝といったところだろうか。これを目安に、最初に探るレンジを決めることにした。


タダ巻きからストップ&ゴーへ


 最初はカウントダウン1〜2秒でリトリーブを始めたがバイトはないので、少しずつカウントダウンを増やしていく。バイトが出始めたのは8〜9秒ほど沈めたあたりだったが、その出方がとてもスリリングで面白かったことを覚えている。カウントダウンからのスローリトリーブで、まずはいきなりドン! と衝撃が伝わったあと、一瞬ラインスラックが出る。そして次の瞬間、海底へギューンと引き込もうとする小気味よい引きに驚かされた。

 こうして数尾ほどリトリーブだけでキャッチできたが、だんだんスレてきたのか、連続バイトとはいかなくなった。ということで、アクションにストップ&ゴー的なメリハリをつけることにした。最大巻き上げ66㎝のリールを2回転させたのち、3カウントほどポーズを入れる。こうすることでポーズ時、またはポーズからのリトリーブ開始直前にバイトが集中した。年が明けてからが本番だ

 こうしてソレス42Sの実力を知ることになったボクは、年が明けたあとのアフターパターンでも使ってみることにした。ボクのホームは産卵後のアフターパターンを迎えるとなにをやってもメバルの反応は渋いのだが、ここでソレス42Sを使おうというわけだ。

 結論からいえば大当たりだった。冒頭で述べたときと同じく、ライズがなくとも常夜灯の灯りさえあればバイトをとらえることができたのだ。

 同行した釣友たちにもソレス42Sを使ってもらったが、みんなその集魚力と爆発力、そして操作の簡単さに驚いていたようだった。次の釣行時、何色かのソレス42Sが釣友たちの一軍タックルボックスに並んでいた光景に、今度はボクが驚かされたわけだが……。みんな、ホント好きねぇ〜!

ミノーでもなくクランクでもない、シンキングペンシルと呼べなくもないが……メーカーであるスミスの表記はそのどれでもない「S字系メバルプラグ」というものだ。



やはりタダでは始まらない


 こうしてソレス42Sの実力を確認できたところで、それでは春シーズンで本気を出して使ったらどうなるか? それを確かめるべく、2月後半に改めて釣行に行くことにした。ちょうど産卵後の体力回復を終えたメバルやカサゴが、防波堤の壁近くまで戻ってくる時期だ。投げるルアーは当然ソレス42Sだけである。

 まずは防波堤壁ぎりぎりにトレースラインを取り、着水後すぐにリトリーブした。作戦はサーフェス(水面)から狙い、次にカウントダウンで順々にレンジを下げてチェックしていくというものだ。壁ぎりぎりを数投したがメバルの姿が見られないので、今度はポーズを多めに取ることにした。根掛かりは怖いので壁ドンだ

 するとすぐに答えが出た。カウント5からのトレース、ファーストバイトは小さなカサゴだった。ハンドルをゆっくり3回転させてからポーズを3秒取ってのヒットだった。この方法で、カサゴがおもしろいように釣れた。だが水深約4mの堤防際には、起伏が激しく根掛かりの多いエリアが続く。カサゴの良型なら底を狙うといいのだろうが、トレブルフックがむき出しのソレス42Sで障害物だらけのボトムを探るのは、根掛かりとそれに伴う時間ロスのリスクが大きい。

 ということで、壁に着いた帯状の藻群に照準を合わせることにした。この藻群こそが大型が潜む場所! そう考えたのだ。長年の釣行でボクが培った「究極の壁ドンメソッド」の出番である。


良型カサゴはこれで釣る!


 壁際にキャスト後、カウントダウンを7ほど入れる。これで藻の感触が伝わってきたら少しシャクってソレス42Sを藻から外し、リールのハンドルをゆっくりと5回転させてからポーズ。ポーズ後はラインテンションを保ち、ゆっくりフォールさせる。こうすることで、ソレス42Sが藻の上にちょうど着地したような感覚が伝わってくる。この「着地」ののち、また軽くロッドをシャクって藻から外してリトリーブを再開した瞬間、その行く手を阻むようなバイトが伝わってきた。見事な大型カサゴであった。

 こんな具合に、カウントダウン・タダ巻き・ときどきストップ&ゴーだけで釣れるソレス

42S。春のメバルシーズンが本格化するなか、スレが進んでしまったポイントで使ってみてはいかがだろうか。ボクがソレス42Sを使ったときの衝撃と驚きを、ぜひみなさまにも味わっていただきたいものである。

安定したレンジで長距離を泳いでくるため、魚にとっては真後ろから追っても食いやすい。よって、こんな感じのリアへのフッキングも多発する。




ソレス42Sの使いどころ

ちょっとでもいいので灯りを探そう

 プラグゲームを成功させる近道は、夜の灯りを探すことだ。桟橋、防波堤、橋や道路の外灯といった灯りの真下にエントリーするのがベストだが、その灯りが届く薄明り周辺でもオーケーだ。回遊ベイトの多いこれからの時期、灯りの効いた表層~中層では食物連鎖が形成されている可能性が高いが、こういったレンジをメインで狙うにはプラグが欠かせない。

人の出入りがある桟橋には必ず灯りがある。

堤防の先端部には高確率で灯りがある。

傾斜岸壁の上にある道路からもれた灯りが照らす水面下に、海藻帯とゴロタが混在する、メバルプラッギングには理想的な地形。

灯りの大きさは問題ではない。水面に少しでも明暗の変化を生み出せるかどうかがカギだ。



ソレス42Sの使いどころ

カラーはこうやって使い分ける

 今回の実釣で用意したカラーは6色だが、それらは2つのグループに分けることができる。子イカや小魚といった大きめのベイトを模した通称ベイトグループ3色と、カニ幼生やアミエビなどの動物性プランクトンを模したアミグループと呼ばれる3色だ。

 この2グループを使い分ける基準は、水面にライズがはっきりと出ているか出ていないかで決まる。水面にライズがはっきり出ているときは、メバルは獲物に噛みつく捕食行動を取るため、ベイトグループのカラーを選ぶ。いっぽうライズが出ていなければ、獲物を吸い込む捕食行動を取るため、その際はアミグループのカラーを選ぶといいだろう。


ベイトグループ


04スラッシュハーフミラー

クロームの反射とクリアの光の屈折で小魚をイメージしたカラー。


11カブラグリーングロー

クロームの反射とクリーンクリアによる光の屈折でウロコ、テールグローで内臓を演出。


10レッドヘッドグロー

レッドヘッドとグローで子イカをイメージ。


アミグループ


06チャートグリッター

つぶつぶフレークがアミの群れを演出。LED灯の下で爆発的な威力!


01クリアーグリッター

どんなシチュエーションでも安定した釣果!


05ヨザクラ

クリアな水色で本領を発揮する。




ソレス42S(スミス)

ストレスの少ない快適設計

 手に取った際まず注目してほしいのは、フロントフックを装着するアイが横向きになっていることだ。こうすることでフロントフックは、左右へ動く際の自由度が上がる一方で前後の動きは最小限となり、リアフックとの干渉をほぼシャットアウトできる。さらに、フロントフックがラインに絡みにくくもなる。

 フロントフックが左右に大きく動くということは、上方向へもハリ先が届くということ、つまり上からのバイトもフッキングしやすくなるということだ。

 ファットボディゆえに、リップレスのS字系ながら巻き抵抗はそれなりに生じる。これにウエイトとボディの干渉で生まれるワンノック系のサウンドが加わり、アピール力も抜群だ。リップレスかつウエイトありということで、飛距離が抜群であることは言うまでもない。

【SPEC】
全長:42㎜/重量:3.8g/タイプ:シンキング/フック:#14/カラー:11色/価格:1400円



ソレス42Sはこう使う!

ファットボディのS字アクション

 ソレス42Sは42㎜のファットボディだ。このボディが醸し出すS字アクションは水押し波動が大きく、これまでのS字アクション以上にルアーの存在感をより遠くのターゲットに伝えることができる。

 このS字アクションを引き出すためには、接続の際にスミスSPスナップ00番を使用することが基本となる。こうすることでファットボディの浮力をいかし、リトリーブスピードの強弱で描くS字の大きさを変えることもできるようになる。スナップを装着することでややウエイトバランスが変わり、フォール姿勢は平行フォールとなるが、その速度はガンシップ45SSのスローシンキングより少し速めのイメージと思ってもらっていいだろう。



ソレス42Sはこう使う!

まずはリトリーブで誘う

 基本的なアクションはリトリーブ。まずはキャスト後カウントを入れて初動レンジを決定したら、その後はタダ巻きによるリトリーブを入れる。水平姿勢を維持してレンジキープで

きる距離が長いのが特徴だが、引き抵抗が軽くなったらレンジが上ずった証拠なので、少しポーズさせてレンジを下へ戻し、再びリトリーブを始めるといいだろう。バイトの多くは、

引き抵抗の変わり始め、もしくはポーズ時に起こる。突然ひったくるような感覚のバイトが多いため、とてもスリリングだ。



ソレス42Sはこう使う!

こんなやり方もある!

 ソレス42Sを使う際に筆者がよくやる裏技が2つある。まずはループノットやスナップを使わず、リーダーをラインアイにがっちりと結ぶことで固定するというものだ。こうすることでS字アクションの距離を長くすることができる。トレースしたいラインに藻などの障害物が多いときや、スレ解消のため変化を入れたいときなどに役に立つ。

 もう1つは、あえてバランスを崩すくらいの速さで1mほど巻き取ることだ。当然直進性を失い、宙返りするように一回転するが、このあとのポーズでリアクションバイトが期待できる。



プラッギングゲームおすすめタックル

ちょっと強めのPEラインが基準

 サーフェス(水面近く)を狙うメバルのプラッギングゲームでは、メインラインはワンサイズ太めで直進性のすぐれたPEライン、特にこれまでの×8と比べ飛距離と感度を大幅にアップさせた×9ラインがおすすめだ。8本ヨリの従来ラインに中芯1本を追加した構造のおかげで、スプールから飛び出したラインが絡みの原因となる「エアーノット」「ぴょん吉」と呼ばれるトラブルを起こしにくい。

 この新型ラインを軸にタックルを組む場合、まずロッドは竿先からベリーまでが入りやすいものがおすすめ。新発売のラミアスはクラスコンポジットで乗りがよく、足元でぽちゃんというバラシも少ない。リールは2000番クラスで最大巻上げ量が60~70㎝の物を選ぶ。こういったハイギア寄りのスピニングリールは、プラグアクションのポテンシャルを大幅に上げてくれる。


スモーキー ラミアス75(スミス)

グラスコンポジットで魚の乗りがよく高感度。これにややハイギア寄りのスピニングリールを組み合わせる。



バリバス アバニジギング10×10 マックスパワーPE X9 0.6号

X9は3%強の伸び率。中芯縦巻き仕上げで直進性に優れている。




1個で3役便利なハサミ

スミス ピシーズスプリットリングPEシザーズ

 カギ状の最先端、平坦な先端、ブレード中間部は片刃ギザつきのハサミ。スプリットリングオープナー、ハリはずし用のプライヤー、ラインやリーダーをカットするハサミの3つの役割を担うのが、このピシーズスプリットリングPEシザーズだ。とにかく多用するプライヤーとハサミだけでなく、むき出しのフックを使うプラッギングではよくある、フック交換まで1つでこなしてしまうこの便利アイテム、一度使ったらもう手放せない。

ハサミ、ハリ外し、ハリ交換と3つの仕事をこなすピシーズ・スプリットリングPEシザーズ。

カタログスペックでは扱えるスプリットリングの最小は#2だが、ソレス42Sのような小型プラグで多用される#1も無理なく扱える。

Profile

辻本ナツ雄(つじもと・なつお)

通称「ポッキン」。メバルゲームのオーソリティにして、いまなお最新メソッドを開発し続けるライトゲームクリエーター兼ルアーデザイナー!