精度が高い重心移動システム「ジェットブースト」、そしてジョイントプラグの飛行姿勢を安定させる「アーマブースト」。シマノが誇るルアーづくりの技術を詰め込んだ小型プラグは沖のポイントを撃つ場面が多い尺メバル狙いの釣りで一歩差がつく強力な武器になる。
シマノ独自の機構で遠投性能をブースト
シマノのルアー、特にソルトルアーに関して特筆すべきポイントは飛距離である。私がお手伝いさせていただいているソアレシリーズのライトソルトゲーム用プラグにおいてもそれは如実に反映されていて、非常にターゲットとの出会いを多くもたらしてくれる。
まず、シマノが誇るジェットブーストが搭載されているソアレライズショットスティック
60Sである。ジェットブーストは内部に搭載されたウエイトをスプリングで制御し、より高い精度で重心移動を可能にした。その飛距離は皆さんすでに体験されていることだろう。そんな私も、ソアレライズショットスティック60Sは今でも釣り場でキャストする度にその飛距離、弾道に驚き、助けられている。
そして、この飛距離を武器とした、また1つ新しいシマノ独自のシステムが登場。それはアーマブースト。ジョイントプラグの有効性は皆さんもご存じの通り。だが、ジョイントプラグのデメリットとして、キャスト時の回転による飛距離の低下と軌道の変化、安定しない着水によるテーリングが発生する確率が高くなってしまうことがある。
それを高次元でクリアしたのが、アーマブーストである。シマノ独自の可動域が広いジョイント構造によって、キャストの際、きれいに畳まることにより、安定した飛行姿勢と、今までのジョイントプラグとは比較にならない飛距離を獲得したのである。その機構が搭載されているのが、ソアレアーマジョイント60S、60Fである。
沖目までブッ飛ばしてキャッチした念願のでかメバル。
飛距離を生かして沖の沈み根周りを狙う
これらプラグたちは、私のライトソルトゲームを組み立てる強い武器として、現在なくてはならない存在となっている。
まずは、ソアレライズショットスティック60S。その飛距離を生かして、ゴロタ場の尺メバル狙いのメインプラグとなっている。伊豆半島のゴロタ場で尺メバルを狙う際には、安全に、なおかつ、集中できるよう風裏になるポイントを優先的に選択するが、冬から春にかけては低気圧の移動によってどうしてもウネリが入り、波打ち際で波が立つ傾向がある。
そのため、波打ち際から少し後退して、立ち上がる波を避けながらカケアガリの沖にルアーを運ぶ必要があるが、ジェットブースト搭載のソアレライズショットスティック60Sはその圧倒的な飛距離で、ストレスを最小限に抑えた釣りをさせてくれる。そして内蔵されたスプリングによってウエイトが即座に定位置に戻るため、着水からの泳ぎ出しとアクションが非常にいいのもありがたい。
そして、ソアレアーマジョイント60S、60F。アーマブーストが搭載され、キャスト時の回転による飛距離の低下、軌道の変化、テーリングが発生する確率が低くなったことで、広く探れるようになっただけでなく、狭い範囲でのアピール、ピンスポットでの釣りが可能になった。例えば、尺メバル狙い。ソアレライズショットスティック60Sで広く探ってアタリが出ない場合。次の狙い方として、場所移動の選択の他に、沖に点在する大きめのゴロタ石周りをピンスポットで狙っていくことがある。
今まではジグヘットリグを選択することが多かったが、ソアレアーマジョイントが選択肢に入ってくれたことで攻略の幅が広がった。飛行姿勢がいいということは、狙う障害物際へのより精度の高いキャストを可能にし、テーリングする確率が低いということ。ピンスポット狙いは一発勝負であるため、テーリングしてしまえば、それでターゲットにプレッシャーをかけてしまうことになるが、それを避けつつジョイントプラグ最大の武器である微波動かつ強いアピールが障害物、ゴロタに着いた尺メバルを引っ張り出してくれる。
沖の根周りにもメバルは着いているので、遠投できればチャンスは広がります。サラシができていればなおいい!
【このルアーのここがすごい①】
ジョイントなのに遠投できる
ジョイントプラグの難点をすべて高次元でクリアした。そのため、ほぼストレスフリーで釣りに集中できる。また、リップ付きであるためリトリーブを変化させて、手元で感じるバイブレーションの強さを把握することで、ヒットしたときのベストなリトリーブ速度も掴む
ことが出来る優れもの。60Sはレンジを入れた攻略も可能。60Fは水面直下やスーパーシャローの攻略も出来る。
ソアレ アーマジョイント60Sアーマブースト
全長:60㎜/自重:4.1g/価格:1800円
【このルアーのここがすごい②】
重心移動なのに立ち上がりも速い
ジェットブースト搭載でとにかく飛距離がでる。ラインもPEの1.0号くらいまでは飛距離が大幅に落ちることなく、シーバスタックルやエギングタックルでも使える。尺メバルに限らず、小型ベイトフィッシュパターンの大型ターゲット、シーバスやブリーム狙いにもオススメである。スプリングで一瞬にして重心が固定されるため、泳ぎ出しのアクション、フォール姿勢もいい。
ソアレ ライズショットスティック60Sジェットブースト
全長:60㎜/自重:7.6g/価格:1550円
もちろんジグ単も有効ですが、遠投性能とアピール力が高いプラグを使いこなせばチャンスはもっと増えます。
〈参考タックル〉
〈ロッド〉ソアレXR S80UL+S(ロッドはソアレシリーズの80もしくはUL表記のものであればどれでもOK)
〈リール〉ツインパワーC2500SXG
〈ライン〉ピットブル8+ 0.4~0.6号
〈リーダー〉ソアレリーダーEXフロロ8Lb他、フロロカーボン12Lb
基本的な使い方①
すべてスローリトリーブ
ソアレライズショットスティック60S、ソアレアーマージョイント60S、60F双方ともスローリトリーブが基本。
ライズショットステイックはロングキャストして最初にリフト&フォールを交えると効果的なこともある。アーマージョイントはルアーのバイブレーションが手元に伝わるか、伝わらないか、くらいのリトリーブスピードを保ち、アクションの変化はリトリーブ速度で調整するのが基本。
基本アクションはタダ巻き。プラグはレンジキープ力に優れているため、小細工なしで尺メバルと対決できます。
基本的な使い方②
ジョイントは8の字も得意
ソアレライズショットスティック60Sの裏技として、スローに使うだけでなくファストリトリーブ&アクションでスキッピングさせて、トップウォータープラグとして使うと小型青物やブリームに効果的。
ソアレアーマージョイント60S、60Fは防波堤際などで魚が足元まで追尾してきた際に、8の字引きでヒットに持ち込むことも出来る。
日中ゴロタの楽しみ方
情報収集も兼ねた穴釣り
ゴロタの尺メバルゲームまでのサブ的な楽しみ方としてオススメなのが、ゴロタの穴釣りである。なんだ、穴釣りか? と思われるかもしれないが、ナイトゲームの重要な情報収集にもつながる。寒い時期のゴロタ場は海苔が付着しているところもあり、いきなり初めてのポイントで釣りを開始すると、スパイクでも転倒してしまう可能性が高くなるため、穴釣りをしながら海苔の状況も確認する。
また、海苔が付着しているところは現在の精度の高いカラーマップでも確認できないような小さな流れ込みが存在していることが多く、尺メバルが差してくる可能性も高い。
楽しく、尺メバルの時合いを待つことが出来るのだから最高である。
足元で泳がせていたジグヘッドリグにスーッと出てきた赤い魚影の正体はなんとアカハタ。しかも、尺オーバーのナイスサイズ。最近の伊豆は2月にアカハタがシャローで釣れちゃうんですね~。
カサゴをキャッチ。シーズン問わず遊んでくれる、穴釣りのメインターゲットです。
Profile
新保明弘(しんぽ・あきひろ)
長年、雑誌やTVなどのメディアで活躍するシマノインストラクター。地元・駿河湾をメインに青物、尺メバル、ときには渓流など、さまざまな釣りを楽しむマルチアングラー。
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