冬の青森県・陸奥湾で村上晴彦さんがメバリングチャレンジ! 遠浅で海藻が繁茂する特有の地形を有する津軽半島陸奥湾側。飛ばしウキを使ったフロートリグでこのポイントを攻略、水深1~2mの浅場から、村上さんがでかメバルを引っ張り出す過程をぜひご覧ください🙇
フロートリグ(プロト)の遠投メバリングがいま熱い!
ここでメバルが釣れるの?
令和6年12月・青森県津軽半島陸奥湾側。この地に降り立ったのはカリスマ釣り師・村上晴彦さん。今回の狙い物は良型のメバルだ。冬場は季節風が強く吹くのが常ではあるが、北西寄りの風に強いのが、津軽半島陸奥湾側の強みだ。この日も10m以上の強風予報だったが、日本海と陸奥湾の間ある高い山のおかげで、非常に穏やかな陸奥湾。気温は低いがこれなら快適に釣りができそうだ。
「これだけ着込んでると、ぜんぜん寒くないね!」という村上さんは開発中の飛ばしウキをセットしたフロートリグを用意。これを遠投して、遠浅の藻場を広く探る攻めを想定。陸奥湾の湾奥側は100m沖合でも水深1~2mという浅場が続く。ここにはアマモがびっしりと生えており、メバルの魚影はすこぶる濃い。ジグ単では狙いにくいが、フロートリグを使うことで、藻掛かりを最小限にしつつ、ターゲットにアプローチするやり方が理にかなっている。
「現地の方に狙い方を教えていただいたんですが、なるほど理にかなっている方法でした」という村上さんは、自分なりにリグをアレンジ。沖合60mほどにある消波ブロックの手前へリグを投入開始。
明るいうちはフグの猛攻を受けたため、ルアーをメバルキラーのバルキースパテラからハネエビに変更。ウキを支点にダートさせて、フグに食わせない戦法で様子見だ。しかし、まだ明るいせいもあり、アタリがないまま夕マヅメへ。フグもアタってこないようなので、再びルアーをバルキースパテラ1.8インチに戻して再開した。
時は12月。氷点下に迫る気温で雪がちらつくなか、メバルは釣れるのか!?
待望のファーストヒット!
このエリアは基本的に砂地底でアマモが多い。藻が多いとメバルがここに着くので有望だが、釣りにくいのが難点だ。しかし、アマモは比較的弱い海藻なので、ルアーが絡んでもほとんど回収できるのがメリット。広く投げ分けながら、アマモの上に軽くジグヘッドを乗せるようなイメージで、ゆっくり上下の誘いを繰り返す村上さん。
「レベリングヘッドは1.6gを使っていたんですが、確実に着底させたいので2gに変更してみます。うん、やっぱり2gだと確実にボトムが取れるね!」という村上さんは、40~50m沖にリグをキャストし、水深1~2mのシャローをウキを支点にルアーをゆっくり上下させて誘っていく。
「ん、絡んだ? いや、アタリだ!」
ヒットしたのは24㎝くらいのグッドプロポーションのメバルだ。この釣りの場合、掛かったメバルをはるか沖合から寄せてくるので、釣り味は満点だ!
リグは自作フロート+レベリングヘッド太軸金鈎2g+バルキースパテラ1.8inの組み合わせ。
開発中のフロートリグにヒットした青森メバル。
遠投フロートタックル解説
「ロッドはその名の通りロングキャストが得意な碧ライトゲーム遠投Ⅱ。これに2500番のスピニングリールを組み合わせました。ギアはノーマルでもハイギアでもどちらでもいいと思います。メインラインはPE0.6号か0.8号。これにウキまでのリーダーがフロロ8ポンド、ジグヘッドまでのリーダーは6ポンドくらいの細いものを使います。これはなぜかというと、リーダーの太さを通しで同じにしてしまうと、万が一根掛かりしたときに、ウキごと持っていかれてしまうからです。それを防ぐため、ジグヘッド側のリーダーを補足して、引っ掛かってもここで切れるように調整しておきます。とはいえ、ここはアマモ場なので、この太さのラインシステムを組んでおけば、全部回収できますけどね」
●参考タックル
[ROD]「碧」IUS-78L/LG-Entoh2(ライトゲーム・遠投Ⅱ/ISSEI海太郎)
[REEL]DAIWA 23AIRITY PC LT2500-H
[LINE]PE0.6号
[LEADER1]フロロ8LB
[LEADER2]フロロ6LB
[JIGHEAD]レベリングヘッド太軸金鈎2g(ISSEI海太郎)
[WORM]バルキースパテラ1.8in(ISSEI海太郎)
40~50m沖の浅い海藻帯という場所をスローに誘うならフロートリグの出番だ。
フロートリグの操作法
「この釣りは重いジグヘッドを使うので操作が分かりやすくて簡単です。誰でもできる!」と話す村上さんは続けて、
「沖合に投げたウキを支点にジグヘッドは直下に垂れていてL字型になっています。この状態でロッドを上げたり下げたりすると、ジグヘッドはそれに合わせて上下します。ゆっくり中層を引いてくることもできるし、止めてアタリを待つということもできます。かなり遠投しているのでラインは真っすぐではなと思いますが、張り気味にしていればアタリはそれなりに伝わってくるので、バイトがあったらしっかり掛けていきましょう。
ただ、ポイントがかなり遠いので、掛かったあとバラさないように取り込めるかどうかも重要です。ともあれ、この方法はいろんな釣りに応用できそうですね。各地で試してみたいです」と話す村上さんだ。
浅い砂地が辺り一帯に続くのが陸奥湾津軽半島側の特徴だ。ここのアマモの海藻帯をフロートリグで攻略する。
パターン確立!
「まだ1匹だからピンとこないね」という村上さんは、小移動して引き続き攻略継続。
「浅いゴロタなので根掛かり防止のためにジグヘッドを軽くします」というと、レベリングヘッドを1.6g(ワームはバルキースパテラ1.8in)に変更した。これでしばらく様子を見たが、波に揉まれて操作感が悪かったため、再び2gにウエイトアップ。やはりこのウエイトが扱いやすいと判断した。
探っていくうちに釣り場の地形が分かってきた村上さんは、今度はあまり遠投せず、比較的近くにあるゴロタの沖側のエッジを探ることにした。少し沖に投げたら、ゴロタのちょっと沖側まで探って、手前はリグを浮かせて一気に回収する方法をとった。この狙いが正解で、ゴロタのエッジにリグが差し掛かったところで狙い通りにヒット! そして急に降り出す雪!
「ゴロタ際をタイトに攻めて、イメージ通りに釣れました」とご満悦の村上さんだ。
「この釣りではラインテンションの調整がキモです。緩めすぎず張りすぎず、微妙なバランスを保ちながらウキを支点にルアーを操作するイメージです。でも、ジグヘッドが2gと重いので、そのうち操作にも慣れてくると思います」
再びポイント移動した村上さん。今度の場所は砂地にアマモが繁茂しているようなオープンエリアで、バイト地点は遠いと判断した村上さん。
「メバルにはバルキースパテラ1.8inが鉄板なんだけど、せっかくだからほかのワームを使ってみます。レベリングヘッド太軸金鈎2gに、今度はサビキ的2.5in(活白)でやってみます」というと、このリグをフルキャスト。すると着水後すぐにバイト発生! これをしっかりアワせて寄せてくると、上がってきたのは良型のメバルだ。
「釣れる魚が全部24㎝以上あるよ。こんなに型が揃う場所はなかなかないね。青森最高!」とご満悦の村上さんだった。
型揃いの良型メバル連発に村上さんもごきげん!
PROFILE
村上晴彦
むらかみ・はるひこ:ブラックバスからソルトゲームまで、幅広いジャンルの釣りに精通する元祖カリスマアングラー。常吉リグ、ネコリグの考案者であり、独自のセンスで爆釣リグを発表し続ける。ISSEI海太郎のデザイナーを務め、新製品の開発を手がける。
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